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「ジャスティス・リーグ」”Justice League”(2017)

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映画レビュー
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「ジャスティス・リーグ」(2017)

  • 監督:ザック・スナイダー
  • 脚本:クリス・テリオ、ジョス・ウェドン
  • 原案:クリス・テリオ、ザック・スナイダー
  • 製作:チャールズ・ローヴェン、デボラ・スナイダー、ジョン・バーグ、ジェフ・ジョンズ
  • 製作総指揮:クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス、ジム・ロウ、ベン・アフレック、ウェスリー。カラー、カーティス・カネモト、ダニエル・S・カミンスキー、クリス・テリオ、ベンジャミン・メルニカー、マイケル・E・ウスラン
  • 音楽:ダニー・エルフマン
  • 撮影:ファビアン・ワグナー
  • 編集:デヴィッド・ブレナー、リチャード・ピアソン、マーティン・ウォルシュ
  • プロダクションデザイン:パトリック・タトポロス
  • 衣装:マイケル・ウィルキンソン
  • 出演:ベン・アフレック、ガル・ガドット、ジェイソン・モモア、エズラ・ミラー、レイ・フィッシャー、エイミー・アダムス、ダイアン・レイン、J・K・シモンズ、ビリー・クラダップ、ヘンリー・カヴィル 他

「マン・オブ・スティール」(2013)より始まったDCEUにも、ついにヒーロー集結の時が来ました。これを言うのも皮肉ですが、簡単に言えば、DC版の「アベンジャーズ」ですよ。まあJLの方が歴史的には先ですけども。

一応前作にあたるのは日本では8月に公開した「ワンダーウーマン」(2017)ですが、全体の時系列で言うと、「バットマンVスーパーマン ジャスティスの誕生」(2016)の後を描いた作品になっています。しかし正直言って、まあここから見てもいいんじゃね?って思いましたw

監督は途中降板もありましたが、ザック・スナイダーが引き続き務め、降板後に計画を継いだのは、MCUを離脱したジョス・ウェドン監督。一応監督ではなく脚本の方でクレジットされていますね。

主演は引き続いてベン・アフレックやガル・ガドットが務め、今作には新たなヒーロー役として、ジェイソン・モモア、エズラ・ミラーそしてレイ・フィッシャーが出演。

祝日公開で観に行ったのですが、まあ普通な感じ。土日の方が多いかな?アス比が変わらない?とかだったので、普通の2D字幕で鑑賞しました。

レックスの生み出した怪物ドゥームズデイと戦い命を落としたスーパーマン。地球は希望の光を失った悲しみに包まれていた。

一度は彼を敵視し、また共に戦ったバットマンは、スーパーマン無き地球に迫る脅威を感じていた。彼はワンダーウーマンと共に、地球にいる超人的力を持つものを集め、チームを結成すべく動き出す。

そして同じころ、何千年も追放されていた破滅の使者ステッペンウルフが、ワンダーウーマンの故郷セミッシラ島を襲撃、太古より保管されていた無限のエネルギーを秘めたマザーボックスを奪ってしまう。ステッペンウルフが世界に3つ存在するマザーボックスを集める前に、バットマンたちは力を合わせ敵に立ち向かうべく奔走する。

OK。雰囲気変わったね。

サクッと言うと、コミックの映画として荒唐無稽で騒がしく、単純明快になったと思います。DCEUでは哲学的な問いかけ、超人の脆い部分を扱うことが多くありましたが、今作はかなり方向をシフトしてきたと感じました。

画面色彩が少し明るくなっていたり、ユーモアを増やしていたり。明らかに明るく真っ直ぐで、成功をおさめたパティ・ジェンキンス監督の「ワンダーウーマン」(2017)の影響を受けたんだと思うのです。

葬式ムードたっぷりの前作に比べれば、バットマン含めて既存キャラはワンダーウーマンの世界観寄りになったと思います。新規のキャラも、もろにコミックリリーフなフラッシュに、真実の縄で恥ずかしい思いをしちゃうアクアマンなど、トーンの明るいキャラの掛け合いが多く見られます。

なので全体を通して見ていて、重苦しいとかはなくさっくりと観て入れたと思います。

まあそれはトーンの部分でしかないのですけども。

正直言って、相変わらず無関係な多数のキャラがそれぞれ少しの事しかせずに、大きなアクションを起こせばたびたび止まってはプロットの説明をし始める。それの繰り返しでした。

各キャラホントに多い。

ヒーローとかかわりのある人たちにはそれは結構豪華なキャストが出ていて、おおっとなるのですが、ホントいるだけで別に今作で何かするわけではない。説明と今後の作品の布石でしかないのは残念です。余計なものは削ってほしいです。

まとめ切れていないのも問題なんですが、やはりやることが多すぎるというのがBVSに引き続いての問題であったと思います。

ボックスの説明、ステッペンウルフ、サイボーグ、フラッシュとアクアマンの紹介とそれぞれの単作に向けての伏線背景描写、バットマンの過去やロイス・レーンとスーパーマンのお話。

世界拡張と今後の映画製作が前に出過ぎていて、この作品自体が何を描きたいのかは不明瞭に感じます。

なんというか、各ヒーローの現時点から、結束する理由などへ移るのではなく、結構みんな腹据わってるんですよね。バットマンとワンダーウーマンは割とスーパーマンの死で正義に目覚めていて、盲目的に”世界を救う”と言い続けますし、フラッシュたちもイマイチ決定打が分かりません。

なので、「アベンジャーズ」(2012)にあったような、ついに集結!と言うような盛り上がりもなく、最終決戦にはなんか普通にそろっている感じです。

一応構成として、ステッペンウルフを阻止する過程での第1回目の集結があり、

そこから基地内での若干の仲間割れがあり、アクアマンスピーチなどでの柔和を経て、

最終決戦で勢ぞろいなんですけど、やはりそれぞれがバランスが悪いです。

サイボーグ、アクアマンの第1回目の集結は理由がイマイチ見えず、どうやってきたの?という疑問もありますし。

また仲間割れの部分でもそこに入れちゃまずいだろうというところなのにギャグも入ります。どこで一区切りがついているのかが不明瞭に感じました。

なのでジャスティス・リーグが揃う瞬間と言うのに盛り上がれなかったです。

今?ここで拍手していいの?それともまだ?って感じで、様子をうかがっていたら最終決戦になっていたような。

またキャラクターの扱いに関しても、結構思い切ったことをしましたね。

まあコミックではよくあることですので良いのですが、キャラクターの復活、再生はその死の重みすら軽くし、ある意味でキャラへの心配や興味が薄らいでしまうのですよね。その点やはりスーパーマンをたった2作目で殺したこと、そして話としては直後の部分ですぐに復活させたことは、死んだ時の、「まあこのスーパーマンよく知らないし・・・」と同じで、「なんか死んだけどすぐ生き返ったね」くらいにしか感じませんでした。

そもそも「BVS」にては脅威か希望かの論争ばかりしていたのに、死をあんなに悼んでいると言われてもピンときませんし・・・

戦闘描写に関しては、カラーリングとかは結構好き。全体にDCEUは画は良いと思います。

ただ戦いの差別化とか役割分担はイマイチ。結局みんなほぼ飛んでるし、死なないし。

アクアマンにもっと水を使った何かを用意するとか、バットマンのステルスをみせるとか、同じような感じで戦わずに各キャラの得意なものをみせてほしかったです。

けっこう散々言ってますが、やはりお話の部分が粗末すぎることと、数の多いヒーローのさばき方に手間取っているのは否めないと思います。

しかし先に言ったように、割りと荒唐無稽な部分を認めて明るくしたトーンは疲れはしないのでした。

笑顔を良く見せてくれるスーパーマンは、やっぱりヘンリー・カヴィルは良いスーパーマン役者だと思わせてくれますし。

ガル・ガドットのダイアナはやっぱり最高すぎるし、けっこうかまってちゃんなアクアマンとか、お子様フラッシュとお父さんバットマンとか微笑ましい。

あと、MCUと違った点で、DCの歴史をぶちこんできた点もおっと思いましたね。

ダニー・エルフマンの1989年版「バットマン」のテーマ、そしてジョン・ウィリアムスによる1978年版「スーパーマン」のテーマが流れたときには、やはり興奮してしまいました。ズルイぞ!w

正直ついに結集したジャスティス・リーグと言う割には、いままでで一番こじんまりした印象もあります。しかし個人的には明るくなってきたこの感じと、それぞれが相対化とか変則的な視点による観察ではない、本質的な部分を見せ始めたのが良い感じだと思います。

ここから仕切り直しのようにして、各キャラを単作映画でしっかり描き、またその歴史を踏まえての終結をしてほしいです。

キャラ扱いと話をブラッシュアップしてくれれば、とりあえず小難しく辛気臭い空気がなくなっている今は期待できそうです。

しわ寄せがきて色々もがいて、今までとの整合性とりつつやり直そうという感じが。

批評面でボロクソ言われているのも分かりますが、少なくとも私は腹がたつことはなく、頑張ってほしいと思った作品です。

こんな感じで感想は終わりです。青空に飛んでいくスーパーマン。私が観たかったものはこれだ・・・って、フラッシュとのおまけの後に、今回出てこなくてよかったと思っていたあいつが・・・後味がわるいw

それでは、また~

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