「カフェ・ソサエティ」(2016)

  • 監督:ウディ・アレン
  • 脚本:ウディ・アレン
  • 製作:レッティ・アロンソン、スティーヴン・テネンバウム、エドワード・ウォルソン
  • 撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
  • 編集:アリサ・レプセルター
  • プロダクションデザイン:サント・ロクアスト
  • 衣装:スージー・ベンジンガー
  • 出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、スティーヴ・カレル、ブレイク・ライブリー、コリー・ストール 他

ウディ・アレン監督最新作。もともと2016のカンヌで公開し、だいたいの国では2016の夏ごろには公開していたのですけども、日本公開は年を越しましたね。

主演にはジェシー・アイゼンバーグ。そしてメインヒロインとしてクリステン・スチュワートが出演。そのほかスティーヴ・カレルにブレイク・ライブリーが共演しています。

GW中に公開ということもあり、かなり混んではいましたが、年齢層はものすごい高かったです。ていうか、今どきの若い人はウディ・アレン新作とか別に注目しないのかな。恋愛映画ではあるんですが、別にカップルとか女の子も来ている感じではないですし。

1930年代、ハリウッド。業界の大物であるフィリップの甥ボビーは、叔父を頼ってハリウッドへとやってくる。豪華な家、ハリウッドスターたちに、ゴシップ溢れるパーティ。煌びやかな世界に圧倒されるボビーだったが、なにより惹かれたのは、フィリップのアシスタントのヴォニー。

彼女にほれ込んだボビーは何とか気に入ってもらおうと努力するのだが、彼女には別の男がすでにいたのだった。

ウディ・アレン監督の作品としては超絶な傑作という感じはしませんが、しっかり監督印がある手堅い作品といった感じでした。

ルックとして、美術や衣装による世界観は楽しめますし、自然背景のロケーションも素晴らしく綺麗なものです。画面だけ見ていればすごく美しく華やかでおしゃれ。しかしやっぱり中身としては真っ直ぐにハッピーというよりも、苦いものですね。

そのお話の前に、ウディ・アレン監督の新しいお気に入り女優であろうクリステン・スチュワートが見どころと感じます。エマ・ストーンの時もそうだったと思いますけども、今回はクリステンがすごく可愛らしい描かれ方をしていますね。

私のイメージとしてはクールな感じがあったクリステン・スチュワートですが、今作では素朴な女の子からゴージャスなハリウッドのレディまで、キュートから美しい大人まで魅せています。監督が気に入ったのがよく伝わりました。

もちろんジェシーとのカップル感も見事でしたね。互いに互いの無垢さや純粋さのリマインドをしているというか。お互いを見て、考えて、その瞬間は本当の自分を思い出せる相手のような関係性に思えました。

ただ単にオシャレなロマンティックコメディ映画ではないというのは、もちろんウディ・アレンが監督なのだから予想されます。

今作は人生における妥協と本当の願望を衝突させて、くるくる回りながらも本当に願っていた人生に到達できなかった切なさを描き出していると思います。

あったかもしれない別の人生、という点ではデミアン・チャゼル監督の「ラ・ラ・ランド」にそっくりに感じる部分も。特にあのラストシーンですね。

お互いに惹かれあった瞬間、あの時のボビーは不器用で無垢な青年。ヴォニーは虚栄溢れるハリウッドで、染まらずに純粋さを持った女性でした。

2人は西海岸と東海岸にまで離れ、ボビーは身なりも振る舞いもビッグな男に、ヴォニーは女王的なゴシップと宝石に包まれた女性になりました。

その2人がラストのカウントダウンのあの一瞬だけ、場所を越えてつながり、そして同時に時間も越えて、出会ったころの2人として互いを思い起こす。あの数十秒間だけで非常に美しくも儚い、夢をみせてくれます。

夢は夢ですけども、どうせ見るならば、綺麗なものをみて胸にしまっておきたいですね。

全体としてはウディ・アレン監督の新たなクラシックという印象はないですが、クリステン・スチュワートとの美しさにほろ苦さ含めていい作品と思いましたね。

感想としてはこのくらいで、ちょうど5月には週を連続してクリステン・スチュワート出演作が公開されるという、面白い月になっています。アサイヤス監督の方もそのうち感想を書きたいです。

そんなところで、また~

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