「デッドプール2」(2018)

  • 監督:デヴィッド・リーチ
  • 脚本:レット・リース、ポール・ワーニック、ライアン・レイノルズ
  • 原作:ファビアン・ニシーザ、ロブ・ライフェルド
  • 製作:サイモン・キンバーグ、ライアン・レイノルズ、ローレン・シュラー・ドナー
  • 製作総指揮:スタン・リー、ジョナサン・コマック・マーティン、ケリー・コーマック、イーサン・スミス、アディッティア・スード、レット・リース、ポール・ワーニック
  • 音楽:タイラー・ベイツ
  • 撮影:ジョナサン・セラ
  • 編集:ダーク・ウェスターヴェルト、クレイグ・アルパート、エリザベス・ロナルズ。ドッティル
  • 出演:ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン、モリーナ・バッカリン、ザジー・ビーツ、ジュリアン・デニソン、T・J・ミラー 他

X-menコミックの中でもキワモノであるアンチヒーロー、デッドプールの実写映画第2弾。

前作がコミック映画の在り方を変えてから、そのおかげか「ローガン」(2017)という傑作も生まれましたね。

主演は引き続いてのライアン・レイノルズ。そして今回は「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」(2018)では最強の敵サノスを演じたジョシュ・ブローリンがケーブルとして登場。

またあの「ハント・フォー・ザ・ウィルダーピープル」(2016)のジュリアン・デニソンも子供ミュータントとして出演しています。

監督はティム・ミラーが降りてしまったので、「ジョン・ウィック」(2014)の共同監督であったデヴィッド・リーチが務めています。

予告の頃から相変わらずのメタギャグにしょうもない下ネタなど元気いっぱいで、楽しみに見てきました。2D字幕での鑑賞ですが、若い観客がおおく結構混み合っていましたね。

デッドプールとなったウェイド・ウィルソンは、依頼を受けては凶悪犯罪集団などを皆殺しにする仕事を続けていた。

しかし、ある時殺し損ねたギャングが報復にと彼のアパートを襲撃し、その場にいたヴァネッサが巻き込まれてしまう。

最愛の人を失ったウェイドは、自身の死を望むのだが、超能力のせいで体がバラバラになろうとも死ぬことはできなかった。

自暴自棄な彼はコロッサスに保護され、X-men見習いとして人のために尽くすように言われるが、そこである少年にであう。

前作のアドバンテージであった、R指定のヒーロー映画、容赦ないメタ発言や下ネタ、真っ直ぐすぎる暴力描写いったものはフレッシュさを失ってしまいましたが、相も変わらずギャグを連発しまくる作品となり、デッドプールの喧騒は健在でした。

続編ともなると、というか今作は実際に予算が大幅アップされていますが、とにかく大きく多くするものです。

登場するキャラクターもそうですが、出てくるネタもこれまた大幅アップされています。

で、そうした状態が良い具合に働くことも「ジョン・ウィック チャプター2」のようにあることはあるのですが、今作に関していえば、残念ながら上手くいかなかったように感じます。

先ほど書いたように、相変わらずなデッドプールですが、多発するメタギャグや特にフランチャイズ関連のギャグには正直言って飽きてしまい、ただ疲れてしまって退屈でした。

キャラクターの数が増えて、超人的な人物が多く増えてきたことは確かですが、それぞれのキャラの特色も、見た目はありながらもドラマは薄く感じてしまいました。

まず、大きく打ち出されていたジョシュ・ブローリン演じるケーブルですけども、真にヴィラン的な位置ではないこともあり、わりとこじんまりとした感じで、初めからデッドプールとの戦いが無意味に思えましたね。

今作もいちおうは家族を失ったことや虐待を受けたことなどの共通項を、各人物に持たせているのですが、それがそこまで相互作用せずにドラマを盛り上げず、最後までノレなかったです。

ドミノ、その他Xフォースとして集められるのも、単に目配せとギャグのためでしかなく、正直ドミノ出せればあのリクルートシーンもまるまるいらないんじゃないかと思います。

各所に入れ込んだギャグやネタが、前作では笑わずに入られないウェイドのあまりに悲惨な人生を覆い隠す仕組みであったのに対し、今回は喪失に対してのカラ元気でもなく、ヴァネッサを失ったにしては口も減らないのが不思議に思えました。

ウェイドは結構ピュアな印象でしたので。

ヴァネッサ意外に心を開かずにいたウェイドが、すこしだけ他者に関わることを始めるドラマですが、今回のきっかけにあたる部分がどうしても引っかかってしまい、最後までもやもやしていたのも事実です。

ヴァネッサと言う非常に重要なキャラクターをあっさりと殺した上に、最後に生き返ってしまうのは、やはり死を軽くしてしまうので萎えるのですが、それ以上に今回ラッセルを助けようとする動機がイマイチだったと思います。

あれは結局、ヴァネッサの幻影がいうように人のために何かしなさいと言う事でした。しかしウェイドは結局、人助けによって心が正しいところに導かれれば、自分も死んでヴァネッサの元へ行けるという、あくまで自分のための行動でしかないのです。ラ

ッセルのことを想ってやっているのではなく、彼を救えば自分がヴァネッサに会える(と思っている)から。

自分本位過ぎる部分がいつ本当にラッセルのために変化したのか、そもそも変化したのか、したとしたらどのタイミングなのか描かれず、なんか表層的に滑っていくだけで納得できませんでした。

やりたいことは1とおんなじ。

心の傷を負った者同士が支え合って生きること。

しかし今作はそれをやりたくて脚本が独り歩きしていると思います。

その方向に持っていくために、都合よくドミノが同じ施設出身だったり、ほとんど「LOOPER ルーパー」のレインメーカーと同じ話のラッセルとケーブル、デッドプールの関係を作ったり。

最高のラブストーリーであった前作に比べると、動機も不明瞭で、邪魔かつ話に関わらず停滞させるギャグが多く、ファミリー映画として巧いものではなかったですね。

何にしても、一番残念なのは、デッドプールが独立したユニークさを失ったことです。

フランチャイズの異物として登場し、自分のスタイルを貫いてキャラを輝かせた前作に比べ、多くの映画ネタやコミックユニバース、カメオのネタを増やし過ぎることで、今作はどんどんとフランチャイズ性が高まってしまいました。

他の既成物に頼りすぎています。

ある意味で肥大化したコミック世界の映画手法に飲まれてしまった印象。デッドプールがMCUやX-men、DCEUなどに代表されるユニバースの一部に落ち着いてしまったというのがとても残念でした。

まさかデッドプールを楽しめないとは思ってなくて、正直見ながら退屈していて悲しかったです。

感想はこんなところでおしまいです。それでは。

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