「レディ・オア・ノット」(2019)

  • 監督:マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット
  • 脚本:ガイ・ブシック、R・クリストファー・マーフィー
  • 製作:ブラッドリー・J・フィッシャー、ウィリアム・シェラック、ジェームズ・ヴァンダービルト、トリップ・ヴィンソン
  • 製作総指揮:ダニエル・ベーカーマン、チャド・ヴィレラ
  • 音楽:ブライアン・タイラー
  • 撮影:ブレット・ユトキーヴィッチ
  • 編集:テレル・ギブソン
  • 出演:サマラ・ウィーヴィング、アダム・ブロディ、マーク・オブライエン、メラニー・スクロファーノ、ヘンリー・ツェーニー、アンディ・マクダウェル 他

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マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット監督コンビによるホラー映画。

二人は”Devil’s Due”(2014)にても共同して監督しています。

主演は「ザ・ベビーシッター」などのサマラ・ウィーヴング。彼女はあのヒューゴ・ウィーヴィングの姪っ子だそうです。

共演はアダム・ブロディ、マーク・オブライエン。

前情報は全然なく、ただなにより映画館でやってるなかで面白そうだったので鑑賞してきました。

さすがに平日の午後、あまり人はいなかったですね。

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ボードゲームなどの産業にて成功を収めるル・ドマス一家。

グレイスはそのル・ドマス家の次男アレックスと婚約し、一家の屋敷にて盛大な結婚式を挙げることになる。

全てが順調だったかにおもえたが、結婚式の後、一家全員が屋敷にあつまり伝統のゲームをするのがしきたりであると言われる。

アレックスとの時間も持てず、言われるままにゲームに参加するグレイスだったが、一家伝統のゲームは常軌を逸するものだった。

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一言で言えば痛快という作品。

ジャンルはホラーとして扱われますが、実のところ陰惨な印象は与えずむしろスラップスティックさに傾いたバイオレンス、そしてどこか間抜けな人物で笑わせてくるタイプ。

もちろんゴア表現はあります。

ただじわじわとした痛みではなくどちらかといえば豪快な、勢いのあるタイプなので気分を悪くすることはないかと。

行き過ぎたバイオレンスはコメディになるというのは、悲劇と喜劇との関係性にも似ていると感じます。

全体の軽快なテンポやテイスト、そして狂っててもはや笑えるル・ドマス一家。

TVシリーズ「ワイノナ・アープ」で活躍してるメラニー・スクロファーノが薬中ナチュラル殺戮ママを演じてておもしろすぎました。ほぼこの人がめちゃくちゃやってますw

しかしなにより今作がポップなのは主人公グレイスのおかげだと思います。

彼女はあらゆるバイオレンスを”Fuck”で片づけてしまう、気持ちのいい女性なのです。

サマラ・ウィーヴィングのセリフの言い方とか、あと助けを求めたのにスルーされた時や子供ぶん殴ったときの悪態の切れの良さも笑えます。

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今作を通して、グレイスは決して悲鳴をあげながら逃げ惑う獲物では無いですが、同時に安易な逆襲者でもありません。

今作で一番良いなと思うのが、彼女が結果として誰一人殺さないこと。

サイコパス集団に追い詰められた挙げ句に、彼らと同レベルに墜ちるということが無いのです。

それはグレイスを徹底して被害者に留めることに繋がります。

私はそこに、グレイスに与えられた役割があると感じました。システムの破壊者です。

花嫁は嫁ぎます。自分を既存の家族集団に差し出すわけです。

今回はその伝統や一家の習わし、花嫁の役目によってひどい目にあうのですが、手を汚さずただ徹底して抗うことで、彼女はルドマスというシステム終焉をもたらすのです。

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今作の死者の中で、唯一他人のため犠牲になるダニエルは、OPでサクッと示されるルドマス家のゲームで、弟アレックスを守り、その後システムの中で生きてきました。

アレックスもはじめはグレイスを救うことに奔走しますが、結局はシステムの中で生き残ることを選びます。

直接的なものでは無いですが、強者が弱者を狩るというシステム、そしてそこで被害者にな女性という意味では社会的な側面も盛り込まれる作品かと感じます。

振り切ったバイオレンスで、血まみれドレスの花嫁が奮闘するコメディホラー。

尺も良い感じですし、サマラ・ウィーヴィングが最後まで程よく荒いのがとてもチャーミングな作品でした。

感想は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ではまた次の記事で。

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