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「AIR/エア」”Air”(2023)

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air-ben-affleck-matt-damon-movie-2023 映画レビュー
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「AIR/エア」(2023)

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作品概要

  • 監督:ベン・アフレック
  • 脚本:アレックス・コンヴェリー
  • 製作:デヴィッド・エリソン、ジェシー・シスゴールド、ジョン・ワインバック、ベン・アフレック、マット・デイモン、マディソン・エインリー、ジェフ・ロビノフ、ピーター・グーバー、ジェイソン・マイケル・バーマン
  • 製作総指揮:ダナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー、ケヴィン・ハローラン、マイケル・ジョー、ドリュー・ビントン、ジョン・グラハム、ピーター・E・ストラウス、ジョーダン・モルド
  • 撮影:ロバート・リチャードソン
  • 編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
  • 出演:マット・デイモン、ジェイソン・ベイトマン、ベン・アフレック、ヴィオラ・デイヴィス、クリス・メッシーナ 他

「ジャスティス・リーグ」ではバットマンを演じ、「アルゴ」や「夜に生きる」など監督として活躍するベン・アフレックの監督最新作。

NBAの伝説的選手マイケル・ジョーダンと、彼の名を冠したシューズ”エア・ジョーダン”誕生についてを、ナイキのエージェントを主軸に描きます。

主人公はベン・アフレックの親友でもある「スティルウオーター」「最後の決闘裁判」などのマット・デイモン。

アフレック本人も、ナイキの創設者であり社長のフィル・ナイト役で出ています。

その他ジェイソン。ベイトマン、ヴィオラ・デイヴィス、クリス・メッシーナらが出演しています。

今作の脚本は2021時点でのブラックリストにあったらしいです。そこでベン・アフレックとマット・デイモンが脚本をリライトしてアレックス・コンヴェリーに託し、実際に撮影を始めたとか。

エア・ジョーダンの名前は聞いた事はありますが、バスケなどあまり詳しくないままに、単純にベン・アフレック晋作ということで鑑賞してきました。

初週末であったのでそこそこ人は入っていました。

「AIR/エア」の公式サイトはこちら

~あらすじ~

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1984年。

スポーツシューズを展開しているナイキはその市場シェアの低迷にあえいでいた。

アディダスやコンバースなど競合はオリンピック公式のシューズになっていたり、日常生活向けのシューズとしてスニーカーを押しより広いターゲット層を獲得している。

ナイキのバスケ部門担当のソニーは高校の試合を現地に見に行っては見込みのある選手にナイキを売り込んでいた。

ソニーはナイキ創設者フィル・ナイトから直々にナイキ立て直しを期待されており、彼は当時まだ活躍しはじめのマイケル・ジョーダンに目をつけていた。

競争力も弱くマイケル本人もナイキは嫌だと言っている中、ソニーはジョーダン家の中心である母デロリスの説得こそ突破口だと、実家訪問を試みる。

感想/レビュー

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題材への理解、自分の文化とのかかわりが肝

この作品、普通に楽しめることは間違いないと思います。

しかし楽しめる度合いについては、マイケル・ジョーダンというアイコンへの親しさや理解、そして自分の文化への影響の大きさによる部分が大きいかもしれません。

私個人としてはマイケル・ジョーダンはバスケの神様としての認知はありますが、そもそもNBAへの造詣も深くく、どちらかといえばプレーンで無知な側からの鑑賞となりました。

楽しいという面で言えば、構成的に期限付きのスリリングなビジネスだからでしょう。

決まった事実であるエア・ジョーダンの誕生に向けてということですが、僅かな数日間を題材にして、いかにマイケル・ジョーダンを落とすのかという話。

期限があるのですべてがスピーディなのは当然、絞られた登場人物やアイテムなどによりかなり分かりやすいというのものめり込むのにいい要素と感じます。

カルチャーの象徴として

OPすぐに1984年アメリカの景気や政治、特にポップカルチャーがとめどなく流れてきます。

ある程度社会情勢を理解できますし、映画好きならばもちろん、その時代の代表的な作品のチラ見せに嬉しくなります。

この文化の掲示はただ背景を説明するだけにとどまらずでした後半、作品全体の意味合いに関しても大きな役割を果たしていると思います。

スポーツにおける影響、それだけにとどまらずアメリカの文化体系に対する影響。

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神を登場させる演出

マイケル・ジョーダンがすさまじい存在なのは分かるのですが、演出面でちょっと違和感を感じてしまうものがありました。

それはマイケルの顔を徹底して映さないことです。

会議やプレゼンのシーンなどでたびたびマイケルはその場に来ているのですが、後ろ姿だけであったり腰あたりのショットだったりと、顔を出さないようにしています。

のとのち実際のマイケルの写真や映像などは出されるので、肖像権的な意味での難しさではなくて意図的なものであることが分かります。

おそらく、バスケットボールの神という存在感をそのまま、神を映す演出として顔を出さないようにしたのでしょう。

昔のキリスト関連の映画とかで、キリストを登場させつつもその顔は決して移さないようにしていたそれと似ているのかと感じます。

しかしなんというか、正直撮り方が変に思えてしまうしノイズであったのは事実です。

ゲームチェンジャー

いずれにせよ、前例のない出来事を通して、マイケル・ジョーダンはただ選手として有名になったのではなく、アメリカという国におけるその文化形成に大きな影響を与えた様が伝わります。

ただ、それは奥深くに人種構造も見えます。

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スーツを着た白人たちに追い回されるすさまじい才能を持つ黒人。

この構図から逆転を目指したマイケル・ジョーダン。

金持ちたちの牛耳るスポーツ業界で、ソニーが話をした店員のような一般市民への扉を開く。

エア・ジョーダンをより市民の手の届くものとする。この彼の姿勢はバスケにとどまらずに、すべての金持ちが作り上げている世界にとどろいていく。

今作の魂があるとすると、ソニーらの成し遂げたエア・ジョーダンの誕生というのは外見である気がします。

本当のコアは、このシューズの誕生から権力構造や選手たちの地位に改革が起きたことなのではないかと。

シンプルでストレート、そしてソニーの良い演説があったり、この作品を通してマイケル・ジョーダンの偉大さに触れるという点でも楽しめた作品でした。

今回の感想はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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