「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)
作品概要
- 監督:ロバート・ゼメキス
- 脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
- 製作 ボブ・ゲイル、ニール・カントン
- 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル
- 音楽 アラン・シルヴェストリ
- 撮影:ディーン・カンディ
- 編集:ハリー・ケラミダス、アーサー・シュミット
- 出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、トーマス・F・ウィルソン、リー・トンプソン、クリスピン・グローヴァー、クローディア・ウェルズ 他
マイケル・J・フォックスはゴールデングローブ賞で俳優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされました。
SF映画のクラシックとして広く認識されていおり、その後、2作目と3作目も制作され、シリーズ全体が成功を収めました。
公開時には生まれていないので、初見はTVでしたが、やはりタイムトラベルのストーリーやキャラクター、デロリアンのかっこよさに引き込まれました。
午前十時の映画際で上映した際には初めてスクリーンで観ることができましたが、本当に貴重で名誉なことでした。
今でもTVでたまにやっていますが、なんとなく見返したのでここで感想を残します。
~あらすじ~
高校生のマーティ・マクフライは友人のドク・ブラウンがタイムマシンを発明し、未来に行くという実験を手伝う。
しかし、思わぬ事件が続発し、タイムマシンを使ってたったひとり1955年にタイムスリップしてしまう。
マーティはそこで若い両親たちに出会い、彼らを助けるために過去での出来事に介入。
同時に、未来の改変により自身の存在が危機に瀕してしまう。
マーティはタイムパラドックスを解消し、過去と未来の出来事を修正しようと奮闘する。
感想/レビュー
世代を超えて愛される世代を超える映画
いまやレトロムービーの仲間入りをしている作品ですが、今作は家族、友情、愛情、自己発見といった普遍的なテーマを扱っており、これらのテーマはどの世代にも共感を呼び起こします。
親子の関係や友情に関する要素は、年齢にかかわらず観客に共感を与えますね。
それこそ、いまだにこのシリーズが当時のファンにも愛され、また新たなファンも獲得し続けている理由でしょう。
マーティ、ドク、ロレイン、ジョージなど、映画に登場するキャラクターは魅力的で個性的。
現実の人間というよりも、完成された世界観のキャラクターとして印象深く、すごくlikable。
嫌う人はいないんじゃないかと思う純粋さや牧歌的な安心感があります。
悪役的にはいじめっ子であるビフがいますが、凶悪ってわけではなかったり。セーフバーがある感じがします。
そして今作はタイムトラベル映画の火付け役のようなものです。
タイムトラベルのコンセプトを広め、他の映画やテレビ番組に影響を与えました。
タイムトラベルがSFやファンタジーの作品で一般的な要素となり、新たなストーリーのアイデアやテーマが生まれ、映画の中でのセリフでも名前が上がるほどですね。
過去とは未知に満ちている
映画は時間をさかのぼっている。
しかし自分の生まれる前の世界というのは、未来と同じく未知に溢れているのです。
そこでまた特筆すべきなのは、今作の美術だったりプロダクションデザイン。
1950年代と1980年代の世界を再現するために、セットデザインや衣装に細心の注意が払われました。ヒルバレーは有名な話ですが、全部セットで創り出しているんですよね。
50年代ダイニングとか、みんなの家の感じとか。
若い人からすれば新鮮だし、その両親たちはまさに自分たちの子どもの頃や青春を思い出すわけです。
今現在の世代から見ると、いずれも新鮮ですし、2000年代以降にある80年代のノスタルジアを考えると、逆にこの作品内のマーティのファッションや音楽というのはまたオシャレなんですよね。
その他ホバーボードなどのプロップやデバイスは、映画のアイコンとして認識されています。
音楽とメカ
そして絶対に誰しもが見たら忘れないのは、もう一人の主人公といってもいいタイムマシンのデロリアン。
そもそも車で走って時間を超えるというのがカッコいい。何かボックスとか部屋、置いてある装置じゃないんです。
デロリアンが轟音と共に炎を上げ、一瞬で消えていく姿は非常に印象的です。
さらに盛り上げてくるのは、アラン・シルヴェストリによる音楽スコア。みんな知ってるあれですよ。
なんならバック・トゥ・ザ・フューチャー関係ないところでも使われますからね。
過去に行って両親にあう。そこで家族のことを知っていく。
別に親の苦労とかそういう話ではなくて。むしろ出自ゆえのハラハラとか、両親をくっつけようというミッションが楽しいですね。
素敵な友情
私としては今作で最も絆を感じていくのは友人。それはドク。
マーティ・マクフライは高校生でドクは天才発明家。
年齢においては大きな差がありますが、彼らの関係は師弟関係と友情が組み合わさったものです。
この在り方って、あまり文化的には日本では見かけないタイプ。
この二人の協力関係って、映画の中の大半が、異なる時代にいるのに成立しているんです。
同じ時代から来たんじゃなくて、ドクは急に現れた青年マーティを信じ、家族や友人を守り、未来をより良いものにしようと奮闘しているわけです。胸熱。
未来はさらに未知
80年代の中では未来に明るいタイプよりも、「ブレードランナー」みたいな暗さがあったのかもしれないです。
そんな中でユーモアにあふれた時間移動を見せて、最終的にはワクワクする高揚感で未来への道を締めくくって見せている今作は、受け入れやすく思います。
デロリアンにキャラクター、時計台やダンスパーティ。アイコンになるものが多すぎて、この作品自体が一つのジャンル。
あまりいないと思うのですが、もしも観ていないという場合にはぜひ鑑賞を。
今回の感想は以上。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。
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