作品解説

悪魔崇拝者たちが潜む高級マンションを舞台に、生贄にされるはずだったメイドの壮絶な反撃を描くホラーアクション。
「とっととくたばれ」のキリル・ソコロフが監督・脚本を務めました。
主人公の謎めいたメイド・エイジア役には、「デッドプール2」のザジー・ビーツ。マンションの管理人リリー役をパトリシア・アークエット、「ハリー・ポッター」シリーズで知られるトム・フェルトン、「ブギーナイツ」のヘザー・グラハムらが悪魔崇拝者として共演する。
製作には「IT イット」シリーズのアンディ・ムスキエティが参加しています。
スタッフ
- 監督:キリル・ソコロフ
- 製作:アンディ・ムスキエティ、バーバラ・ムスキエティ、ダン・ケイガン
- 製作総指揮:ラッセル・アッカーマン、ジョン・シェーンフェルダー、カール・ハンプ、アレックス・リトバク、キリル・ソコロフ
- 脚本:キリル・ソコロフ、アレックス・リトバク
- 撮影:アイザック・ボーマン
- 美術:ジェレミー・リード
- 衣装:ニール・マクリーン
- 編集:ルーク・ドゥーラン
- 音楽:カルロス・ラファエル・リベラ
キャスト
- エイジア:ザジー・ビーツ
- マリア:マイハラ
- レイ:パターソン・ジョセフ
- ケビン:トム・フェルトン
- シャロン:ヘザー・グラハム
作品は映画館で予告を見るまでは知らなかったのですが、ちょうどGW休暇を撮っていて平日公開日に映画館めぐりができるタイミングでそのまま見てきました。パナヒ監督新作とのはしごという変なことをしましたが。
ちなみに都内のTOHOシネマズで、思った以上に混んでいました。
~あらすじ~

ニューヨーク・マンハッタンにそびえる高級マンション「バージル」。洗練された空間と一流のサービスを誇り、選ばれた富裕層だけが暮らすその場所では、熟練のメイドたちが住人の生活を完璧に支えていた。
しかし、その華やかな外観の裏では、住人たちが悪魔崇拝の儀式を秘密裏に続けていた。彼らは毎月、罪なき女性をメイドとして迎え入れ、生贄として捧げていたのだ。
そしてある夜、新たな標的として送り込まれた1人のメイドが、予想外の反撃に打って出る。圧倒的な戦闘能力を秘めた彼女は、斧やナタを手に狂信者たちへ壮絶な復讐を開始。
閉ざされた高級マンションは、一夜にして血と狂気に染まる戦場へと変貌していく。
感想レビュー/考察

“舐めていた相手が最強”系アクションを、悪魔崇拝ホラーで再構築
ハリウッドの中でこの10年以上の間、結構使い古されてきている、”舐めてた相手が超強い”系譜。
「ジョン・ウィック」に代表されながら、「イコライザー」シリーズや「Mr. ノーバディ」もあり、そしてコメディでは「ザ・ハント」でも流用されている。
今作はその系譜を持ちつつも、そのスタイルやバイオレンス、グロ描写がエフェクトとになっていて基本コメディな部分など、クウェンティン・タランティーノ作品の血筋も感じます。
そしてそこには「ハッピー・デス・デイ」や「ザ・ベビーシッター」のような怪奇要素まである。
ということで目新しさは全くないので、もうその辺は飽きたよ、という方には少々腰が重いのも事実でしょう。ただし、その手の使い古しも、ハンドリング次第では結構楽しいものです。
今作に関しては、楽しいポップコーン映画としては上出来なのではないかなと思いました。いい意味で何も残らない作品なのです。
スピーディーな導入と、“ゲーム感覚”の密室アクション
映画の始まりは陰惨なシーン。
大雨の中でずぶぬれになった姉妹が、雑貨屋に立ち寄るのですが、どうやら彼女たちはDV親父から逃げ出したようです。
そこで姉であり主人公のエイジアは、彼女たちを追いかけてきた父を銃で撃ち、駆け付ける警官を見て妹を置いて一人で逃げていく。
そんな彼女が時を経て、今作の舞台になるニューヨークの古めかしいマンションへやって来るのです。
映画はかなりサクサクと進行し、エイジアが襲われるところまでかなりスピーディです。彼女が暴れまわるまで待つ気はないという感じで、観客が何を見に来ているのかちゃんとわかっている感じが好きでした。

エイジアの最初のアクションからして長回しか津一連のアクションを見せつける。もはやゲームの主人公かというくらいに華麗で強すぎる。
部屋に侵入してきた4人を、身体を切り刻み穴をあけて片づけた彼女は、このマンションに来てから行方不明になっていた妹を探していたのです。
しかし、悪魔との契約を結んでいるこのマンションの住人達は、不死身の身体で再生して襲い続けてくる。敵のリスポーンありのステージで、妹を探し出すために各フロアを冒険する。
すごく条件が整理されたホラーゲームのような映画ですね。
ステージをマンションの中に限定しているので、密室アクションではありますし、階層別の整理がされているのである程度のつぶしが効いていきます。
グロ描写すらギャグに変える、振り切ったバイオレンス
アクションや撮影に関してもプラクティカルに体を張ったものが多いですし、近接での銃撃や炎を纏った斧でのアクションなどバラエティもある。そして相手が不死身だからできることですが、グロゴアがとにかくコメディになっている。
頭部を吹き飛ばされながらジェスチャーで会話しようとするところとか、視神経がくっついたままの眼球が、スパイダーマンのように視神経を使って壁を上ったりする姿には、さすがに笑ってしまう。
物語はあまり停滞することもなく進行し、最終クライマックスにはまさに主人公の覚醒と、ラスボス登場なバトルで大満足。
深く考えず、“映画館で浴びる”タイプの快作
根底には、一度は見捨ててしまった妹を今度こそ守ろうとする姉のドラマがあります。でもそんなのはノイズにならなければどうでもいい。
今作は映画館に来てそのぶっ飛んだバカらしい設定と、人体欠損と血しぶきにまみれながらも笑ってしまう様相を、頭をカラにして楽しむものなのです。
良い意味で何も残らない、持たれないファストフードのような作品で、刺さる人には刺さりすぎてしまう楽しいバイオレンスアクション映画でした。
感想の短さでもわかるようにあまり考察はない。アトラクション映画として映画館での鑑賞をおすすめします。
今回の感想はここまで。ではまた。


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