「夜の大捜査線」(1967)

  • 監督:ノーマン・ジェイソン
  • 脚本:スターリング・シリファント
  • 原作:ジョン・ボール
  • 製作:ウォルター・ミリッシュ
  • 音楽:クインシー・ジョーンズ
  • 撮影:ハスケル・ウェスクラー
  • 編集:ハル・アシュビー
  • 出演:シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー、ウォーレン・オーツ 他

「野のユリ」や「招かれざる客」なんかでも有名なポワチエ主演の刑事もの。

私は彼の力強い感じが何とも好きなんです。

黒人俳優として賞を取ったり、活躍が社会の変化を助けた人ですね。当時公民権運動も盛んでしたから、タイムリーな要素を含んだ映画でした。

アメリカ南部。熱い夏の夜、警官がパトロール中に死体を発見。殺人事件の容疑者として、駅で列車を待っていた黒人がつかまえられた。

署に突き出されたその男は、実は都市部で活躍する敏腕刑事だった。そしてここから、この差別の根強い町で、黒人警官と共に捜査が始まる。

差別の強い土地での黒人。捜査上も、味方のはずの地元警察も差別が入り邪魔になります。

アメリカ社会においての”自然な”差別が描かれ、まるで主人公とのカルチャーギャップのように見えるほど。そういうものだという偏見がはびこり、不正の上に物事が基礎となる恐ろしさもあります。

さらにここでは主人公の方が上手である事実が大きいです。

白人の人物たちより、優れた能力を持つが故、余計に憎悪が増しています。ですがそもそも白人>黒人であるという思考が狂っているんです。そこで憤りを覚えますね。

行く手を阻み能力すら厭わない中、孤独に捜査する主人公バージル。このバージル、ポワチエの強さが見どころ。

庭でのシーン。差別主義者にはたかれ、はたき返す。

署でのシーン。「They call me Mr. Tibbs!」等、ここに強く存在する黒人の姿が現れています。生きることを乞うのでなく、また許されて存在するのでもないんです。

自分が忌み嫌われている場、味方もいない。殺されてもおかしくない町での操作です。随所に嫌な緊張感が走ります。それがまた捜査を曇らせているのです。

スタイガー演じる署長とバージルの関係が私は見事と思います。

だんだんと友情を深める2人。「考え方も白人のようだ。」と言っていた署長も、バージルと酒を交わして、人種など関係なく同じ一人の人間だと気づいたように感じました。

なされるべき正義が差別と偏見に曇る。それに立ち向かう勇敢な刑事。そしてそれを通して意識が変わるのは、観ている私たちも同じだと思いますね。

そんな刑事もの映画です。ポワチエのパワフルさ含め、人種差別を上手く織り交ぜた作品としておススメですよ。それではここで、また~

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