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「アベンジャーズ/エンドゲーム」”Avengers:Endgame”(2019)

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映画レビュー
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「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019)

  • 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
  • 脚本:クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
  • 原作:スタン・リー、ジャック・カービー
  • 製作:ケヴィン・ファイギ
  • 音楽:アラン・シルヴェストリ
  • 撮影:トレント・オパロック
  • 編集:ジェフリー・フォード、マシュー・シュミット
  • プロダクションデザイン:ジョン・プラス、チャールズ・ウッド
  • 衣装:ジュディアンナ・マコフスキー
  • 出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、ブラッドリー・クーパー、ドン・チードル、カレン・ギラン、ポール・ラッド、ブリー・ラーソン 他

作品概要

2008年「アイアンマン」から続くマーベル・シネマティック・ユニバースの一つの完結作。11年の物語がここに終焉を迎えます。

監督は前作「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」から続いてルッソ兄弟が務め、フランチャイズ最新の「キャプテン・マーベル」のブリー・ラーソンも参加し今までのキャスト人が勢ぞろい。

昨年のインフィニティ・ウォーから1年、喪失の中にいたMCUファンにとっては待望の、そしてこの作品を機にひとつの大きなサーガが終了するということで、すさまじい注目を集める作品。

今回は3時間という長尺ですが、実際あっという間に終わりました。そして、笑いはもちろん、ほぼずっと泣いていました。

今回はネタバレしながら感想を書きますので、未鑑賞の方は絶対にこの先を読まないでください。

~あらすじ~

狂人サノスとの闘いに敗れ、彼の目論見通り、全宇宙から半分の生命が消え去った。

宇宙に取り残されたトニー・スタークだったが、キャプテン・マーベルによって救出され、地球のアベンジャーズと合流する。

復讐(アベンジ)に燃えるヒーローたちはネビュラの情報をもとにサノスの居場所を突き止め急襲するも、サノスは用済みのインフィニティ・ストーンを破壊してしまっていた。

消えた者たちを戻す唯一の手段であったインフィニティ・ストーン無き今、もはや希望は無かった。

そして、5年の月日が流れた。

感想/レビュー

ここまでのMCUすべて観てから鑑賞してください

まずアベンジャーズ観ようか迷ってる方へ。

11年の、21作品のすべてがここに集結していますので、シリーズを観てないとダメです。

話の大筋だけ理解して観たいというのなら、たしかにいくつかスキップしてもいい作品もあるかもしれません。でもダメです。

そういう人向けに作られていません。これは21の作品群のクライマックスにあたり、そこまでのすべての積み重ねによる重みを持っています。

何よりも、もったいないのです。

全作品観ずにして出会うエンドゲームと、すべて観てからのエンドゲームとでは全く違う。

エンドゲームを最大限かつあるべき状態で楽しむには、絶対にMCUすべてを鑑賞しから観ることをお勧めします。

というところで前置きは置いておいて、ルッソ兄弟、やってくれましたね。ひとつのサーガの終焉として大満足です。

色々と思うところがありすぎて考えがまとまりませんが、とにかく3時間中笑って泣いてのとてもエモーショナルな作品。

ひとえに、ドラマ部分がすごくうまく機能しているからだと思います。

今回はだいたい3部構成になっていると思いますが、そのうちの1と2はアクションパックではなくて結構落ち着いたものになっています。

この手の映画としてはおとなしすぎるくらいに。

過去を真正面から受け止める

しかし序盤からインフィニティ・ウォー、全世界の半分の生命が消されたことを真正面から受け止め、その余波を描いているのです。

それがとてつもなく感情移入させられるもので、役者の演技も合わせ、さらには底には10年以上スクリーンで追ってきたキャラクターの歴史も加わっている。泣かざるを得ない。

家族を優先したバートンが身を落とした姿に、「シビル・ウォー」でも立場を選ばずとにかく家族の分裂を止めようとしていたナターシャの今。

「ウインド・リバー」の時も素晴らしかった、とても抱えきれない悲しみに身を裂かれながら内包する見事なジェレミー・レナーの表情。

前に進もうとしたトニーの現在や、完膚なきまでに叩きつぶされてしまったソーの姿。

シリーズがずっと描いてきたヒーローのいる世界がしっかりと息づき、悲劇を経験しているそのあり方をとても丁寧に描いているだけで、しっかりと感情移入させてしまいます。

過去が今に力をくれる

そして、その出来事含めて、つまりシリーズすべてが今回は活かされていく脚本です。

第2部においてはまさに、今までの過去が”必要”になるわけで、こんな真っ当なシリーズ完結作品の話ってあるのかなと感服してしまいました。

私が当時劇場に観に行って、その後を期待したり不安になったり気にかけたあの歴史が全部振り返られ、アベンジに欠かせなくなる。

そこにはもちろんノスタルジーもありますけれど、過去が今に力をくれるという演出がとてつもなく泣けました。

キャップ、トニー、ソーのビッグ3が経験する過去への旅です。特にトニーのものは涙が止まらなかった。

あと地味に、今回ハワード・スタークとフリッガにフィーチャーして、シリーズ中も微妙な評価を受けている「アイアンマン2」と「マイティ・ソー:ダークワールド」を後からいい感じにするの巧すぎるw

膨大な量の情報でも、整理された戦場アクション

本当にすべてが集約されている第3幕のサノスとの最終決戦。

いままでのヒーローたち、そして彼らを生み、育て、そしてヒーローにしてくれたきっかけとなる人物すべての想いが集結して始まる最終決戦。

熱すぎて心臓がとんでもないことになっていてちょっと息できなかったし心臓痛かったw

何でしょうね。スクリーンに本当に今までのすべてが、MCUそのものが揃って、みんなで戦っている。エモーショナルアクションのつるべ打ちで多幸感でそのまま死ぬかと思いました。

ルッソ兄弟はこれだけの情報量を扱うのに、各キャラ短くも出番と印象的なシーンを用意することで、見事にバランスをとっています。

ジャイアントマンがワンパンでリヴァイアサン仕留めるところとか、思っても見なかった最高のアクション。

それに加えて、ちゃんと組み立て構成を考えながら整理してしまう点もルッソ兄弟は相変わらずでしたね。

あれだけの戦争状態でも、ガントレットをバンまで運べればアベンジャーズの勝ち、それを阻止してガントレットを奪えばサノス軍勢の勝ち、という風に、地理的にもゴール的にも非常にシンプルな構造にしています。

画面上大量の情報にも関わらず、すっきりと楽しめるように設計されているので訳が分からないとか何をしたいのか不明瞭ということもありません。

そして、そこにはヒーローからヒーローへという、まさにMCUそのものであるリレーが組み込まれていますし、MCUが推し進めてきた女性ヒーローの終結も感慨深い。

サノスは新しい世界への一歩は、過去を捨て去ることと言います。過去の記憶を持つものがそれにすがり、先へ進むことに抗うからと。

しかし、アベンジャーズの強さは、過去、積み重ねられてきた想いの結晶です。

それは父、母、愛する人、散っていった戦友、そして未来を信じて命を捧げた仲間。

起きたこと、戻らない人含めて歩んできた道がアベンジャーズを強くしてきました。

MCUという、単作でありながらすべてが一つの大きな流れになってるという史上初のフランチャイズも、やはり過去の作品あってこそです。

ファンドムです。もちろん。

ですが、私は今作の過去作品の使い方はいままでのシリーズ物とは一線を画していると思います。

話がつながってるとかキャラがこっちにも出てるとか、そういうものではないんです。言ってしまえば、過去のすべての存在が必然であること。

ノスタルジックかつ観客が覚えているためにピースを自然に埋めるような設計はもちろん、あの時のあの場所に行き力を借りる必要があるという脚本上、”ここに至るまで”が絶対に必要になってますから。

積み重ねがすべて最終決戦に集約される。過去が勝利には必要になっている脚本が本当に素晴らしい。

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なにもかもがアリになって実現したスクリーン

ルッソ兄弟には本当に感謝です。

ここまでまとめている上に、もう上げたらキリがないくらい観たかったもの、聞きたかったセリフがいっぱい入ってますし。

あと地味にですけれども、おデブのソーを通してまた新しくヒーロー像を進めてますね。「デッドプール2」ではネタとして挙がっていましたが、デブのヒーローの誕生です。

ソーを6パックにせずそのまま活躍させたのは大きいと思います。ここに来てなお、新しいあり方を提示しています。

そして何にしてもMCU本当に感謝です。もちろん個人的には、人生の一部となって、たくさんの感動や想い出をくれたのですから、感謝しきれません。

そしてさらに感謝したいのは、この素晴らしいサーガの終焉が、同時に新たな時代の幕開けでもあるから。

トニー・スタークが「私がアイアンマンだ。」で始め、終えた物語。

MCUのおかげでどれだけのことが”あり”になり、どれだけの可能性や世界の広がりをもたらしてくれたか、それを考えるだけで。

コミックルックの強いキャラ、女性ヒーロー、黒人メインキャスト作品、チーム、共有ユニバースというあり方。全て2008年からずっと積み上げて、MCUが切り拓いてくれたものです。

始まった時は少なかったのに、今では数えきれないほどのヒーローが生まれました。

彼らがすべて画面に集まるから泣ける。

全ての始まりの音が聞こえるラスト、そうこれは新しい世界の始まり

アベンジャーズの母のようなナターシャ。そして始まりであるトニー。ベストを尽くそうと思わせてくれるスティーブ。確かにお別れは辛いです。

ただトニーの言葉を思い出しましょう。

「モーガンはこの世界で育っていく。」はそのまま私たちに当てはまります。私たちはMCUを観た上で、この不可能のない広い世界で生きていくんです。

こっから先が楽しみすぎる。これからなんです。だからこそ、あの誕生の音が最後に響き渡る演出が最高。

ありがとうアベンジャーズ。ありがとうMCU。

本当に色々な思い出と、素敵な世界をくれました。サーガ完結にこれ以上ない作品です。シリーズのファンはもちろん、できれば、今からでもいいので頑張って全作観てから観てほしい。

歴史を目撃した作品でした。感想はここで切ります。じゃないと想いを伝えきれません。

MCU、3000回愛してます。

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