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「異人たち」”All of Us Strangers”(2023)

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「異人たち」(2023)

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  • 監督:アンドリュー・ヘイ
  • 出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ
山田太一のベストセラー小説「異人たちとの夏」(87/新潮社)を、現代のロンドンに舞台を移し、『さざなみ』(15)『荒野にて』(17)のアンドリュー・ヘイ監督が再映画化。
東京国際映画祭公式サイトより

~あらすじ~

ロンドンの街にある高層マンション。

脚本家のアダムはこの広くしかし入居者がほとんどいないマンションで日々を過ごしている。

ある夜に別の階に住んでいるヘンリーと出会い、アダムは彼を気にしたものの、関係性は深めなかった。

アダムは翌日、電車に乗ってかつて自分が住んでいた家を訪れる。

そこには亡くなった両親がその時の年齢のまま住んでいて、アダムは寂しさからそこへ度々通うようになった。

感想/レビュー

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映画祭3日目ガラセレクションでこちら鑑賞。

実は山田太一氏の原作どころか大林宣彦監督の映画も見ていないので、元のあらすじは何も知らないままで観てきました。

単純にアンドリュー・ヘイ監督の新作だとか、俳優陣に惹かれてです。

アンドリュー・スコット、「aftersun/アフターサン」が素晴らしかったポール・メスカル。

ジェイミー・ベルに何に出てても光ってるクレア・フォイ。

上っ面に惹かれて観てきたために原作からの脚色とか映画比較ができません。

どうやら大筋は持ってきているものの、セクシュアリティなどはアンドリュー・ヘイ監督の脚色が入り、オリジナリティある作品になっているようですが。

作品は本当に素晴らしかったです。

ストーリーとしてどこかホラーな雰囲気もあって時折緊張も走ってきます。

での序盤に感じていた違和感などが徐々に解決されていくと、そこにある悲しさや暖かさがぐっと、栓を開けたように溢れ出してきて飲み込まれてしまいます。

感情を常に捕まれ揺さぶられていた気がします。

ふと笑ってしまうようなシーンもありましたし、悪夢的でうなされるような場面も。

出演俳優は期待通りみんな良かったです。

アンドリュー・スコットが大人なのに子どもみたいな眼を見せてくるのがすごくて、まだどこかで両親の帰りを待つ少年だという印象がしっかりと感じ取れました。

彼が内包している少年がずっと感じられるから、絵面的にはおかしくても入り込んでいけます。

ジェイミー・ベル、クレア・フォイも少し老けメイクをした感じでしたが、いい塩梅に親のヤな点も含んだ雰囲気を出してて、理想像過ぎないのが好印象。

夢なのか、だとすれば悪夢か。

幻なのか願望ゆえの妄想か。

町並みを望む窓からの景色も、家の中の光も、クラブの強烈でヴィヴィッドなライトも。

何もかもがファンタジックで、どこに寄り添い生きるべきか。

成長できないままに大人になった男性の願望の旅のようでもありながら、でもアダムにとっては何もかも伝えられずにいたことを少しでも癒せる時間でもあり。

顛末としてはアダムに対して厳しいかも?

でもこの作品はとにかく接触を濃厚に描いていたと思います。セックスシーンもありますが、両親とのハグに手を握ること。

この目の前の全てが現実でなくてただの幻でも、その美しさと暖かさに触れながら、いまはただ眠りたい。

映画際3日目ですがこれはかなりのお気に入りになった素晴らしい作品でした。

それでは感想はここまで。

ではまた。

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