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「アンタッチャブル」”The Untouchables”(1987)

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映画レビュー
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「アンタッチャブル」(1987)

  • 監督:ブライアン・デ・パルマ
  • 脚本:デイヴィッド・マメット
  • 原作:オスカー・フレイリー
  • 製作:アート・リンソン
  • 音楽:エンニオ・モリコーネ
  • 撮影:スティーブン・H・ブラム
  • 編集:ジェラルド・B・グリーンバーグ、ビル・パンコウ
  • 衣装:ジョルジョ・アルマーニ
  • 出演:ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、チャールズ・マーティン・スミス、ロバート・デ・ニーロ 他

ブライアン・デ・パルマ監督による実話をもとにした警察VSギャングの物語。かの有名なシカゴのギャング、アル・カポネを捕まえるまでの、財務省捜査官たちの戦いを描いています。

本作品はアカデミー賞にてショーン・コネリーが助演男優賞を受賞。モリーコーネの音楽やロバート・デ・ニーロの役作りも有名ですね。

まあ実際の事件や捜査からはかなり脚色されているようですから、実話をモデルにした娯楽映画的な位置に見ています。

1920年代から続く、禁酒法。

法令の陰で巣食った闇酒市場。カナダからの密輸や、密造により膨大な金と権力を手中に収めるギャングたちは、政治や司法そして警察まで買収した。

そして罪もない市民が、その脅威の中に命を落とす日々が続いていた。

アメリカ財務省からシカゴへと送られてきたネスは、このギャングたちを倒そうと躍起になるが、買収された警察の邪魔もあり早速失敗してしまう。

落ち込むネスは偶然ベテラン警官のマローンと出会い、腐った中に信念を持ち続けるものの存在を知る。

犠牲者の涙と悲痛な声に動かされ、マローンを呼び出したネスは、大物アル・カポネを必ず逮捕することを誓い、信頼できる本物の警官を集めてチームを編成しはじめる。

ショーン・コネリーの疲れてもまだいけるおじいさん感が素敵です。

若干行き過ぎた、そのシカゴで戦争をする意気込みもまた良いものです。画面に出てくることで安心や期待がもてるキャラ。

またデ・ニーロ演じるアル・カポネもまた印象的な悪役でしょう。

バットで頭をたたき割り、白いテーブルクロスに真っ赤な血が。多くのギャングたちが席を囲む中、その外側にいて絶対的な力と影響を持つ存在です。

彼は輪の外にいる、そしてその輪の中にいるものに、いつでも好きな時に死を与えられるのです。

台詞もすごく印象的ですよね。彼が実際に暴力的なのはそのバットシーンぐらいですけど、まあ序盤の剃刀シーンでのあの理髪屋の反応でどれだけ恐ろしい奴なのかはうまく伝わります。

この映画はチームもの。4人の捜査官、外れ者たちによるアウトロー的な軍団。

みんな魅力的に描いているのが素晴らしい。各人物に絶えずユーモアが足されているのが、全体を楽しく見れるものにしています。

有名な階段シーンは必見ですが、個人的にはヒッチコックオタクなデ・パルマ監督の、のぞきショットが楽しめました。

マローンの家に入り込んでから徘徊する暗殺者の目線で、長回しでずっと撮りまくっていたり。屋上から下を覗くと、そのまま銃口が見えたりね。一人称視点の使い方が好きです。

言うまでもなく、エンニオ・モリコーネによるテーマ曲も印象的で素敵ですね。

実際の事件としては、ここまで派手にやりあってはおらず、メンバーに死亡者は出ていないようです。今作では暴力性は高められており、またそれ故に少しおとぎ話的に盛り上がって思います。

ここを派手に持って行ったのは正解でしょう。起きていることの陰惨さがある程度抑えられますからね。

孤立無援ながら、犠牲になる人その全てを無駄にしないと誓い戦うネス。

母親の涙も友の血も背負って、戦い続ける。犠牲がでることを恐れ、さらなる被害を恐れて口を閉ざし、正義をなすものが悪を働くこの時代に、ここまで突き進んだ英雄たち。

とても難しいことです。守るべきものがあれば尚更に。しかしネスのようにあきらめないことが、序盤の暗く影を落とすシカゴの通りを、最後の輝く太陽に照らされる通りに変えてくれるのでしょう。

事実を映画用に色付けしていますが、それによるテンションの高さで陰惨さをうまく消し、抱え込ませずに応援できる作りに。ショーン・コネリーのキレる老人に、大悪党デ・ニーロの名セリフの数々も聞ける傑作です。

是非一度観てみてください。では、また。

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