「MUD-マッド-」(2012)
- 監督:ジェフ・ニコルズ
- 脚本:ジェフ・ニコルズ
- 製作:リサ・マリア・ファルコーネ、サラ・グリーン、アーロン・ライダー
- 製作総指揮:トム・ヘラー、ギャレス・スミス、グレン・バスナー、マイケル・フリン
- 音楽:デヴィッド・ウィンゴ
- 撮影:アダム・ストーン
- 編集:ジュリー・モンロー
- 出演:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、タイ・シェリダン、サム・シェパード 他
「ダラス・バイヤーズクラブ」などのマシュー・マコノヒーと子役2人を置いたドラマ映画で、私は海外で観たので日本公開版は観ていません。去年未体験の映画特集か何かで上映していましたね。
日本での知名度はそれほどでもないと思いますが、私は心に残って仕方のない映画です。
14歳の少年エリス。友人のネックボーンと島へ出かけ、木の上に引っかかったボートを見つける。
秘密基地として使おうと考える彼らだが、そこにはすでに住人がいた。
マッドという男。薄汚れた身なりの浮浪者だった。少年たちはマッドに食べ物を持ってくる代わりにボートをもらうことを約束。しだいに交友を深める。
しかしそんな時、エリスは町での検問から、マッドが指名手配犯だと知る・・・
この映画においてやはり引っ張って見せてくれるのはエリス役のタイ・シェリダンとマッド役のマコノヒー。
マコノヒーはあいかわらず肉体を魅せますね笑 浮浪者のくせにいい体過ぎな気もしますが、くたびれ感がどこかセクシーで、色々謎と影のある魅力が素晴らしい。
エリスの方は家庭と自分に迷い、マッドに惹かれながら尊敬とあこがれを抱きます。観る人次第ではマッドとエリスどちらにも自分を重ねることがあると思いますね。
両親が不仲でいるとき、純愛のため身を犠牲にするマッドを見るエリス。それは素晴らしく輝く理想なのです。そして自身も恋に目覚める。
しかしそこで失恋、というかもはや弄ばれた程度ですが、愛をまた不信に思う出来事。さらに信じていたマッドも約束を破る。
重なる事柄が少年には痛すぎるのですね。英雄視した人間の英雄らしからぬ、自分の理想と違う姿。現実にも失望というものはあります。
少年らしい、自分で何かしたい気持ちやなりたい大人に出会うこと。そして少しの挫折。
夏の間に生まれた不思議な友情は少年にとって試練でありましたが、一生の思い出です。最後にマッドが残したものは必ずエリスの人生の糧になるはずです。
どんなに堕ちようと信じていられる愛をこの映画で確かめたと思います。
というわけでした。二度とない夏の体験。2人の素敵なリードに身をゆだねてみることをおススメします。マコノヒー好きなら是非。
2013観たベストランキングに入る作品でした。それではまた次の記事で。
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