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「ハッピー・デス・デイ」”Happy Death Day”(2017)

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happy death day 2017 映画レビュー
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「ハッピー・デス・デイ」(2017)

  • 監督:クリストファー・ランドン
  • 脚本:スコット・ロブデル
  • 製作:ジェイソン・ブラム
  • 音楽:ベアー・マクレアリー
  • 撮影:トビー・オリヴァー
  • 編集:グレゴリー・プロトキン
  • 出演:ジェシカ・ローテ、イズラエル・ブルサード、レイチェル・マシューズ、チャールズ・エイトキン、ルビー・モディーン 他

happy death day 2017

「パラノーマル・アクティビティ/呪いの印」のクリストファー・ランドン監督が、自分が謎の人物に殺害される日を何度も繰りかえす女性を描くホラー映画。

主役は「ラ・ラ・ランド」でミアのルームメイトを演じたジェシカ・ローテ。

作品は2017年ですが、日本では公開がかなり遅れ、2019年の中頃の公開になりました。続編がすでに公開されていたので、ほぼ2本同時公開みたいな感じです。

私は作品の予告を2017年に海外で観て知ってはいましたが、日本公開時にも劇場には観に行くほど興味がわかず、今回配信で初めての鑑賞となります。

映画が好きな方たちの中では公開時から結構好評でした。

happy death day 2017

9/18(月)。ツリーはよく覚えていない男子学生の寮の部屋で目覚める。

ツリーは止めてくれた学生カーターに不躾な態度で、友人や思いを寄せる男子にも冷淡だ。

しかも自分の誕生日に一緒に食事をする父からの誘いもすっぽかし、夜の学内パーティに向かう。

そこで彼女は大学のマスコットのお面をかぶった何者かに襲われ、ナイフを突き立てられるが、気が付くとまたカーターの部屋で目覚める。

全く同じ会話、同じ出来事が起こる9/18をもう一度生きるツリー。そして嫌な予感は的中し、マスクの襲撃者が再び彼女を殺すのだった。

happy death day 2017

総合的にはエンターテインメント性が非常に高く、ウィットに富んだ中でさまざまなジャンルとホラー映画の名作などの引用を行いながらも決してそれに大きく寄りかからない作品でした。

すごくシンプルに楽しめる映画です。観ていて楽しい。

プロット云々に行く前にまず主役のジェシカ・ローテがとにかく素晴らしいです。ライカブル。

観客が初めて会うツリーですが、言葉は悪いですが、正真正銘のビッチです。

パーティで酒飲みまくり酔っぱらいで、複数男子とその場限りでヤッちゃうし、先生と不倫しながら他人をバカにし見下す。

まああまり見られない感じの主人公。ただ今回の作品は殺されることが主軸。

ともすればホラーの歴史において、こういった女性キャラはまず死んでしまうのが定石なので、その根本的な敬意も感じられます。

そして、なによりキャラが良い。良くも悪くも荒々しいというか。

ジェシカ・ローテがその点好演していて、アイシャドウが乱れての不健康なにらみをきかせ、殺しに来る奴絶対倒すの不屈の精神を持っています。

変にくよくよしたり弱って助けを求めず、活発に犯人探しをしますし、彼女の設定上グイグイいって違和感ないためそれがテンポの良さにもつながっていますね。

ジェシカ・ローテ、かわいい一面みせつつガサツ感も出せるし、ほんとにハマっていると思います。彼女の貢献は非常に大きいです。

happy death day 2017

さてプロットとしては、劇中にも言及がありますが「恋はデ・ジャヴ」の出血大サービス版みたいなものです。

そこに単一の正体不明の殺人者要素としては「ハロウィン」や「スクリーム」の要素もあるかと。

しかしジャンルミックスが上手くいっているおかげで、そうした借用というのが目立たず、新鮮フレッシュな気持ちで観れるのも巧いところです。

先述の通りの主人公なので後退したりせず、謎解きとして殺人者を突き止めるためにループするのが楽しい。

そしてこの作品は純粋に恐ろしいホラーではなく、コメディもあると思います。殺されるパターンを色々見せてくれたり、ツリーの反応やそっちかよ!展開など人死にが笑える作品です。

happy death day 2017

で、軽快で楽しい作品ではあるのですが、個人的には惜しいというか物足りない点も。

それはこの作品に、いわゆるクリスマス・キャロル要素がありながら、それがループそのものと直接には関わっていない点、またループ解決と殺人者もじつは特段関わっていないことです。

つまり、各要素を展開していく点は非常に楽しいのですが、まとめ上げには正直満足できないんです。

ツリーはループの内に自分を本当に大事に思っている存在や、逃げ続けてきた自分の境遇に向き合います。それは生きることにつながるわけです。

生きるということを観直していき、ビッチが分別あるビッチになるのです。

スクルージ―のような物語で、暖かくちょっと涙を誘うような点やなんならハッピーなシーンもあります。死なせてはいけない人のため、死んでいく(「次は絶対に止めを刺す」というカッコいいセリフあり)ツリーは心底素敵。

happy death day 2017

ただ、この自分を見つめ直し成長すること自体が、このループという現象そのものにはなんら関係はないのです。

そして、犯人証に関してもベビーのマスクでの正体不明感が良くも悪くも、誰でもあり得るため、カッチリともハマりませんでした。

死なないことでやっとループから脱出ですが、であれば成長も必然ではないということになってしまいます。

人としては嫌な奴のままでも、犯人突き止めればいいわけです。(あとループの原因聞くのはナンセンスでしょうか・・・?)

成長とループそして犯人探しがもう少し必然性を持って帰結するとよかったなと、少し残念ではありますが、アトラクション的に楽しい映画であるのでおススメです。

まあホラーとしては怖くないというのも人によってはどうかと思われるかもしれませんが。

ジェシカ・ローテの好演や展開の楽しさがとても良かった作品でした。

今回の感想はこのくらいになります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次の記事で。

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