「X-MEN:アポカリプス」(2016)

  • 監督:ブライアン・シンガー
  • 脚本:サイモン・キンバーグ
  • 原案:ブライアン・シンガー、マイケル・ドハティ、ダン・ハリス、サイモン・キンバーグ
  • 製作:ブライアン・シンガー、ローレン・シュラー・ドナー、サイモン・キンバーグ、ハッチ・パッカー
  • 製作総指揮:スタン・リー、トッド・ハロウェル、ジョシュ・マクラグレン
  • 音楽:ジョン・オットマン
  • 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
  • 編集:ジョン・オットマン、マイケル・ルイス・ヒル
  • プロダクションデザイン:グラント・メイジャー
  • 衣装:ルイーズ・ミンゲンバック
  • 出演:新3部のX-menのみなさん、オスカー・アイザック、ソフィー・ターナー、タイ・シェリダン、コディ・スミット=マクディ、アレクサンドラ・シップ、オリヴィア・マン、ベン・ハーディ 他

20世紀FOXが送るスーパーヒーロー映画のX-MENシリーズ。

今作は2011年に始まった、リブート兼プリクエルにあたる新シリーズの3作目となります。前作「X-MEN: フューチャー&パスト」(2014)から引き続いてのブライアン・シンガーが監督を務め、彼は今作品でシリーズの4作を手掛けたことに。

おなじみのキャストに加えて、今回は「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」(2015)に出演のオスカー・アイザックが、強大なヴィランとして出演。また旧シリーズとはキャストを入れ替えてのX-MENたちも続々と登場しています。位置づけとしては今作がこの新3部の最終作。まだウルヴァリン3とか、デッドプール2とかいろいろありますけど。

公開から少し経っていましたが、なかなか人は多かったです。ファンらしい人もいましたね。

1983年。74年にマグニートーが起こした事件以来、世界はミュータントの存在を強く認識していた。その力を利用しようとする者たちや危険視する社会の中で、ミュータントたちは密かに暮らし怯えている。

そんな頃、カイロ市内の地下で謎の儀式が行われる。それは太古の神を崇め復活を望むものであった。

蘇る神というのは、世界で最初のミュータントであり、己の魂を数々のミュータントに転移させることで永い間生き、強大な力を操ることができるのだ。

このミュータントは現代の世界に失望し、再生させることを決める。かつてもそうであったように、自らの従者として4人の強いミュータントを探し、この世に黙示録(アポカリプス)をもたらそうとするのであった。

さて、今ではヒーロー映画はもちろん、クロスオーバー群像劇ヒーロー映画は当たり前です。

そういう意味ではこのX-menシリーズは先陣切ってたくさんのヒーローのチームものをやってきた作品ですね。

ともすれば、各キャラのらしさを立てつつ成長させつつ、集約していくその見せ方が主に問われていくのですよね。そして絶えずこのシリーズが持つ必要があるのは、人間orミュータント、差別や偏見の問題です・・・よね?

さて、はっきり言って疲れる映画でした。上映時間は144分。まあそこは良いです。時間的な問題で、各人物がもがいている感じは大いにありますけど、今作でとにかく気になったのは各人物の描きこみの浅さと関連性の薄さ。

マイケル・ファスベンダーのマグニートーもジェームズ・マカヴォイのプロフェッサーXもすごく好きなのですが、今回はあまりこのシリーズの主軸である二人の関係が上手く扱えていない気がします。

これはその他のキャラクターにも言えると思いますが、各キャラがそれぞれのストーリーを持ってはいますが、それが他に作用していない、結び付けられていないと感じました。

ちょっと画面に出てこないと、存在を忘れるほどに意識を持たせないです。

マグニートーの話は良いものですが、急に神に問いかける彼はあまりに歪です。まあ彼がアポカリプスと歩み、チャールズに背を向けるときの光と闇の使い方や撮影は好きなところでしたが。

アポカリプスを演じたオスカー・アイザックはすごく良かったと個人的には思うところです。オスカーが好きってのもありますけど、あのポー・ダメロンがここまで変わるとは。

ただし脚本上のおかしさとかは目立ちます。

まずオープニングのエジプトのシーンは長すぎますし、何よりアポカリプスの恐ろしさ(能力や性格)が一切描かれませんので、一体復活するとどれだけヤバいのか不透明。

それに歴史は繰り返す的なことを終盤に言いますけど、そもそも昔裏切ったのは四騎士ではなく反感を持つ一部の兵士です。

そして視覚効果がさらに追い打ちを仕掛けます。

もはや何がどうなっているとか説明すらない壮大な大破壊が行われるのですが、そのぶっ飛び具合がすさまじすぎて、BvSでも感じたどうでも良さが際立ち、興味をそがれていきますね。そしてそこまで何でもできる(できないことの説明なし)アポカリプスは、何を考えて敵を瞬殺しないのか?パワーバランスのとり方も何とかして欲しかったですね。

大勢のキャラクターをうまく扱いきれず、それぞれの物語を語り成長させることに集中した結果、人気キャラクターのウルヴァリンですら、彼の話でしかなく、全体への統合をできていません。(あのシーン自体はかなり良いんですけど。)これはオムニバス映画か何かで?

各キャラのあらかたの説明が終わり今作のメインであるアポカリプスへのラインに合流するころには、残された時間は40分くらい。そ

こからは見た目だけで被害や深刻さも感じられないCGの応酬に、ドラマチックさを欠片も感じないキャラクターの大きな決断。ただただ、何考えてるかわからない、そして軽薄。

挙句の果てにはミュータントへの差別や恐怖の面も何も民主側の描写もないままに、解決したことになる始末。ミスティークが英雄になることもなく、エリックとピーター親子の熱いコンビが見れることもなく、激しいCGの中にうやむやになってしまいました。

ブライアン・シンガー監督によるX-men。

それぞれのキャラクターが完全に手に余ってしまい、そのキャラ同士の化学反応までスマートに語ることができなかった印象の本作。

まったくつまらないわけではないものの、それぞれのお話を聞いて疲れるうえに、やっと準備できたと思えば望むものを観る前に上映終了してしまうのでした。

とりあえず、FOXのX-MEN新3部の最終作ですから今まで追ってきた方はもちろん観てみることをお勧めします。

「3作目はいつもクソ」と切り捨てるほどではないですが、「ジェダイの帰還」にたいして言えるほど今作は立派ではありません。

そんな感じでおしまいです。それでは~

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