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「ベン・ハー」”Ben-Hur: A Tale of the Christ”(1925)

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映画レビュー
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「ベン・ハー」(1925)

  • 監督:フレッド・ニブロ
  • 脚本:ジューン・メイシス、ケイリー・ウィルソン、ベス・メレディス
  • 原作:ルー・ウォーレス
  • 音楽:ウィリアム・アクスト
  • 撮影:クライド・デ・ヴィナ、ルネ・ガイサート、パーシー・ヒルバーン、カール・ストラッス
  • 出演:ラモン・ノヴァロ、フランシス・X・ブッシュマン、メイ・マカヴォイ 他

ベン・ハーの復讐の人生をキリスト誕生から処刑までと共に語るもので、最初に短いものがあり、こちらで2度目の映像化。

そして3度目がワイラー監督とヘストン主演の有名な59年版ですね。

ワイラー版はこの25年の作品をそっくり再現しているので、話はほぼ同じです。しかしこちらは迫力、色彩、人物像などいろいろ違いがあり面白いです。

ローマの圧政下、多くの難民の中に美しい女性がいた。何とも不思議な雰囲気のある彼女は馬小屋に宿泊する。

そして天から光が差し、女性はそこで子を産む。その子こそ全てを救う偉大な人となる。

そんなころ、ユダヤ人であるベン・ハーは、久しぶりに旧友のメッサーラに再会。しかしもはや彼らは友人でなく、支配するローマ人と支配されるユダヤ人であった。

そしてある日の事故をメッサーラはベン・ハーの反逆と言い、母と妹もろとも奴隷にしてしまう。ここからベン・ハーの奴隷としてそして復讐の生が始まる。

話は良く知られていますから、語らないですが、こちらではキリストの存在がかなり強いです。最初から奇跡の物語であることが明確です。

ベン・ハーの人生がキリストに救われる形ですね。

そういうわけで初めから神話のようで、色々な奇跡も不愉快に感じません。

見どころは画面に多く。

海賊とローマの船の闘いは素晴らしく迫力があるものです。多くの武装した男たちが槍を、剣を掲げ、激しく船をぶつけて敵を打ち崩す。戦争の記録のような迫力は素晴らしいです。

こういう戦いにおいては台詞による画面の停止が少なく、音楽と相まって流れるように楽しめます。

そしてやはり戦車による壮絶な競技。多くのエキストラ、駆ける馬に舞う砂煙。すこし早送りされ間延びせず良いですね。

画面にはそれぞれ着色がなされ、ハーとメッサーラの拮抗は金(黄色)、ローマの圧迫は赤、そしてキリストの場面は2色使う鮮やかさで、特別な存在感があります。

人物も私は好みです。ハーは貴族のお坊ちゃんらしい見た目で、ヘストンの筋骨隆々した荒さはないです。あれも好きですが、こちらの方が設定に合っている気がします。

メッサーラは目が鋭く、化粧を濃くしているのか唇が濃い。白い顔にくっきりの口で悪役感があります。

キリストの存在が大きい今作、初めから彼が生まれて奇跡を起こすまでのお話。復讐も奴隷の傷も、病も。すべての人に加護が降り注ぎ美しい終わりですね。

というわけでかなり昔の映画のレビューでした。

ワイラー版を見た人は是非。こちらも負けず良いですよ。サイレントですが、まるで古代の歴史書を眺めるかのような映画体験です!

それではまた。

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