作品解説
ハ・ジョンウ × キム・ナムギル再びの共演
韓国映画界を代表する実力派俳優、ハ・ジョンウ(「チェイサー」「神と共に」シリーズ)と、キム・ナムギル(「殺人者の記憶法」「非常宣言」)が共演。2人のタッグは2020年公開の「クローゼット」以来2度目となる。
物語は、弟を殺された男が復讐に立ち向かうサスペンスアクション。
- 復讐に燃える兄・ミンテをハ・ジョンウ
- 事件の鍵を握る作家・ホリョンをキム・ナムギル
がそれぞれ熱演。この二人がそろっているということで観に行ったというのもあります。
豪華キャスト
さらに脇を固めるキャスト陣も豪華です。
- ユ・ダイン(「サスペクト 哀しき容疑者」)
- チョン・マンシク(「アシュラ」)
- イム・ソンジェ(ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」)
- ホ・ソンテ(ドラマ「イカゲーム」)
韓国映画・ドラマファンにはたまらない布陣が集結していますね。
監督を務めるのは、2015年の長編デビュー作「The Boys Who Cried Wolf」で高い評価を得たキム・ジンファン。緊張感あふれる映像表現と骨太なストーリーテリングで、観客を極限の復讐劇へと引き込んでいきます。
~あらすじ~
元暴力団の構成員であったミンテ。組にいた頃から問題を起こし世話のかかる弟だったソクテが遺体となって発見され、さらにソクテの妻ムニョンも行方をくらます。
事件の手がかりを求めて奔走するミンテは、やがて小説家ホリョンと出会う。
ところが彼のベストセラー小説「夜行」には、まるでソクテの死を予言するかのような内容が記されていた。
ムニョンの失踪の真相を追いかける中で、ミンテは次第に衝撃的な真実へと近づき、復讐の道へと踏み出していく。
感想レビュー/考察
2大スター共演への期待と現実
有名な2大スターの共演と聞けば、大きな期待をするものだと思います。
特に今回はハ・ジョンウとキム・ナムギルの2人が揃うということで、それに惹かれて見に行った方も多いかと。
ただ結果として、今回の作品に関しては正直一人主演でも事足りたのではないかと感じました。
主人公ミンテと作家ホリョンの役割の違和感
というのも、主人公は明らかにハ・ジョンウ演じるミンテになっていて、キム・ナムギル演じる作家はなんというか、話にすこしミステリー風味を与えるための機能でしかないというか。
そして今回の脚本上、その機能すら微妙に意味を感じられないものになっていると思います。
共演が先行してしまっているというか。
単純に話としては元暴力団の男が弟を殺され、一人でその復讐のために犯人探しをしているというもの。
予告で示されていたような作家の執筆した小説のとおりに人が死んでいくような要素はかなり薄いです。
ノワール要素と作家キャラクターの不透明さ
もしかするとソクテの奥さんをめぐってノワールやファムファタール的なものを入れたかったのかもしれないのですが。
でもミンテと競って奥さんを見つけ出す、どちらが先かという話なら警察と機動要素だけで充分。
作家は奥さんを見つけ出したところで何をする気だったのかが正直不透明に感じました。
ミンテ側のストーリーラインの魅力
その作家の機能を置いておけば、元ヤクザ者が復讐を求めて彷徨う話としては結構好きではあります。
チョン・マンシクの恰幅のいいボス。人を殺しておいてその掃除を女にさせ、隣の部屋でカラオケ大合唱。この畜生っぷりを出す演出がやっぱり韓国映画らしい。
見んて側のストーリーラインだけを見れば独特な情報収集脅しのスタイルとか、元弟分のキャラがいい具合に立っているとか好きな点も多くはあるのですが。もちろん、ハ・ジョンウの奔走する姿もジャージ姿もスーツ姿もカッコいい。
謎が解消されないストーリー展開
ストーリーラインとしては結局は謎が多かったようで、ヤクザの世界でミスをした男がそのまま組織に処理されたってだけ。小説家の書いていた話の通りに事件が起きているという不可思議な部分は別に処理はされなかった印象です。
なので余計なプットラインを増やしてこねくり回すよりも、結局は扱いきれなかったわけですから、もっとシンプルにしてほしかったかなと思います。
主演やキャラたちの立て方は好きなので、その点では観ごたえはありましたが、特に多くを語る必要もない印象の作品でした。
今回はかなり短めの感想でしたが以上。ではまた。
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