「ハッピー・デス・デイ 2U」(2019)
- 監督:クリストファー・ランドン
- 脚本:クリストファー・ランドン
- 製作:ジェイソン・ブラム
- 製作総指揮:ジョン・バルデッチ、アンジェラ・マンキューソ、サムソン・ムク
- 音楽:ベアー・マクレアリー
- 撮影:トビー・オリヴァー
- 編集:ベン・ボードゥイン
- 出演:ジェシカ・ローテ、イズラエル・ブルサード、スラージ・シャルマ、レイチェル・マシューズ、サラ・ヤーキン、フィー・ヴ 他
デスループホラー「ハッピー・デス・デイ」(2017)の続編となる作品。監督は前作から引き続いてクリストファー・ランドンが務め、主演のジェシカ・ローテ他メインキャストも引き続いての出演となります。
前作が興行的にも評価的にも好成績を収め、2年の時を経て続編となる今作が製作。
日本ではそもそも1作目の公開がされておらず、2019年に6月、7月と連続で初公開されました。
いずれにしても私は公開時に映画館へ行くことはなく、前作同様にAmazonプライムビデオにて配信されていたのを鑑賞しました。
自分の誕生日である9/18を何度も繰り返しては、謎の殺人鬼に殺されるループからやっとのことで抜け出したツリー。
そんな彼女のところへ、今度は彼氏カーターのルームメイトであるライアンが、自分も同じ日を生きていると現れる。
ループがライアンに引き継いだことを察したツリーは、犯人を待ち伏せし捕獲。しかし何とその正体はもう一人のライアンだった。
彼は別次元から来たライアンであると主張し、自分の研究装置が時間をゆがめ、ループと別次元への介入を生み出したと言い、装置を再起動するように迫る。
装置を起動し、すべてを元に戻そうとするのだが衝撃波に飲まれ目覚めたツリーは、なんと忌わしき9/18の朝に戻っていた。
前作からさらに設定を引き継ぎ、前ですら薄かったホラー要素はさらに弱くなっています。
スプラッタに関してもやはり豪快で笑える感じで、全体にコメディ色の濃厚さが目立っています。
今作に関しては「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と「ナーズの復讐」の掛け合わせのような感じです。
ランドン監督は今回、ループ設定からくるSF要素に舵をとり、タイムループに加えてマルチバースを展開し、ホラーよりもツリーの人生における選択を描いています。
そこでは死は区切りであり挑戦であり、ちょっとした嫌がらせでもある。
今回は他の次元を見せることで、生に関する選択を中心に展開していくものになりました。
理想的な部分や、こうであったらいいという人生。そして今が変わることで失われる自分だけの人生。それは過去に帰属するものです。
繋がりある流れの中でこそ、現時点に立った時、自分が自分の生を生きていると思えるのです。
私としては前作において、ループ原因の説明の足りなさや、ツリーの成長とのリンクが足りずモヤっとしていましたが、今作は少なくともループの原因については明確に設定がなされます。
それでもなお、なぜ誕生日なのかとか、ツリーの変化とループの終了についてはまだ必然性がなくいずれも独立した話になってしまっていますが。
前作以上に殺人犯の正体もどうでもよくなっていますし。
しかし、2作とも見ていくと、そのジャンルの中で自由に泳ぎ回る感覚とは間違いなく楽しい作品ですし、キャラクターが素敵だと思います。
主人公ツリーはジェシカ・ローテのおかげでもちろん印象深くとてもライカブルですが、その他周りのキャラクターたちも隅々までいい造形がされています。
魅力的なキャラクターをここまで多く登場し、それぞれをうまく活かす点こそ、このシリーズの輝くところなのかと思います。
前作のフレッシュさに比べると、やや物足りなくも感じますが、好意的にみれるキャラクターたちのおかげでやはりエンタメとしてすごく楽しめる作品だと思います。
前作を観たという方には間違いなくおすすめの続編です。
今回の感想は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた次の記事で。
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