「人生スイッチ」(2014)

  • 監督:ダミアン・ジフロン
  • 脚本:ダミアン・ジフロン
  • 製作:ウーゴ・シグマン、アグスティン・アルモドーバル、ペドロ・アルモドーバル、マティアス・モステイリン、エッシャー・ガルシア、フェリペ・フォティアデス、ヘラルド・ロシン
  • 音楽:グスターボ・サンタオラヤ
  • 撮影:ハビエル・フリア
  • 編集:パブロ・バルビエリ、ダミアン・ジフロン
  • 出演:マリーア・マルル、フリエタ・ジルベルゼルグ、レオナルド・スバラーリャ、リカルド・ダリン、オスカル・マルティネス、エリカ・リバス 他

アルモドーバル兄弟が製作したアルゼンチンとスペイン合作ブラックコメディ。数々の映画賞にノミネート、受賞。アカデミー外国語映画賞もノミネートしました。

私はアルモドーバル兄弟作は未見ですが、どうやらスタイルはかなり受け継がれているようです。

6つの短編が繰り出されるアンソロジー映画でして、2時間ほどとコンパクトなうえに、毒も聞いていてあっというまに観終わります。かなり混雑していて、ほぼ満員の中観ました。しかし若い世代は見かけず。

飛行機にて知り合ったモデルと音楽批評家。モデルの元彼の話になると、なんとその男の音楽を酷評したのがその批評家だった。すると前の座席の夫人はその男の小学校の教師だったという。さらにその男が働いていたレストランのオーナーまでいる。

どうやらこの便に乗っている人はみんなその男を知っている。これは偶然だろうか・・・?

しょっぱなから飛ばしてくる復讐劇。第1話はつかみとして完璧でしょう。

この話で、ありえないような偶然と、そう思わせるほどに過激な復讐が示されるので、ここをベースにこの後のエピソードに違和感や突飛さを感じませんでした。

多くの人間がまとめて死んじゃうという、どす黒い結末もありますよ!という覚悟もできますし。

そっから始まって全部で6つ話はありますが、全てがすべて同じくらいに痛快で楽しめたかと言えば、そうではなかったです。

2のレストランでのお話は、リタ・コルセテ演じる料理人がどうも便利に機能する人物過ぎて、主人公の怒りがとか、暴走でなかったです。

また金持ち一家の隠蔽話では、いろいろと黒い奴らのほとんどが「ざまあみろw」とはいかず、どうにも消化不良。

最後の花嫁話、パーティの騒ぎの意味が変わっていたり、楽しく見れますが、どちらかと言えば機能的に良いと思ったのです。

殺伐としていたそれぞれの話の中、最後に持ってくるのはなんだかんだで愛し合う夫婦の話ですからね。暗い気持ちで観終わらずに良いところ。

好きなのはスピルバーグの「激突」まんまのアウディ男VS無精ひげ荒くれ。それとマイケル・ダグラスの「フォーリングダウン」的な爆弾男ボンビーノ。

前者はとにかく極め着いた下劣さ、暴力、復讐。人間こうも汚くなれるかというくらいの表現で最高。本人たちは殺し合ってるわけですが、ふと車外からみると、2人の男がムーディな音楽のながれる車内でもぞもぞ車を揺らしている・・・ さいごに「痴情のもつれだな。」の一言。

ボンビーノさんはそのキレていく感じや犯罪者がヒーローになる皮肉さがナイス。

ブラック。笑ってはいけない状況だけど、笑ってしまう。

シャープでトゲトゲして、とっても下世話なものをあらわにしても、人間キレたら突っ走る。

非常にコンパクトにそういう覗いてはいけないものを覗ける映画でした。

そんなところでおしまい。それではまた~

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