「アイアン・ジャイアント」(1999)

  • 監督:ブラッド・バード
  • 原案:ブラッド・バード
  • 脚本:ティム・マッカンリーズ
  • 製作:アリソン・アーバーテ、デス・マカナフ
  • 製作総指揮:ピート・タウンゼンド
  • 音楽:マイケル・ケイメン
  • 撮影:スティーブン・ウィルズバック
  • 編集:ダレン・T・ホームズ
  • プロダクションデザイン:マーク・ホワイティング
  • 美術:アラン・ボドナー
  • 出演:ジェニファー・アニストン、ハリー・コニック・Jr、ヴィン・ディーゼル 他

監督はのちに「Mr.インクレディブル」(2004)や「レミーのおいしいレストラン」(2007)を手掛けるブラッド・バード。

大きなロボット、ジャイアントの声はワイルドスピードシリーズでお馴染みヴィン・ディーゼルが担当しています。

子供のころ深夜のTV映画枠で放送していたのを録画してもらって、初めて観ました。

気に入ってからはVHSテープが擦り切れるほど観ました笑

冷戦直下の50年代アメリカ。宇宙のかなたから何かが海に墜落。その消息を絶った。

その港町に住む少年ホーガースはある夜、テレビアンテナを何かが食べた後を見つけ、巨大なものが通った後をたどっていく。そこで見つけたのは巨大なロボットだった。

鉄人は発電施設にて感電してしまうのだが、ホーガースはその姿に同情し助けてあげた。そのことがきっかけで、彼はこの大きな友人との付き合いを始めていく。

暖かい色彩に、柔らかいタッチのアニメーションで、田舎町の森や湖などの自然が綺麗に感じます。ジャイアントもゴテゴテしてなくて、シンプルで愛嬌のあるレトロなデザイン。

また既に「トイ・ストーリー」(1995)もあり、CGによるアニメーションがありましたが、ここは舞台設定である50年代のクラシック感のため、抑えています。

ジャイアントが浮かないようにあえて線をぶれさせているように思えますね。この絵の感じがすごく暖かくて好きですね。

キャラクターも抑えて、それぞれ役割がしっかり組まれていますし、コメディタッチな会話劇もあり楽しめます。

話は友情がメインなのですが、兵器への批判が込められているものです。

どこから来たかもわからないこの鉄人に、アメリカ政府の調査員は脅威を感じ、「やられる前に見つけ、破壊する」と言い張るのです。

これは時代設定に意味があり、冷戦下、しかもソ連衛星スプートニク打ち上げのころのアメリカの恐怖を表していると思います。

目に見えない宇宙に、敵のなにかがあり自分たちを見張っている。そして二次大戦以降の核への恐怖が人々の心を支配していたのです。

そんな中謎の巨大な鉄人が現れれば、早急に見つけ先に攻撃しようと考えるわけです。

一方ジャイアントはかなり温厚、主人公ホーガースと出会ったこともあり無害な優しいロボットでした。一緒にコミックを読んだり、クズ鉄置き場や湖で遊んでいます。

大人たちは恐れ攻撃的なのに対し、ジャイアントとホーガースは友達として仲良くなるのです。

そして森でのシーン。そこでジャイアントの秘密が少し覗かれ、彼は銃というものの罪を知ることに。

「銃は殺す。」このメッセージがすっごく大事で、武器の勢力均衡によって作られる平和への痛烈な風刺になっていると思います。

そんな殺伐としたこの50年代、もとい大人の世界で、ホーガースとジャイアントはお互いに支え合う。学校では飛び級もあり仲間のいないホーガース、もとより自分が何かも分からず仲間のいないジャイアント。

2人がジャンクヤードで夜を過ごすシーンは感動です。

死に触れてショックを受けるジャイアント、まわりにはまさにジャイアントの死である鉄くずが山のようにあります。しかしホーガースはどんな物にでもある共通点を説きます。機械でも人間でも、心があれば、永遠なのだと。

ジャイアントはラスト、人間が起こしてしまった災厄を止めるため立ち上がります。

彼はホーガースに言われた「なりたい自分になる」を信じ、自分の本性を否定して、人の命を救うのです。

恐れ、破壊しようとしたこのロボットに、救われる。兵器に頼り破滅するはずの人類に、平和へのチャンスをジャイアントが与えてくれたのかもしれません。

ジャイアントはホーガースの優しさにより、なりたい自分になりました。そしてこの二人によって人々はよりよい世界、なれるかもしれない自分たちを見るのです。

そしてこの映画をみて、私たちもなにかなりたい自分になれるのだという希望を持てるのですね。素敵なメッセージの込められた、暖かなアニメーションでした。

こどもにもわかりやすく、楽しく、それでいて倫理的に大切なメッセージが込められている。

兵器よる平和なんてない、自分がどうあるかは自分で決められる。

小さいときに見られて本当に良かったと感謝している映画です。観ていなかったら是非1度観てもらいたいですね。おすすめ!

今回はこんなもので。ではまたー!

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