「クロール -凶暴領域-」(2019)
- 監督:アレクサンドル・アジャ
- 脚本:イケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン
- 製作:サム・ライミ、アレクサンドル・アジャ、クレイグ・J・フローレス
- 製作総指揮:ジャスティン・バーシュ、ローレン・セリグ、グレゴリー・ルヴァスール
- 音楽:マックス・アルージ、ステフェン・スム
- 撮影:マキシム・アレクサンドル
- 編集:エリオット・グリーンバーグ
- 出演:カヤ・スコデラリオ、バリー・ペッパー 他
「ピラニア3D」などのフランス出身監督アレクサンドル・アジャ監督が、ハリケーンにより引き起こされた洪水により、孤立、さらにワニに囲まれた親子を描くパニックホラー映画。
主演は「メイズ・ランナー」シリーズのカヤ・スコデラリオ。
また父親役には同シリーズでカヤと共演のバリー・ペッパーが出演しています。
正直そこまで興味のある作品ではなかったのですが、スクリーンでワニが暴れるのは意外に思い出せず、久しぶりな気もしたということで劇場へ。
休みの日だからなのか、箱は小さいですが結構混雑していまして、年齢層も幅広い感じでした。
さすがワニだな。
ヘイリーは子どもの頃から父に水泳選手として鍛えられてきた。
しかし大学での試合であと一歩のところまで行くものの敗退。
帰宅途中、姉からその父と連絡が取れないとの電話が入る。
州には巨大なハリケーンが近づいており、避難指示が出ているのだ。
ヘイリーは父を探して、昔すんでいた家まで、嵐の中訪れるのだが、父は地下で大けがを負って気絶していた。
なんとかハリケーンが来る前に避難を試みるヘイリーだったが、地下には巨大なアリゲーターがおり襲われてしまう。
傷ついた父、巨大なアリゲーターを前にヘイリーは様々な方法で脱出を図ろうとする。
ハリケーンが近づき地下の水位が上がっていく中、凶暴なワニを潜り抜けての脱出劇が始まる。
実はアレクサンドル・アジャ監督の作品を劇場で観るのは初めてだったりします。
今回は監督と製作ということで、自分で脚本を書くこともあったりと、いつも大きくプロジェクトにかかわるタイプの方のようですね。
作品としては非常に楽しめるスリリングなワニパニック映画になっていたと思います。
前半部分が特に個人的には好きで、後半にやや展開が派手になっていくと怖さが薄らいだような気もしますが、それでもとてもテンポの良いスピーディーな展開に、あまりくどくない見せ場や演出などバランスの良さも良いところかと思います。
序盤に関しては特にですが、バックに迫るハリケーンと水位という要素をしっかり置き、時間制限というどうしようもないリミットがあるので、多少の無茶とか行動原理に違和感を覚えません。
そしてしょっぱなから父が負傷、主人公も噛みつかれたりとスタートラインに立った時点で割とやばい状況なのもおもしろいですね。
行動のスローダウンや制限に働いていて、困難度を引き上げています。
水の中に何かいる、手を伸ばしたり闇の中先に進むのが怖い、その存在を思わせることで生じる怖さは、ジリジリとしていてジャンプスケアと違い座席でハラハラできました。
最近は色々と盛り合わせるようなホラー(特に動物関連では)が多いですね。
ただ今作はエイリアンとかモンスターとか突然変異とかではなく、そこらの動物園などにいる普通のワニが、人間にとって脅威の捕食者として解き放たれる。
それは、往年のサメやクマなどのホラー映画の流れを感じるものでした。
最後まで余計なものはなく、とにかくワニが暴れ、人間は頑張る。
展開にしつこさや同じことの繰り返しを持たなかったのも良いとおもいます。
その貫徹したワニという要素を使う愛情には惚れ惚れします。
カヤ・スコデラリオ演じるヘイリーも、喋りが多いとかプロットを遅らせるための行動もなく、応援したくなる人物です。
後半は特に怪我が意味をなさないというか、超人化している印象ですが、主人公に必要以上に怯えさせず、ガッツあるキャラにしたことこそ、展開の速さに繋がっていると思いました。
美しさや驚き、感動するほどのパニックホラーではないものの、要素を絞って賢くまとめたからこそ、シンプルに楽しめる作品だとおもいます。
ワニのスクリーン復帰も嬉しい、良い塩梅の娯楽映画でした。劇場でハラハラしながら観るのがおススメなのでぜひ映画館で。
今回は感想はこのくらいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた次の記事で。
コメント