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「第10客室の女」ネタバレ感想|実力派キャストをも沈める脚本の弱さとは?

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第10客室の女 ネタバレ感想 netflix映画 映画レビュー
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作品概要

第10客室の女 ネタバレ感想 netflix映画

サイモン・ストーン監督による2025年のサイコスリラー映画。原作はルース・ウェアによる同名小説(2016年刊行)で、脚本はジョー・シュラプネル、アンナ・ウォーターハウス、そしてストーン監督が共同で執筆しています。

ストーン監督は過去に「時の面影」を手がけ、人間の内面を繊細に描く演出で高く評価されてきました。

物語は、取材中に殺人事件を目撃したトラウマを抱えるジャーナリストが、豪華客船で起きた「存在しないはずの乗客」の謎に巻き込まれていくというもの。閉ざされた海上を舞台に、記憶・錯覚・真実が交錯するスリリングな心理戦が展開されます。

主なキャスト

今作はNETFLIXでの配信作品となっています。10月の上旬に配信が開始され、人気ランキングに入っていたので鑑賞しました。

~あらすじ~

第10客室の女 ネタバレ感想 netflix映画

調査記者ローラは、取材中に目撃した殺人事件の記憶に苦しんでいた。

そんな彼女のもとに、余命わずかな大富豪アン・ブルマーから、夫リチャードとともに開催するチャリティ航海への招待が届く。

豪華ヨットには、著名人や資産家たちが集まり、華やかな夜が幕を開ける。しかし、偶然立ち寄った10号室で謎の金髪の女性と出会ったのをきっかけに、ローラの航海は一変。

深夜、悲鳴を聞きつけた彼女は、女性が海へ突き落とされる瞬間を目撃する。

第10客室にいた女性が海に落とされたと考えた彼女はクルーに捜索を依頼するが、すべての手がかりは消え、船内には「10号室の乗客はいない」と告げられる──。

周囲からトラウマの性で騒ぎを起こしていると言われたローラだったが、忍び込んだ第10客室の排水溝にブロンドの髪を見つけ、誰かが殺されたと確信。単身で真相を暴くために立ち上がる。

感想レビュー/考察

第10客室の女 ネタバレ感想 netflix映画

豪華なセットと撮影美術が支えるリアルな船上サスペンス

率直に言って少々期待はずれです。

豪華客船に負けないような、素晴らしい主演を持っている作品で、キーラ・ナイトレイは役選び含めて聡明な女性。彼女の演技自体のけん引する力は良いなと思いました。

良く繰り返されているプロットの微妙さの中でも、話に惹きつけてローラについていこうと思わせてくれる魅力を持っていました。

またやはりガイ・ピアース。綺麗で魅力的だけどなんだかいけ好かない感じとか、もうキャスティングでバレちゃいますがヴィランらしさはさすがでした。みんなキャストは良いなと思います。

そして撮影に使われているセットや衣装回りも見事だと思います。

船内について時に迷路のように、まさにこの作品のストーリーを思わせる構造や撮影がなされていますし、非常に豪華。実は今作のために本当に200億円くらいする豪華客船を借りて撮影したそうです。

そりゃ本物の感覚があるわけです。

脚本の弱さが作品を沈ませる

ルックは非常に良いと思うのですが、難点はその脚本です。プロットとして展開するものが多い気がしますし、うまく連携していない感が。

  • トラウマを抱えたローラと彼女の精神の旅
  • 富と権力の集団に潰される善なる行為という社会批判
  • 存在しないとされる女性の捜索と殺人の真相解明

複数盛り込まれている要素があるのですが、ローラ個人が抱えている精神の旅はそこまで重要ではないというか。彼女が信頼されない要因になっているだけだった気がします。

PTSDを抱えているから、精神的に錯乱して騒いでいるだけなんだと。

第10客室の女 ネタバレ感想 netflix映画

「バルカン超特急」型のプロットを活かしきれず

そしてなんとも古風でよろしい前半部分の「バルカン超特急」部分。このプロットは「フライトプラン」でも有名ですね。

事件が起き、「あの人がいない!」といっても、みんなが「そんな人は最初からいないよ。」と言って孤独に捜査をするアレです。

この時代にも見れるのは良いのですが、うまく扱い切れていない気がします。一応は本物の大富豪アンと、アンに成りすますようにされた女性とボディダブルという仕掛けはあるんですが。

なんというか偽物を使って遺言署名をごまかそうという仕掛け自体と、そのバルカン超特急的な仕掛けがマッチしていないように感じました。

解決のカタルシスが薄い終幕

2幕目の終わるころにはすべての黒幕も仕掛けも明かされていて、そこでローラが相手の仕掛けた身代わり作戦を逆手に取る。

身代わりとしてアン本人だと言い張るなら、アン本人が言っているのだから無視できないという状況を作らせて追い詰めるのです。

そのプロセスと反撃は好きだったのですが、最終的に解決するのがなぜか急にとっても親切になり行動までしてくれる補佐役の女性が銃で解決という。

ちょっと都合が良すぎるようにも感じてしまう終幕でした。集まっている客たちに、騒ぎ立てたり富裕層への嫌な印象を持たせる以外に全く役割がないのも残念です。

もっと各個人にいろいろな動機と思わせる部分があるとか、交錯していかないと真相を探る必要性すらなくなってきます。いわゆるフーダニットタイプとしても微妙ですし、主エンジンやセットが弱すぎる脚本を何とか持ち上げ支えていたという印象の作品でした。

今回は短いですが感想はここまで。ではまた。

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