「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(1980)
- 監督:アーヴィン・カーシュナー
- 脚本:リイ・ブラケット、ローレンス・カスダン
- 製作:ゲイリー・カーツ
- 製作総指揮:ジョージ・ルーカス
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
- 撮影:ピーター・サシツキー
- 編集:ポール・ハーシュ
- 出演:マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ハリソン・フォード、ビリー・ディー・ウィリアムズ、フランク・オズ 他
前作「スター・ウォーズ」から3年後に待ちわびられた続編が登場です。
爆発的なヒットを飛ばしSFを一躍大作ものへ押し上げたわけですが、今回はルーカスでなく、アーヴィン・カーシュナーが監督を担当。よりスケールアップし、さらに話はおとぎ話としては暗く、大きく揺らぐターニングポイントへ。
うーん、続編としてはびっくりなものでした。
遠い昔、はるか彼方の銀河系で・・・
反乱軍に要塞デススターを破壊された帝国軍は、猛攻で反乱軍殲滅を計っていた。
本部を氷の惑星ホスへ移した反乱軍。そして極寒の中をルークとソロが偵察していた。ルークは怪物ワンパに襲われたが、辛くも脱出。もうろうとする中、ベン・ケノービの霊体が現れ「ダゴバへ行きヨーダに会え」という。ソロに連れ帰られなんとか命は取り留めたルーク。
その頃、ついに帝国がホスの反乱軍基地をつきとめてしまった。
序盤から映像技術を見せつけてくれる今作。巨体と動きが不気味で印象的なAT-ATとのバトルは素晴らしい。白の背景は光学合成にはきついのですが見事に臨場感とスピードある戦いを見せていますね。
もちろん宇宙でのファルコン号と帝国戦闘機のチェイスも、前作より複雑な動きが増え、流星群の合間を縫う動きは何とも華麗なものです。
今作は帝国から逃げ回る話になり、ソロたちとルークが分かれることから、一本道のものでなく分岐のあるストーリーへ。しかし危機的状況や焦りが互いに見えている分、完全に切り離しされずいいところ。
ひとつのお話はロマンス。レイア姫とハン・ソロの愛の旅でしょう。揺れる二人にコメディを忘れないC3-POとチューバッカ。ランド・カルリジアンやボバ・フェットなど、帝国と反乱軍の2者以外に魅力的なキャラが出てきますね。
彼らの登場で、ソロがワルであることが強調され、それがまた良い男に仕上げてくれます。レイアの”I love you.”に対するソロの”I know.”はハリソンお見事!な良い台詞変更です。
そして今作におけるもう一つの話は、ルークの新たな師。
誰もが見たこと、聞いたことがあるヨーダです。パペットの精巧さは素晴らしく、フランク・オズの声と文法が入れ替わった話し方も特徴的です。
様々な名言があります。”Do or Do not. There’s no try.”はすごく好き。彼は前作では出てこなかった暗黒面についてルークに解くわけですが、英雄話における堕落や傲慢などを戒めます。ヒーローが必ず直面するエピソードなわけです。
今回もフォースの可能性は映画を超えるものでした。
全ての物質に宿る生命力で銀河を束ねてくれる。そして善きことに使わねばならないのです。
そんな師との出会いから宿命に立ち向かうルーク。
今回はより冷酷さと大物感が増されているベイダー卿とついに直接対決します。ここで初めて、単なる悪でないある種自分の悪の可能性と戦い、さらにはつながりを知ってしまう。
今となっては有名な事実ですが、当時の衝撃はすさまじく、ルーカスの機密作戦は炸裂したわけですね。
続編としてスケールアップし激しい戦闘も。しかし話としては完全にダウンフォール。
別れや残酷な真実、しかしその中で感じるかすかな希望。
2作目は純粋娯楽からトーンを落とし、よりヴィランが絶大に印象深いものとなりました。
未見の方は是非4からどうぞ。特撮ならではの宇宙バトルもライトセーバー戦も、そして善と悪という普遍の倫理観の教唆のようなお話です。
正直旧3部は何度見てるかわからないくらい見ているので、書いていてどこまで書くか迷いますね笑 悪役をしっかり立てる大切さが5にはあるかなと思います。
そんなとこでおしまい。もちろんまた6もレビューしたいと考えてますよ。それではまた。
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