「ジュラシック・ワールド」(2015)

  • 監督:コリン・トレボロウ
  • 脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルバー、コリン・トレボロウ、デレク・コノリー
  • 原作:マイケル・クライトン
  • 製作:フランク・マーシャル、パトリック・クロウリー
  • 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、トーマス・タル
  • 音楽:マイケル・ジアッチーノ
  • 編集:ケビン・スティット
  • 撮影:ジョン・シュワルツマン
  • 出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ヴィンセント・ドノフリオ 他

みなさんお待ちかねの怪獣映画、恐竜歌舞伎。

子供心をわしづかみにし、他の競争相手を生きたまま食らうモンスター映画がよみがえりました。今作はシリーズ4作目ながら、「ジュラシック・パーク」(1993)からの続編で、2と3はほぼ無視していいかと。とにかく1作目に打ちのめされて恐竜博行ったり、ゲームしたり、図鑑買ったりしていた私には、観ずにはいられない今作。

休みなのでね、すさまじい人の数でしたよ。まぁた作品に流れている方が大目な感じはありましたけど。あ、そういえば字幕があのひとでしたね。ちょっと言ってることと違ったりありました。

「ジュラシック・パーク」の事件から22年経ち、いまや毎日2万人の観光客が訪れる大人気テーマパークになったジュラシック・ワールド。

パークの責任者のクレアの甥、ザックとグレイがパークを訪れた。目の前に蘇る太古の王者たちに胸躍る2人。

その一方でクレアはさらなるパークの目玉の開発をしていた。遺伝子を操作し人間が作り上げた新種”インドミナス・レックス”の開発である。非常に知能が高く強大な新種の管理のため、パークのラプトルたちを調教しているオーウェンに、飼育用防壁のチェックを依頼。

しかし、飼育されているはずのインドミナス・レックスが、防壁の中に見当たらなかった・・・

始めに言いますが、1作目の印象深くまた愛すべきキャラに比べて、今回は人間たちの薄っぺらいこと・・・

要素は理解できますよ。生き物を愛するもの、単なるものや資産としてみるもの。数字、利益のために倫理を踏み倒す人間。そうして自然のしっぺ返しを食らうわけですが。

しかしなんとも中途半端な描かれ方をしていまして、イマイチ感情移入できませんでした。

兄弟は肉食獣に襲われて崖から飛び降りても、まるでちょっとしたスリルだったくらいに笑っていますし、クレアはその行動がいちいち不自然。オーウェンはサム・ニールのアラン博士に比べるとあまりに出来過ぎたヒーローです。

研究所の人間、オーナー、とにかく出てくる人物の描写が足りない。行動が物語進行のためでしかなく、一人一人に十分な説明や演出がされていないと感じました。

両親とかいる?兄弟すら必要?こじつけたような帰結では納得できないのです。唯一面白かったのは、ヴィンセント・ドノフリオ演じたデブッチョが人の飲み物奪って飲むところ。図々しくて人のものを取るやつなんだというのが出ていました。

描写の不足は恐竜側にも・・・

モササウルスの食事とかまぁ興奮はしますよ。でもなぁ。

序盤から演出と言いますか、構成的に盛り上がれませんでした。パークのイベントにおいては、ホログラム、良く見えないTレックスなど、バン!と大きく恐竜を映してくれません。

ジョン・ウィリアムスの有名なテーマこそ流れるんですが、流すところはパークの広場(人しかいません)、ヘリの着陸です。

1のときのような、人間が小さく見えるくらいの恐竜の巨体、そして大自然の生命を感じる美しい恐竜と自然の2ショット。そういう開放的であっと驚く場面がなかったです。そういうところであのテーマ曲を流してほしかったですね。

そしてもう一個気になったこと。

それはラプトル調教シーンの配置でした。別段特別な演出なしに、ラプトルが画面に出てきてしまうので、なんか拍子抜けなうえに、ここで既に恐竜を観客に見せているわけです。

そのあとで恐竜すらちゃんと映らないパークのにぎわいを見ても、「うん・・・まぁ。さっきラプトル見たし。」としか思えなかったですね。

やはり登場人物が初めて巨大な恐竜に驚く、それと同時に観客も初めてそれを見て、テーマ曲と共に心奪われる方が良いと思ってしまいます。

プテラノドンに至っては、パニック映画シーンで初めての触れ合いですからね。せめて最初に翼竜エリアを見せて、「もしこいつらが自由になったら?」と、不安を煽っておいたりしてほしかった。どれも個人の勝手な意見ですけど。

すでに嫌な予感はしましたが、インドミナスもその犠牲に。

彼女はいわば、フランケンシュタインの怪物なのですよね?望まずに生を受け、目的も自分が何者かもわからない孤独な存在。それが塀を打ち破って外へ行くんですから、逆襲劇が始まると思うんです。

だから私は応援していました。「金のために勝手に生み出し、酷い孤独に閉じ込めた人間に仕返しだ!」と、怖い生物ながら悲しい出自に惹かれていたんです。

その要素は実際にあり、また彼女の超すごい力による虐殺も観られます。ただ、ここでも貫徹していないと思いました。オーウェンが言葉でその悲惨な生を指摘しますが、その後一切触れません。

それにすごい知能や能力を見せるのも終盤には無くなって、ただの大き目の肉食恐竜に。

最初の待ち伏せで、食らいつくのでなく人を手でわしづかみにしたのにはギョッとしましたが、その後本能的に恐怖を与えてくるような印象はなかったです。

新要素としては、人間と恐竜の絆が描かれました。尊重し信頼するオーウェンとラプトル4姉妹。

一緒に森林を駆け抜けるシーンは感動的なロマンでしたね。自然を完全にコントロールし、生命と遺伝子も支配する。

そして生まれてきた「資産」をうまく使う。その胸糞悪い理論に真っ向から中指を立てるオーウェンは、最後にラプトルを振り向かせることに成功しましたね。

あそこに関してはまあいいと思いますが、できればインドミナスの社会適合ができないという要素も絡めて、ラプトルをオーウェン側に戻らせてほしかったりもしました。

意思疎通するも、支配的で仲間を思わない。だからラプトルは自分たちを信じるオーウェンにつく、といった具合で。本編の感じだと、インドミナスはなかなかコミュ力高いですよね。

さてさて、ラストはやはり絶対的王者のTレックスさんに来てもらおう。怪獣映画さながらの恐竜バトル開始で大興奮。

それでもさすがにTレックスを溜めすぎですけどね。ほとんどラストにちょっと出てるだけです。

やはりパークの目玉として、序盤にそのカッコよさと強さをしっかり観客に見せておいた方が良いと思います。そうすれば、「まだTレックスがいるぞ!」と観客が期待値を上げることができますし・・・

とにかく。悲惨な出自に特に救いのないまま、「お前は偽物、作り物。こっちは本場の恐竜じゃ!」とレックスとラプトル、そしてモササウルスのコンボでやられたインドミナス。言わんとすることはわかるがやはりかわいそうとおもってしまう私でした。

人物、恐竜共にCGですね。とにかく見た目だけな感じで、中にはアニマトロニクスにあった繊細な機械すら入っていません。

素晴らしい要素は持ち合わせていますが、それぞれがテキトーに描かれてしまっている気がしてなりません。さすがに1で感じた、太古の支配者たちへの心からあふれ出す興奮やロマンは蘇ってきませんでした。

今回はこんな感じでちょっと酷評でした。あくまで私の意見です。皆さんはどう思ったでしょう。何より知りたいのが、子供たちが見てどう思い、恐竜の世界に胸躍らせてくれたかですね。

このシリーズはこの先も製作予定。どう動いていくんでしょうか、それはカオス理論におまかせして、この作品のレビューはこれでおしまいにします。それでは。

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