「スーサイド・スクワッド」(2016)

  • 監督:デヴィッド・エアー
  • 脚本:デヴィッド・エアー
  • 原作:ジョン・オストランダー(DCコミックス)
  • 製作:チャールズ・ローヴェン、リチャード・サックル
  • 製作総指揮:ジェフ・ジョーンズ、ザック・スナイダー、デボラ・スナイダー、コリン・ウィルソン
  • 音楽:スティーブン・プライス
  • 撮影:ローマン・ヴァシャノフ
  • 編集:ジョン・ギルロイ
  • プロダクションデザイン:オリバー・スコール
  • 衣装:ケイト・ホーリー
  • 出演:マーゴット・ロビー、ウィル・スミス、ジャレッド・レト、ジョエル・キナマン、ジェイ・コートニー、ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・ヘルナンデス 他

さて、DCエクステンデットユニバースの最新作。コミック映画の中では初めて?悪役を主役にした作品。そしてチームものであり、また世界拡張の役目もあるのです。

DCは「マン・オブ・スティール」(2013)にはじまり、今年2016は「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」も公開されています。

とはいったものの、全体に評判はいまいちなところもあり、世界がどんどん広がる一方で傑作だとされる作品がまだできていないという事実。

私も前2作は厳しく観ていますが、今回は楽しいノリに今までにないタイプを期待して観に行きました。

お客さんがほんとに多くて、MCU的な家族連れはいないものの、海外の方や若い女の子グループ、そしてアメコミファンの皆さんまで来て混雑していました。

スーパーマン亡きあと、世界は不安を抱えていた。また人類の脅威になりえる存在が現れたとき、どう対処していくのか。

政府高官のウォーラーは、そのためのチーム編成を計画。だがメンバーの候補は、死刑や終身刑で投獄されている極悪人たちだった。上官たちはその異常な集団に難色を示すものの、ウィーラ―が従えている魔女、エンチャントレスの能力を見て計画を考慮しはじめる。

だが、そのエンチャントレスがウォーラーに隷属することを嫌い、隙をついて脱走。弟の魔人を復活させ、2人で都市を破壊していく。

緊急事態が起きた今、ウォーラーの集めた極悪人集団”スーサイド・スクワッド”が出動することに。

さて、DCコミックスが今回やろうとしたのは、おそらくMCUはジェームズ・ガン監督の「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」(2014)でしょう。

知名度の低い正統派ではないキャラクターをチームアップさせ、そのうえポップミュージックをかけながらノリの良い笑える映画を目指す。

わかりますけど、今作はGOTGには遠く及ばず、これまたDCユニバースに幻滅していくものになりました。

脚本。もうどうにかできないんでしょうか。デヴィッド・エアー監督自身が手掛けていますが、メチャクチャな上に話のテンポが悪い。

まずキャラクターが一般には知られてないことから、彼らの紹介を文字通りやるんですね。そこにはDCが好きな?フラッシュバックがこれまた多用されますが、その間はこの「スーサイド・スクワッド」という物語は完全停止し話が動かないんですよ。

それを丁寧に一人づつやるもんですから、上映時間ばかりが伸びて、作中に行われることが少なくなる。

で、そんなに気を使おうとする割に、キャラが立たずバランスもおかしいのが情けない。

マーゴット・ロビーとウィル・スミス以外は、まあなんとなくの見せ場と回想とで頑張りますけど、そこにいるって程度です。それでもハーレーもデッドショットも好きにはならなかったですが。デッドショットはあれもうただのウィル・スミスだろw

この映画チームメンバーが死にますけど、何も感じません。取ってつけたような、この作品外での出来事による厚みでは、感情移入なんてできませんよ。

さて、ジョーカー。みんなロメロもニコルソンもヒースも好きですよね。

今回はジャレッド・レトが伝説的な悪役を演じていますが、まさかこれを”酷い”という日が来るとは。

何が嫌だったかと言えば、怖くないこと。そしてそれはどうしてなのかと考えてみると、俗物になり下がったジョーカーだからです。私は彼をピエロのスタイルが好きなギャングの王と呼びます。狂ってないからね。

つまりは、彼の衣装やプロップ、描写が気になったんです。入れ墨、豪華な飾りのついた銃やナイフそして高級車。クラブではVIPルームへ入りますし。

完全に麻薬王とか暗黒街のボス。それだけ。彼は金にも女にもラグジュアリーにも、そしてスタイルにも気を遣う。めちゃくちゃ俗っぽいキャラでした。それのせいか、なんていうか人間的で残念でした。

それにジョーカー特になにもしませんし。DCはちょい出しして後でもっと見せるよ!みたいなことやってますけど、一本の映画として完成させる気はないのかな?TVドラマでもやればいいのです。

あ、上のシーン。グラフィカルで好きなところです。良いですね。

今作の残念なところの一つしては、ポスターやらにある鮮やかだけどサイケな感じの色合いです。ああいう、今のDCEUでは他のキャラには出せない鮮やかさを期待したんですが、さすがです。また夜、雨、汚い街に閉鎖空間。画面色彩における異常さは微塵もなかった・・・

あらすじでも変だなと思う今作のプロット。意味をなしていませんね。魔女を使おうと思ったら逃げられてチーム編成?自分で爆弾作っておいて、それを解除するために人を送るみたいw

魔女。空に光の柱を打ち上げるのがハリウッドは好きなのは分かりましたけど。あれは結局何なんでしょうか。

弟含めて、何でもできそうな彼らはわざわざあそこであれをする意味はあったのでしょうか。今回エンチャントレスをカーラ・デルヴィーニュが演じていますけど・・・酷かった。話し方とかもですけど、あの奇妙な踊りや動きは最低でしたね。

描写不足のキャラたちが立ち向かう、明らかに倒せないスーパーウィッチ。

テンポが悪いうえにさらにスローモーションを多用する本作ですが、最後の最後はスローモーション自体が長いうえに間に余計な幻術カットまで入れて、時間の流れがおかしいです。

周りがスローモーション中に普通の時間の流れで動いていいのはクイックシルバーだけですね。

おもしろいはずのギャグも(再撮影のもの?)浮いてて笑えない。GOTGの真似して入れてる人気の歌も、選曲や結び付けは為されずお粗末。キャラの説明に終始してなお立たない、行動原理の見えないキャラに、散らかりまくって意味の通らない脚本。

観てて思ったのは、

どうして彼らなの?

スーパーマンやバットマンのいる世界。今作にはフラッシュも出てきますね。彼らにできないことをできる極悪人たちを集める・・・んですよね?

悪人じゃなきゃだめな理由ってありましたか?あの魔女相手に、デッドショットとかハーレー・クインとか、ブーメラン投げる男とか必要なんですかね。そして振り切った悪も見せてくれないですし。

全くもって大変な映画でしたね。BVSはまだかわいさや画の良さもありましたけど、今作はなにも感じません。監督はこの悪人たちを愛してるんですか?

バットマンもちょこちょこ出てきてただうっとおしいです。そういえばなんでハーレーにキスしたんだろう?キモいね。

DCEUについていくためにはまだワンダーウーマンにジャスティスリーグなどが続きます・・・すでに苦行と化してきている気がします。それでもまだDCを見捨てずに、頑張ろう。

というわけでレビューおわり。では。

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