「アイアンマン3」(2013)
- 監督:シェーン・ブラック
- 脚本:シェーン・ブラック、ドリュー・ピアース
- 製作:ケヴィン・フェイグ
- 音楽:ブライアン・タイラー
- 撮影:ジョン・トール
- 編集:ジェフリー・フォード、ピーター・S・エリオット
- 出演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、ガイ・ピアース、ベン・キングスレー 他
「アイアンマン」(2008)から始まったシリーズ、アベンジャーズも入れると4作目かな。
完全なはまり役ロバート・ダウニー・Jrから、今までのお馴染みメンバーに加えて新たな敵を参入。まぁ扱いやら、映画のテイストやら、意見の分かれる作品になったかと。私は1作目を意識した作りになっていつつ、前述の通り雰囲気がガラッと変わった気もします。
3D、2D両方で観たんですが、そこまで変わりはないかな?興行的には大成功でしたね。たくさん見に来ていました。
トニー・スタークは過去を語る。自身が無意識に生み出した悪のこと。清算が必要だったと。
今ではニューヨークの一件が彼に大きなストレスをもたらし、不眠症や情緒不安定に悩み、憑りつかれたように新たなアイアンマンスーツを製作する日々。
そんな時、外では謎のテロリストが世間を恐怖に陥れていた。マンダリンと名乗る男は彼の組織を率いて次々に破壊活動を繰り返し、アメリカを揺すっていたのだ。
そしてトニーの過去が、ポッツやハッピーなど親しい人に迫っていた。
いきなり言うのもなんですが、やってくれましたね!
ついにアイアンマンがヒーローらしくヒーローのお仕事をしてくれました。中盤での空中レスキューです。なんだかんだと言ってもアイアンマンで描かれるのは自己清算や悪との対決、ここにきて一般市民を助ける姿が観れて嬉しい限り。最高です。
と、変わったところはそこだけではないです。まず音楽ですよね~ 今まではAC/DCなど激しい音楽がかかってやたら派手だったのですが、今回はそれも無く。ブライアン・タイラーによるヒーローのテーマ曲が使われます。
祭り感が無いとも言えますが、この点は私は好き。やっとヒーロー”アイアンマン”にオリジナルの曲が与えられましたからね。誰の曲でもなく、彼のテーマですよ!
そして今回大きな論点は、悪役について。私はあまり良いとは思わなかったです。
本来はマンダリンとは、キャップにとってのレッドスカル、バットマンならジョーカーというくらいに、大きな存在なんです。しかし今作では・・・しょっぱい。道化にしてもやり過ぎかと。思わせぶりにするくらいなら、最初からオリジナルな敵で良かったですよ。うーん。
それに加えて気になったのが、その強さの設定です。もはや何でもアリ。チタウリもヒドラもびっくりの高性能。人間の限界を超えるってことなんですけどね・・・何ができて何ができないとか、弱点とかあればわかりやすかったのかも?
ちょっと不滅の感覚は、途中の町での追いかけっこには良いかもですが。映画全体もそうですが、あそこは特に一昔前のスリラー感がありました。余裕綽々の相手に、ガジェットで立ち向かう。そして良い感じにサイドキックが助けたり。
さて、上でも書いた”らしくなさ”。ちょっと残念な方にも働いているかもしれません。それはアイアンマンの活躍の少なさです。ほとんどスーツを着ずに、トニーが普通の人間のまま頑張るんです。そして色々なスーツは遠隔で操作されて、使い捨て状態。
これは私は悪いとは思いませんが、人によっては、ロボコップ的無双感がなくてイヤかも?
スーツもけっこうあっさり破壊されてしまうので、1のころのスペシャルアイテム感が薄いですね。
まぁそれは良い意味もあるんですが。
それに加えて、マンダリンのがっかり、エクストリミスの説明不足はラストの闘いで混乱を。
ターミネーターよろしく、しつこい敵の復活はいいこともありますが、今作ではだるい。せっかく自らの乗り越えるべきスーツと、過去の悪魔である敵を一緒に吹き飛ばす華麗さがあったのに。何度も復活するわ、まさかの超パワーペッパーの登場とか、ラストが延々続く気がして退屈でした。
全部がだめではないです。
トニーが生身で闘うさまは、「スーツなしで何ができる?」というキャップの問への答えでした。1でオバダイアが言う「このテクノロジーを、トニーは洞穴で作ったんだぞ!」を思い起こす活躍です。
スーツなどなくとも、自らの知恵と機転で、ドライバー一本で敵を蹴散らす。
スーツ=アイアンマン、人間=トニー・スタークだったのが、
トニー・スターク=アイアンマンになったのです。すがっていた殻に別れを告げるスーツ爆破花火だったんですね。
バランスが難しい感じです。一方を進めれば一方が損なわれる。ただトニーがアイアンマンであることがしっかりと描かれててOK。
最後のシリーズ総まとめ動画は、ブライアン・タイラーの”Can you dig it”の曲もあってテンションあがるファンサービスでした:D
らしさが薄くとも、アイデンティティー確立はした映画。このさきアベンジャーズには出るようですし、この先もトニーの活躍が楽しみですね。そんなところでおしまいです。
2も感想書かねば。ではまた。
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