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「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」”Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn”(2020)

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Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn 映画レビュー
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「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(2020)

  • 監督:キャシー・ヤン
  • 脚本:クリスティーナ・ホドソン
  • 原作:チャック・ディクソン、ゲイリー・フランク『バーズ・オブ・プレイ』
  • 製作:マーゴット・ロビー、スー・クロール、ブライアン・アンケレス
  • 製作総指揮:デヴィッド・エアー、ウォルター・ハマダ、ハンス・リッター、ジェフ・ジョンズ、ガレン・ヴァイスマン
  • 音楽:ダニエル・ペンバートン
  • 撮影:マシュー・リバティーク
  • 編集:ジェイ・キャシディ、エヴァン・シフ
  • 出演:マーゴット・ロビー、ジャーニー・スモレット=ベル、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ロージー・ペレス、エラ・ジェイ・バスコ、ユアン・マクレガー、クリス・メッシーナ 他

Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn

DCコミックス映画「スーサイド・スクワッド」に登場のハーレイ・クインを主役としたスピンオフ作品。

主役のハーレイは引き続きマーゴット・ロビーが務めるほか、ジャーニー・スモレット=ベル、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ロージー・ペレス、エラ・ジェイ・バスコが共演。

悪役ブラックマスクとしてユアン・マクレガーも出演しています。

監督は今作が長編としては2作品目と大抜擢を受けたキャシー・ヤン。

個人的には「スーサイド・スクワッド」は好きでない作品かつ、当時のハーレイも特段魅力的には思っていませんでした。

単純に昨今のマーゴット・ロビーはほんとに素晴らしい俳優なので彼女の新作という形で観てきました。

IMAXシアターですが、大混雑ではなかったです。

ちなみにタイトル”Birds of prey”というのは”猛禽類”を意味しています。かわいい鳥なんてナメちゃいけないハーレイたちを指していると思います。

Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn

犯罪界の貴公子たるジョーカーと破局したハーレイ・クイン。

しばらくはジョーカーの女という特権を使い好き放題していた彼女だが、思い出の化学工場を吹っ飛ばしたことで関係が切れたことがゴッサムシティ中に知れ渡ってしまう。

これまではジョーカーの存在を恐れてが出せずにいた者たちが、ここぞとハーレイ狩りを開始する。その中にはゴッサムの犯罪王としての座を狙う悪党ブラックマスクもいた。

彼に八つ裂きにされそうになるハーレイだが、とっさにブラックマスクが探すダイヤモンドについて言及し、その捜索を手伝うことで命だけは助けるよう持ち掛けた。

タイムリミットが設けられるなか、ハーレイはダイヤを盗んだ子どもカサンドラを探して警察署へ殴り込みをかける。

Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn

DCEU(DCエクステンデット・ユニバース)の中でもヒーローサイドではなく悪役彩度のしかもスピンオフとして制作された「スーサイド・スクワッド」。

あれはMCUのGOTGを期待するも、出来損ないのような散々なものでしたが、そのさらにスピンオフたる今作に関しても、不安でいっぱいでした。

最近はDCもフォーミュラを変えてきたのか、アクアマンやシャザムなどとてもいい作品が出ているのですが、あまり作品自体への期待はせずにいました。

そして今回は、楽しめましたね。

こねくりまわした脚本でもなく、しかしストレート過ぎない語りの、時系列や視点を行き来するモノローグ方式を活かし、ガールズギャングの結成までをみせていきます。

これはもちろん、主軸たるマーゴット・ロビーのおかげです。

彼女の無軌道かつ自由主義的態度には一種の解放感があり、またその語りは「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」でもみせた信頼しきれない感じが一種のスリルになっていました。

Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn

また全体にテンポを速いものにしており、停滞がぜんぜん起きていないこともすっきりしていて観やすく感じました。

今作は指定付きのために、描写や扱うモノ的にもけっこう攻めていきますが、特に言語部分ではだいぶスゴイ。しかし優等生ヒーローではないですから、これくらいめちゃくちゃ言ってる方が似合います。

それらがコメディ的に展開されていくのも軽快なテンポに貢献しているかもしれません。シリアスになりすぎないというか。

今作のキャラで最もシリアスな感じのする、ハントレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)も、意外なコメディ要素で笑えました。彼女は最強のコミュ障というか、世界になじめなさ過ぎて妙なこと言ったりがかわいらしい。

またハントレスにハーレイ、そしてブラックキャナリー。彼女たちのアクションも楽しいところです。

それぞれの体術のしなやかさに、終盤の連携プレーなど、しっかりパワフルですしガツンと決める重さがありますが、筋力というか技術系なところは美しく感じます。

Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn

基本的にはガールズエンパワーメント作品に仕上がっていると感じますが、キャシー・ヤン監督は男性のパワーゲームの外へ常にこの女性たちを置いて進めたのはかなり好きです。

誰かヴィランやヒーローのパートナーでなく、自立しているキャラとして存在し、とても生活感ある暮らし(今回のゴッサムの生活感ある感じは素晴らしい)をもつ人間。

男たちのこうあってほしい、またはこうあるべきという押し付けから解放された女性たち。

ジョーカーやブラックマスクなどでもなく、警察組織でもなく、そうしたシステムから飛び出して好きに生きていく。そんな中に、ビジネスを越えての何か心のつながる部分があるきがします。

倫理的にはもちろん、優等生ではないハーレイたち。しかしだからこそ彼女のカラフルで混沌とした自由は、すべてを受け入れるのかもしれません。

キャストの好演やテンポの良さなど劇場で爽快に楽しむことのできた作品です。変に葛藤したり暗かったりもなくて、一部のヒーロー映画の重苦しさに嫌気がさす人ほど楽しいかと思います。

感想は以上になります。今後もロビーのハーレイやバーズ・オブ・プレイは登場するのでしょうかね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次の記事で。

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