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「ダイ・ハード」”Die Hard”(1988)

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映画レビュー
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「ダイ・ハード」(1988)

  • 監督:ジョン・マクティアナン
  • 脚本:スティーブン・E・デ・スーザ、ジェブ・スチュアート
  • 原作:ロデリック・ソープ 「ダイ・ハード」
  • 製作:ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルバー
  • 製作総指揮:チャールズ・ゴードン
  • 音楽:マイケル・ケイメン
  • 撮影:ヤン・デ・ボン
  • 編集:ジョン・F・フィンク、フランク・J・ユリオステ
  • 出演:ブルース・ウィリス、アラン・リックマン、ボニー・ベデリア、レジナルド・ヴェルジョンソン 他

今や有名な大アクション映画。続編も増えて、全部で5つ。今回はその初代をレビューです。

それまでのアクション映画をある意味覆してしまうもので、影響は大きいでしょう。1は2以降とは完全に違うと思っていまして、ダイ・ハードは私にとって1だけ。

その他はキャラが同じアクション映画と考えています。嫌いなわけじゃないですが・・・いや5はダメです!

ニューヨーク市警のジョン・マクレーンは、別居中の妻ホリーに会うため、彼女の職場のクリスマスパーティにやってくる。ホリーと会う彼だが、突如ビル内にテロリストが侵入。ビルは占拠される。

妻を含め大勢が人質にされる中、運よくのがれたマクレーン。

外からの助けがあてにならず、妻を救うために彼はたった一人で戦うことになる。

この映画、アクションとかスリルとかの前に素晴らしいのが人物の立ち具合。

アラン・リックマン演じるハンスは冷静かつ冷酷で、しゃべりや振る舞い含めとにかく良い悪役っぷりです。しかもかっこいい。主人公にやられるための敵でなく、しっかりと追い詰め苦しめてくるのです。

その他の人物もよく配分されています。ホリーの強気なところ、サイドキックであるアルのトラウマや正義感。エリスのうざさ笑 テロリストたちだってそれぞれに印象があります。そして警察やFBIの連中。

名前を憶えているかというと思い出せないでしょう。しかし一度映画を見れば、どんな人がどこで何をしていたか、しっかり頭に残っている。そんな気持ちいい印象付けが見事です。

さて肝心のマクレーン。彼のキャラクターはどうか。

これがおそらくこの「ダイ・ハード」という映画が生み出した一番の輝きです。

そもそもこの時代におけるアクション映画とは、いわゆるシュワちゃん、スタローンなどが活躍するもので、マッチョマンで特殊部隊員やらの無敵な男が、バッタバッタと敵をなぎ倒すもの。

その無双感にカタルシスや英雄感を見るものでした。

しかし、ここに表れたジョン・マクレーンは何とも平凡な男。非番の警官で、天才でも怪力でも凄腕でもないんですね。その彼が、埃まみれ血だらけになって裸足で駆け回る。まったく新しいアクションヒーローでした。

それをしっかり引き立てたのは、このビル内での戦いという密室構造。

上や下を駆使し、一人づつ頭を使って倒していく。普通の男が必死に頑張る姿が説得ある形で映ります。

魅力的な人物が集まり、ドキドキしつつ男が走り回るアクション。

“Yippee ki yay, motherf*cuker!”と名セリフ。

ベートーヴェンの第9が使われたり、ラストの”Let it snow! Let it snow! Let it snow!”が流れていくなどの音楽の良さもあります。

ハラハラしながら、マクレーンと一緒にビル内で右往左往し、最後は幸せにクリスマスを感じられる。新たなアクションヒーロー誕生の映画でした。

色々あって手が付けづらい方、ダイ・ハードはこの1だけ見ればいいですよ。あとは普通のアクションと変わらない感じになってしまっていますから。

それではまた。

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