「ドライヴ」(2011)

  • 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
  • 脚本:ホセイン・アミニ
  • 原作:ジェイムス・サリス
  • 製作:マーク・プラット
  • 製作総指揮:デヴィット・ランカスター
  • 音楽:クリフ・マルティネス
  • 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
  • 編集:マシュー・ニューマン
  • 出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クラストン、ロン・パールマン、オスカー・アイザック、クリスティーナ・ヘンドリクス 他

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デンマークのニコラス・ウィンディングレフン監督が、「ブルーバレンタイン」などのライアン・ゴズリングを主演に迎えたクライム映画。

監督は今作でカンヌの注目を集め、日本ではこの「ドライヴ」以降名を知られることになります。

この作品以後、トム・ハーディ主演の「ブロンソン」(2008)、マッツ・ミケルセン主演の「ヴァルハラ・ライジング」など彼の作品が次々日本でリリースされました。

他に、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、ロン・パールマンなどの役者もそろっており、当時はまだそこまでスターじゃなかったオスカー・アイザックも出ていますね。

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男はドライバーをやっている。昼は映画などのスタント、夜は犯罪者の逃がし屋として。

そしてある日、同じアパートで出会った人妻のアイリーンに一目ぼれする。二人は彼女の息子も交えよく会うようになり、楽しく過ごす。

程なくして服役していた夫のスタンダードが釈放され、彼はある仕事を引き受けることになる。

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オープニングで拍手。車内のみのカメラとか音楽の使い方、台詞もなくその映像だけでこのドライバーの論理やルール、そしてスリルの体感まで詰まっていますね。

ここだけでこの映画のスタイルが確立されていますね。

全体の雰囲気はノワールっぽくそれでいてやはり現代的でしょう。

話はまさにイーストウッドの名無しを思わせるものでして、これはマカロニウエスタンと言ってもいいと思いました。

主演のライアン・ゴズリングは「君に読む物語」(2004)、「ブルー・バレンタイン」(2010)が印象に残っています。恋する若者でしたが、今作ではずいぶん寡黙な仕事人です。カッコよさは健在ですが。

私は今作でのキャリー・マリガンが好きで、なんというかかわいらしいですね。ここでは大分幼く見えました。

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「ドライヴ」を包んでいるのは現実乖離したカタルシス的こだわりな気がします。

オープニングの逃走劇。ふと車のライトを消して隠れたりというリアルさ。そして流れる曲。

とにかくサソリのスカジャンなど衣装から、使われる曲、スコア。動と静を交差させるテンポなど、ピンとこない人には何ともないのですが、引き込まれる人にはもうどうしようもなくたまらないのです。

上のエレベーターでのキスシーンは照明の使い方もこだわったもので神秘的。そしてこの直後に始まる凄惨なバイオレンスもまた魅力なのです。

ふとした瞬間に切り替わるジャンル。世界とは少し視点を変えればまったく別の顔を見せてくるんですよね。

ドライバーの仕草、映画のテンポや雰囲気などとにかく私には最高にカッコよくカルト化しました。

もちろんダサいと思ったり、つまらないと感じたり、人によってだいぶ違うのですが。

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また脇にいる人物も良いですね。ブライアン・クラストンの運のない男。ロン・パールマンの顔力の強さ。個人的にはアルバート・ブルックスが大変気に入ってます。

一見まぁ優しそうな気もすると思えばトンデモないことをする。

使った剃刀を丁寧に洗ってケースにピッチリ並べてしまうあたり、私にはもうたまらないのです。

それぞれに持たされている深み、含蓄され言葉にはされない切なさ。ドライバーの機械修理と彼の心の関係、ニーノのコンプレックスやあのマスクを使った演出。

さらに一つ言っておくと、この映画のスコアですね。とにかく良い。

“Nightcall”、”A Real Hero”等の曲から好きなものがたくさんです。”Bride of Deluxe”もかなり好きです。映画をみて、いや観なくてもCDをおススメします笑

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寡黙でシャイなドライバー。

直接伝えることはできずとも、愛する人の人生を想って行動していく。それがどんどんと破滅へと向かっていても、それでも止まれないんですね。

非常に美しい画面スタイル、効果的な音楽、寓話だけどしっかり積まれた人物の厚み。ふと目線を変えた瞬間に、こんなフェティッシュで、そしてバイオレンスで切ないロマンスの世界が見えるのです。

完全にカルト映画だと思うので、万人にはお勧めできません。

しかし、この空気に触れてみることはお勧めします。もしかしたらどっぷりはまってしまうかもしれませんよ。

このあと今年の2月頃に「オンリーゴッド」をこのレフン×ゴズリングでやっていましたが、そちらはまぁうん。良い映画では無いですが好きな部分もあるといった具合でした。あえてすすめはしませんね。

そんなところで今回はおしまいです。

それではまた。

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