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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」”The Imitation Game”(2014)

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映画レビュー
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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014)

  • 監督:モルテン・ティルドゥム
  • 脚本:グレアム・ムーア
  • 原作:アンドリュー・ホッジス
  • 製作:ノーラ・グロスマン、アイドー・オストロウスキー、テディ・シュワルツマン
  • 製作総指揮:グレアム・ムーア
  • 音楽:アレクサンドル・デスプラ
  • 撮影:オスカル・ファウラ
  • 編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
  • 出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グッド、マーク・ストロング 他

日本ではシャーロックで有名でしょう、カンバーバッチ主演作。イギリス数学者で、二次大戦時にナチスの暗号エニグマコードを攻略した偉人の伝記映画。

この映画以前に、偉大なアラン・チューリングのことは話題です。ナチスの暗号を解読し、戦争終結に貢献し多大な命を救った人。

しかしある理由から不当で悲惨な扱いがなされてしまいましたから。

映画館にはそこそこの人が。できればシャーロックのカンバーバッチファンが流れてきてくれるといいですね。

1951年、ノック刑事は大学教授アラン・チューリング宅が盗みに入られた件でチューリングの調書を取ることに。チューリングはその部屋で、かつて二次大戦時に働いていたブレッジリーパークでの事を語り始める。

そこには彼の天才的偉業と、彼のある秘密があった。

歴史映画でして、もちろん一つにはナチスのエニグマコードを打ち倒す話があるのです。クラシックな雰囲気に衝突から友情のチームプレイも。

レトロなスパイゲーム的な語りで、エニグマに挑んだチューリングたちを描いていますね。スパイの話が盛り込まれているところ、少しギミック的な役目とイギリスの政治の姿勢と私は楽しみました。

そしてもう一つ、この戦争において偉大な功績を残してくれたアラン・チューリングへの敬意と称賛があります。

悲惨で切ない彼自身の物語ではあるとしても、この上ない素晴らしい功績をたたえて、そしてだからこそ正しい扱いをすべきだと伝えています。

これをしっかりやってくれる点、私は非常に大切な映画に思えるのです。

 やはりリードはカンバーバッチ。彼の演技は自然なのですが、しっかりアランへの敬意と研究が入っていたと感じます。

天才ゆえの孤独以上に、ひとと違うという要素を背負った姿がなんとも素晴らしく魅力的。その辛さを押し殺した表情は圧巻ですね。

コミュニケーションにおいて、汲み取りや魔を読むのが苦手、直接的だったり逆に素直に言えなかったり。チューリングという人を感じられました。

キーラ・ナイトレイのジョーンはちょっと人物が説得力ないですが、演技そのものはとても良い。普通を好まず彼女自身風変わりな女性。チューリングとの関係は理解からくる好意なのでしょうか。

この二人は差はあれど時代を間違えて存在しているように思えましたね。

そういえばマーク・ストロングがでてきて、またこの人がひどい悪人?とおもったらそこまででもなかった笑

アラン・チューリングは男を愛した。少年期自分のそばにいてくれて、そしてチューリングにとって一番良い意思疎通を共有してくれたクリストファー。

彼への思いは消えず、その名をマシンにつけてエニグマへ挑むのは、非人間への愛的な要素もありながら、忘れられない大切な人をそばに。という「ブロークバックマウンテン」のような切ない愛を感じました。

同性愛は罪であったこと。チューリングいうように、人は多様性を認知しつつ、その範囲を自分たちの想像できる範囲に決めてしまう。その外にあるものは多様でなく異常。

同性愛の意味は分かれど、それを理解はできない。まさに暗号だった。そしてアラン・チューリングというエニグマは、何十年にも渡って解かれずに不当な扱いを受けてきました。

イギリス首相の公式謝罪、女王の恩赦。それは歴史に飲まれたすべての同性愛者に向けられるべきですね。

偉大な人をしっかりとその功績に値する形で残す。差別、偏見によりゆがめられた真実を伝える映画でしたね。カンバーバッチのおかげでアラン・チューリングを紐解いていける、おすすめの1本でした。

そんな感じでレビューおしまい。それではまた。

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