「夕陽のガンマン」(1965)

  • 監督:セルジオ・レオーネ
  • 脚本:セルジオ・レオーネ、ルチアーノ・ヴィンツェンツィオーニ
  • 製作:アルトゥーロ・ゴンザレス、アルベルト・グリマルディ
  • 音楽:エンニオ・モリコーネ
  • 撮影:マッシモ・ダラマーノ
  • 編集:ユージェニオ・アラビソ、ジョルジョ・セッラロンガ
  • 出演;クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリア・ヴォロンテ 他

セルジオ・レオーネ監督がクリント・イーストウッドを主演に作ったイタリア製西部劇第2弾。前作の成功で勢いに乗ったレオーネがこれまたカタルシスの半端ないものを作りました。

原語のタイトルはもう少しのドルのためにという意味ですが、どうやら前の作品で製作会社らにひどく収益をとられたうえ、黒澤プロダクションへの賠償を払ったレオーネ。

この上さらに儲けようと彼を利用する気の会社に、別れと皮肉を込めて付けたタイトルらしいです。

黒づくめの男が駅に降りる。手配書の顔を見つめ何やら思う男。そして酒場へ行くと、賞金首を追い詰め、凄腕を見せ撃ち殺す。

そのころ、とある町には謎の男が現れる。悠然と賞金首に近づき、ねじ伏せた上、駆け付けた仲間もろとも撃ち殺す。

そうしてこの二人の男は、次に同じ賞金首を狙い始める。それは凶悪犯で知られるギャングの親玉、インディオであった。

今作の主人公は2人。リー・ヴァン・クリーフ演じるモティマーがイーストウッドと張り合います。

彼は「真昼の決闘」に出演したり、悪役として西部劇に出ていましたがこのころは俳優から画家になろうとしていました。レオーネが顔を大変気に入って直接交渉して出演しました。

正直イーストウッドを食ってるクリーフ。特徴的な鷲鼻、低い声、鋭い目つき。渋く荒い黒づくめのガンマンは、レオーネの独特なけしかけあい、モリコーネのSEのような音楽によって強く印象的でかっこいいです。

画面もやはりレオーネスタイル。接写がよく出てきますね。特徴的で濃い~顔の俳優たちの顔を、とにかく画面いっぱいに出します。

ポスターとかアートっぽい。そんな顔の接写を素早く交互にだすあたり、緊張感が高まります。

演出も、教会がギャングのアジト。帽子の撃ちあい、女がいなく野郎ばかり(いてもアホな尻軽笑)。そんなかんじで、男臭くて不良の遊び感まんまです。イタリアの悪童とはまさに。

ヴォロンテは今回も強烈ですね。サイコパスな犯罪者インディオを見事に演じています。レイプした女がその場で死んだことを今でも夢想し、残忍に人を殺す。

しかも主人公たちをリンチするシーンでは一派みんなでずっと、ずっと笑っているんです。頭がおかしい笑

それでいて頭は切れるんで、悪役として純粋に悪だから輝きます。ここでの演技がオーバーだとレオーネは思って、何度か口論したらしいですが、最終的に何テイクも撮って疲れさせることで抑えるという方法をとったようです。

終盤は決闘。円卓で対峙するのはやはり輪が閉じる=終結を意味するのでしょう。

個々の展開も男臭くって、王道で好き。インディオの夢想にかさなるオルゴールの音楽、それが薄れていくところに、イーストウッド登場。高鳴るモリコーネのファンファーレ。

それまで出し抜きあっていた男たちですが、ガンベルトを貸していざ決戦。ここで横から撃つのでなく、あくまで本人たちに決闘させるのが、ガンマンとしての尊敬です。

そしてラストは夕陽の中に消えていくモティマー。かっこよすぎです。

濃厚な男の友情劇。レオーネの夢見た関係でしょうか。少年のような、しかし熱いものですね。

早撃ちに接写にモリコーネ。今作ではやはりオルゴールの音色が素晴らしいですね。映画での役割も良い。イーストウッドも健在ですが、クリーフの最高の映画と思います。おすすめ。

それでは長くなりましたがおしまい。また。

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