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「Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック」”Never Goin’ Back”(2018)

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映画レビュー
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「Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック」(2018)

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作品概要

  • 監督:オーガスティン・フリッツェル
  • 脚本:オーガスティン・フリッツェル
  • 製作:リズ・カーデナス、トビー・ハルブルックス、ジェームス・M・ジョンストン
  • 音楽:サラ・ジャッフェ
  • 撮影:グレタ・ゾズラ
  • 編集:オーガスティン・フリッツェル、コートニー・ウェア
  • 出演:マイア・ミッチェル、カミラ・モローネ、ジョエル・アレン、カイル・ムーニー、マシュー・ホルコム 他

誕生日をビーチで過ごしたい大親友の二人が、バイトをしつつもあれこれとお金を集めようとする青春ガールズムービー。

監督は「さらば愛きのアウトロー」などで女優としても活躍するオーガスティン・フリッツェル。

彼女は今作の脚本も手掛けています。

主演の二人の少女たちを、モデル出身のカミラ・モローネと、オーストラリアの人気子役から始めてキャリアを伸ばしているマイア・ミッチェルが演じます。

製作はA24。製作作品としては2018年とだいぶ前の作品なのですが、なんだかんだでこの2022年に日本劇場公開にこぎつけました。

公開週末に観に行ってきましたけれど、あんまり混んではなかったですね。

この手の若者むけっぽい映画なんですが、ミニシアターの渋めのところでやっていました。

「Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック」公式サイトはこちら

~あらすじ~

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大親友のアンジェラとジェシー。

もうすぐジェシーが誕生日ということで、アンジェラはサプライズでビーチへの旅行を予約。

お金はちょっと足りないけど、二人のバイトのシフトを増やして何とかする予定。

アンジェラはジェシーの家で寝泊まりし、いつも一緒に過ごしている。

しかしビーチ旅行への道のりは苦難続きだった。

アホな兄貴がとちったせいで家には強盗に入られるし、被害状況を見に来た警官には二人の部屋にあったハッパが見つかり拘留されてしまう。

このままじゃ家賃も払えずビーチは遠のくばかりだが、アンジェラとジェシーはあきらめずに奮闘する。

感想/レビュー

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初めに言っておきますと、この作品のことは全然知りませんでした。

主演の二人に関しても私は詳しくなく、ほとんど映画館の予告で知り、興味がわいたために鑑賞した程度です。

その点ですっごく良いものに出会えたと言えます。観て本当に良かったです。

フレッシュな視点を持つ青春ガールズムービー

監督のオーガスティン・フリッツェルの自伝的な要素がある作品らしいのですが、だからこそかこの青春ガールズムービーが持つ視点にはとてもフレッシュさを感じます。

大親友の少女たちの物語なんてたくさんある題材なのでしょうけれど、監督のビジョンが、これまでにないような青春物語を作り上げていると思います。

設定上でいえばかなりの劣悪環境に生きる少女たち。

兄は麻薬の売人をしているし、一瞬だけ出てくる母は売春婦。子どもだけが自力で生活していて、学校もドロップアウトしてしまう。

それこそこうしたアメリカ社会的には弱者とされてしまう人たちを描くなら、「フロリダ・プロジェクト」だったり「アメリカン・ハニー」だったりがあります。

それらは青少年を主人公にしつつも、社会問題提起をしている映画です。

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今作にはそうした視点が一切ないというのが、新鮮です。

決してアンジェラとジェシーに哀れみの目線を送らず、社会研究題材にもしない。ただ当事者たちの視点で突き進む。

だからこそ純粋な青春ガールズムービー。いろいろな青春映画がありますが、おそらくアッパークラスのものが多い。

しかしここに、アンジェラとジェシー二人だけの、まさに彼女たちの青春を切り取った映画が誕生したのです。

2人の主演が最高に魅力的

センターを務める二人。カミラとマイア。

監督はオーディションを進める中で、偶然同室にいた二人を見て、この二人で行くと決めたそうですが、キャスティングは大成功だと思います。

カミラは抜群のモデル体型が現実離れしている感じはあるものの、ジェシーの堅実で聡明な面を見せる。

マイアは強くて、本当に親友想いなアンジェラを好演。

2人のケミストリーが最高で、すっごく仲が良くてシスターであり恋人であり家族。ずっと観ていられるなと思うくらい素晴らしい。

OPで一緒に寝て起きてる時点でのこの距離感も良いですが、顔に落書きしたら「またチンコの絵を描いたでしょ」といってじゃれあう。

ここだけでも、二人が繰り返してきた朝を感じられる演出です。

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2人はたしかにちょっとアホですけれど、周りこそものすごくアホ。

兄貴とゆかいな仲間たちも含めて、とにかく楽しくておかしくて。ずっと笑っていました。

その珍道中は想定しない方へ転がっていきながら、いつもライトでポジティブな空気が最高です。

時折挿入されていくヒップホップの歌詞もシーンにピッタリなものが採用され、留置所に入れられたとしてもノリノリな感じ。音楽の力も大きい映画ですね。

ナチュラルなフェミニズム

彼女たちの道のりが険しいのは彼女たちのせいではありません。

足を引っ張る周囲に対して、文句爆発しつつも腐りはしないところは本当に好きになれますね。

アンジェラとジェシーは彼女たちの魅力を理解し自由に使う。でも決してそれを評価したり批判するのは許さない。

外も暑いが二人もホット。下痢もゲロも大胆に。

誰がどう言おうと関係なく底抜けに明るい彼女たちは、自然体で女性のエンパワーメントです。

ただありのまま、これが私たちの青春と示す。最後のビーチ。本当に美しい。

笑えて可愛らしくずっと見てられる素晴らしい青春映画でした。

正直アンジェラとジェシーの話をTVシリーズで観たいです。

毎朝二人で起きるところから始まって、学校やバイト、遊びに行って夜ベッドでおやすみしてその回が終わるって具合で。

明るくパワフルでフレッシュな視点のガールズムービー。すごくオススメなので気になる方は是非。

というところで感想はこのくらいです。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

ではまた。

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