「トレイン・ミッション」(2018)
- 監督:ジャウム・コレット=セラ
- 脚本:バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ、ライアン・イングル
- 原案:バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ
- 製作:アンドリュー・ローナ、アレックス・ハインマン
- 製作総指揮:マイケル・ドライヤー、フアン・ソラ、ジャウマ・コレット=セラ、ロン・ハルパーン、ディディエ・ルプファー
- 音楽:ロケ・バニョス
- 撮影:ポール・キャメロン
- 編集:ニコラス・デ・トス
- 出演:リーアム・ニーソン、パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ、フローレンス・ピュー、ジョナサン・バンクス、サム・ニール、ディーン=チャールズ・チャップマン、アンディ・ナイマン 他
「エスター」などのジャウム・コセット=セラ監督が、リーアム・ニーソンと送る電車の中を舞台にしたミステリースリラー。
監督とニーソンのタッグは「アンノウン」、「フライト・ゲーム」、「ラン・オールナイト」と今回で4回目となります。
謎の女性としてヴェラ・ファーミガ、また元同僚役にパトリック・ウィルソン、サム・ニールなどが出演。
リーアム・ニーソンがピエール・モレル監督の「96時間」にてアクション俳優として活躍しだしてしばらく、この手の作品に出ずっぱりな感じであるところの1本です。
正直「アンノウン」も「フライト・ゲーム」もそこまで楽しめなかったので、今作は劇場スルーしていました。
今回はソフトでの鑑賞機会があったので初めて観てみました。
元警官のマイケル・マコーリーは警察をやめてから保険のセールスマンとして働いていたが、あるとき急に解雇されてしまう。
その事実を家族に打ち明けられず、彼は仕事に行くふりをしていつもの通勤電車に乗る。
そこには顔なじみがたくさんいるが、今日は知らない女性が席につき話しかけてきた。
彼女はある駅で降りる、普段はこの電車を利用しない人物を見つけることができれば、大金を得られると持ち掛けてきた。
何かのいたずらと思っていたマコーリーだったが、実際に大金がトイレに隠されており、さらに家族を人質に仕事を続けるよう脅迫までされてしまう。
見知らぬ乗客を特定しながら、同時にマコーリーは家族と乗客たちを救うため奔走する。
密室である電車を舞台に、ある任務命題を提示しそのスリリングさを提供するタイプの作品ではありますが、私は決して楽しめる映画ではなかったです。
スリルも謎解きも特に考えることはない。また乗客それぞれのドラマや言ってしまえば主人公の境遇と展開にすら興味を失っていきました。
大きな要因は、ルール破り。
こうした密室劇においてはルール決めがなされ、展開によって大きなドラマが生まれつつも、そのルールには沿って進む。それが全体を支えるフレームのようなものだと思っています。
今作では「見知らぬ乗客を見つけ出し、賞金を得る」が提示されますが、そこに脅迫が入り込むのが早すぎるためかこのゲーム部分はあっさりと破壊されてしまいました。
そのため枠を失ったジグソーパズルは崩れ去っていき、各ピースが何を描こうとも全体がまとまることはないのだと思います。
外枠はずれの状態で、サスペンスからプリン探し、その他の陰謀論などに展開していくわけですが、結局アクションの格闘も盛り込んでしまったり、どうにもセラ監督とニーソンはできたことをもう一度やることに徹してしまっている気がします。
知性で潜り抜けろよと。
最後はディザスタームービーばりの大事故になってしまうわけで、こんな感じで乗客全員最初から殺してしまえばいいのにと思いました。
濡れ衣着せに関しても、ここまで回りくどいことできるなら余裕でしょうし、そもそも色々なところに蔓延る組織であるなら、こんなチンケな企みも要らないでしょう。
主人公の成長というのも別段今回の件を通してという感じもせず、最後の民衆の善意的な部分とか「フライト・ゲーム」でもちょっと感じる「駅馬車」みたいな団結とか、急な展開過ぎて飲み込めません。
正直頭は使わない娯楽としてであれば、俳優陣は結構豪華ですし演技はしっかりと硬いですから、役者目当てで観るのがいいのかと思います。(個人的には鼻ピパンク女子なフローレンス・ピューがみれたのでOK)
感想は以上。インタビューでも飽きてる感じありましたが、もうニーソンはタフなアクション親父的なのはやめても良いのかな。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
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