「コマンドー」(1985)
- 監督:マーク・L・レスター
- 脚本:スティーヴン・E・デ・スーザ
- 原案:ジョセフ・ローブ3世、マシュー・ワイズマン、スティーヴン・E・デ・スーザ
- 製作:ジョエル・シルバー、ローレンス・ゴードン
- 音楽:ジェームズ・ホーナー
- 主題歌:パワー・ステーション “We fight for love”
- 撮影:マシュー・F・レオネッティ
- 編集:マーク・ゴールドブラット
- 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ヴァーノン・ウェルズ、レイ・ドーン・チョン、アリッサ・ミラノ、デヴィッド・パトリック・ケリー、ビル・デューク 他
アクション映画好きであれば見たことのない人はいないであろう作品。
そして多くの人の間でカルトとして不動の人気を博すのが、こちらマーク・L・レスター監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の不屈の名作、「コマンドー」。
この前年1984年には「ターミネーター」で映画史に残るクールな悪役を演じたシュワちゃんが、今作では王道筋肉もりもりアクションヒーローを演じ、以後の彼のイメージと人気を確立。
80年代から90年代、彼のマッチョアクション像が輝くのも、この作品あってと言えるかもしれません。
さて、本国でも人気の今作ですが、日本国内ではまたある別の要素の助けもありカルト化がすさまじいですね。これは後ほど。
元精鋭部隊の指揮官であるジョン・メイトリクス。様々な任務をこなしてきた彼も、今は前線から退き、愛する娘ジェニーと山荘で静かな日々を過ごしていた。
ある日そこに、かつての上司であるカービー将軍が訪れてきた。
将軍は、メイトリクスのかつての仲間たちが何者かに次々と殺害されていると告げ、念のためと部下を山荘周辺に残していった。
悪い予感は的中し、謎の武装集団により家は襲撃され、娘のジェニーが人質にとられてしまう。彼らはジェニーと引き換えに、メイトリクスに汚い仕事をやらせようというのだ。
アクション映画はお好き?では気に入りますよ。
ああ、おっしゃらないで。アートハウス映画なんて考察は面倒だし知識は必要だしでいいことありません。
その点この映画はどんな方にもおすすめ。ドンパチだってたっぷりありますよ。
さあ、どうです?余裕の筋肉だ、主演が違いますよ。
ってわけです。感想終わり・・・
まあちゃんと書きますw
私もコマンドーに育てられ、コマンドーを愛するものの一人なのですよ。そしてそこにおいて大事なのは、日本語版吹き替え。翻訳のセンス、声優さんたちの演技。
どれも本作品の価値を高め、愛されるカルトへと押し上げた要素だと思います。なのでぜひとも、日本語吹き替えでの鑑賞もしていただきたい。
ローカライズの成功はこの辺で。さてこの作品が始めたものは何かと言えば、シュワちゃんの黄金期でしょう。ここまで筋肉が隆々としていて、そしてそれ以外何もない(褒め言葉)。
マッチョマンがやたらめったらに暴れまくり、殴り撃ち爆破しドンドン殺す。それでも凄惨さを感じさせず、楽しく笑って観れてしまう。ここにまた一つアクション映画の歴史があるんですね。
筋肉モリモリの男がメチャクチャに敵を撃ち抜き、彼には一切弾も当たらない。
無双に次ぐ無双。絶対の安心感にはスリルも感じない、圧倒的無敵感がある。この無敵感が大事なのかなと思います。
つまりは観客はこのシュワルツェネッガー演じるメイトリクスという超人の、ありえないほどの活躍を見ることで全能や無敵の感覚を疑似的に得るのです。
そういった意味ではある意味この映画はポルノかと思えますね。もちろんバカバカしいと認識はしているはず。
ただ認識しているからこそ、抜けのいいノリに身を任せられると思います。
こういう振り切った映画も楽しいものです。
突っ込みどころは多々あります。脚本上、現実的な観点から見てのものなどキリはないですが、それをこのシュワちゃんが筋肉でねじ伏せていきます。
非常に切れのいい(悪趣味ではある)捨て台詞の数々。
殺した後or直前に何か一つ台詞を残していくのは、「トータルリコール」(1990)やらそれこそ「ターミネーター2」(1991)にも続く部分。
このマッチョマンが、おいそれはひでぇwという一言と共に、弾丸をお見舞いする様はもはや暴力性を吹き飛ばして痛快に観れるものです。
またなんとなくツボを押さえるようなシーンをしっかり入れているのも好印象。それは銃火器の準備というシーン。お店でのこれでもかという購入(100%OFF)、そして島での完全武装シーン。
とにかく生身でもアホみたいに強いこのメイトリクスが、なくてもイケるだろ!という声に反して次々に武装していく。シュワにミニガン。
筋骨隆々とした男があちこちに銃を付け、ナイフを忍ばせ、手榴弾をぶら下げマシンガンを肩にかけロケットランチャーを担ぐ。このカットだけでも最高。さあ、アクションを始めるぞおおお!!
ってなわけで、非常に偏愛のこもったレビューでした。とにかく良く作られた映画ではないです。お話も演技もまあ・・・
ですが、フィクションの世界に無敵がいて何が悪い!ドンパチアクションという流れは、確かに人を楽しませた。その源流ともいえる、シュワルツェネッガーの大暴れ、是非見てみましょうね。
ということで、「さっさと観ろってんだよ、このポンコツ!」
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