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「キャットファイト」”Catfight”(2016)

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catfight_movie-2016-sandra-oh-anne-heche 映画レビュー
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「キャットファイト」(2016)

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作品概要

  • 監督:オヌール・トゥケル
  • 脚本:オヌール・トゥケル
  • 製作:グレッグ・ニューマン、ジジ・グラフ
  • 音楽:フレデリック・サンズ
  • 撮影:ゾーイ・ホワイト
  • 編集:オマール・トゥケル
  • 出演:アン・ヘッシュ、サンドラ・オー、アリシア・シルヴァーストーン、アリエル・カブシ 他

「Applesauce」などのオヌール・トゥケル監督が、大学時代に嫌いあっていた二人の女性の再会と、そこから繰り広げられる熾烈な争いをコメディトーンで描く作品。

主演は「フェイク」などのアン・ヘッシュ、また「キリング・イヴ」シリーズで高い評価を得たサンドラ・オー。

その他アリシア・シルヴァーストーン、アリエル・カブシらが出演しています。

作品自体は17年とかそのくらいに聞いていていつか見てみ追うかなと思っていた程度。たしか一般公開はなく、特集上映のプログラムの中にあった作品だったと思います。

今回NETFLIXでいろいろみてたら見つけたので初めて鑑賞してみました。

「キャットファイト」NETFLIX配信ページはこちら

~あらすじ~

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ヴェロニカは成功した社長である夫と愛する息子とともに、ニューヨークで裕福な暮らしをしている。

一方でアシュリーもニューヨークで暮らしている。彼女は夢である画家を目指し創作活動を続けているが、注目されずスランプ状態。

さらに一緒に暮らしているリサからは、経済面を一人で賄うのは難しく、芸術活動を抑えて仕事についてほしいと頼まれていた。

仕方なくリサのためのパーティで給仕として手伝いをしていると、そこにヴェロニカが現れた。

2人は実は大学時代に犬猿の仲であり、社長夫人のヴェロニカと、売れない画家で給仕のアシュリーでは衝突は明らか。

非常階段で殴り合いの大喧嘩をはじめ、最終的にヴェロニカは気を失ってしまう。

そして次の瞬間、目覚めたヴェロニカには衝撃の事実が告げられるのだった。

感想/レビュー

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オヌール・トゥケル監督の女の熾烈な戦いはまさに仁義なき戦いではありますが、そのスタイルというのはあまりに風変わりで奇妙です。

女の闘いなんて言われると、よくイメージされてしまうのが陰湿なものであったり口論ベース、もしくは今であればネットを駆使してというものもあります。

男性においては戦いといえば格闘と銃一辺というなあたりもですが、固定された概念を今作はぶっ飛ばします。

速く的確な試合組み

映画の下準備はとてもスマート。

キャリアを捨てて子育てに人生を捧げたヴェロニカ。夫はそれでもなお妻の役目を期待し、パーティで遊ぶこそも許されない。

ヴェロニカはそういった背景から「子離れしろ」と言われるほどに息子を溺愛していますね。

彼女の拠り所がこうして示されるところに、のちの展開の重さが響きます。

女性としての役目のようなものを負わされていることと、また自分のあったはずのキャリアを捨てているところから自立が簡単ではないことなど、見てみれば彼女にはフェミニズムの色も見えます。

またアシュリーの方にもその色合いは観れたかもしれません。

私見ではあるのですが、彼女のレッド基調の攻撃的なアートたちは男性の評価によって抑圧されたように思えます。

アトリエで厳しい評価を向ける。もちろン作品全体の争いへの批判としては、アシュリーのアートに向けた評価も合致はしています。

しかし男性に認められないと出世しない構図がどうしても感じられたのです。

また社会性に関しても大きな要素になっています。

ヴェロニカの裕福さが中東での戦争に起因することから、彼女も社長夫人という格を失えば清掃員になること。

ここには結局有色人種が置かれるアメリカで社会的に厳しい位置までも感じられました。

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滑稽なファイト

さて、香港アクション映画化というような激しい打撃音を加えたおもしろバトル。

マウントとって殴りつけ、エルボーから膝、あざだらけ血だらけになりながらの壮絶バトル。これはまさしく死闘です。

武器から投石までしたりと全3回戦のバトルはすさまじいです。アクション的にではなく奇妙な面白さがあります。

ブラックユーモア的な。

対位法のようにクラシック音楽が重ねられる殴り合いは全体の雰囲気にアホらしさを付与しています。

実はアホらしさが肝なのかと。

第一ラウンドではヴェロニカがギャグみたいに昏睡状態で2年過ごしますね。そこで彼女はすべてを失う。

冒頭であれだけ溺愛していた息子は、豊かさの根源であったその戦争によって奪われてしまいます。なんとも皮肉です。

そしてまたアシュリーの方も第二ラウンドでの敗北からすべてを失います。死後、パートナー、そして子供。

ある意味でヴェロニカから奪ったものをそっくりそのまま失うのです。

争うほどに失う

彼女たちの争いは何を生んだのか。何も。

おとぎ話からそうですが、争って得るものはなく争い続けるほどに失ってばかりです。

ヴェロニカもアシュリーも火種を持っていても抑えることができれば違った結末だったでしょうか。

ふたりで殴り合って、何もかも失って。最後はやることもなくまた争っている。

背景に絶えずおかれたアメリカの中東での戦争についても、何か成果はあったのでしょうかね。

オヌール監督はあまり映画では描かれない、女のぶち殺しあい本気バトルをそのブラックユーモアに包んで見せる。

それは主演の二人のパワフルさとしんみりするドラマ性から、争うことの根源的なバカらしさを見せています。

風変わりで奇妙ながら芯はしっかりとした作品でした。

配信されていますので興味がある方は是非。

今回の感想は以上。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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