「おとなの恋は、まわり道」(2018)
- 監督:ヴィクター・レヴィン
- 脚本:ヴィクター・レヴィン
- 製作:エリザベス・デル、ゲイル・ライオン、ロバート・ジョーンズ
- 音楽:ウィリアム・ロス
- 撮影:ジョルジョ・スカリ
- 編集:マット・マドックス
- 出演:キアヌ・リーヴス、ウィノナ・ライダー 他
「5時から7時の恋人カンケイ」などのヴィクター・レヴィン監督が、偏屈な二人の男女が結婚式に招待され手で会うことで始まるロマンスを描いた作品。
主演は「ジョン・ウィック」シリーズのキアヌ・リーブス、そして「ブラック・スワン」などのウィノナ・ライダーが務め、「50歳の恋愛白書」以来10年ぶりそして4度目の共演となります。
ロマコメとしては王道な展開でありながら、とにかく主演二人のキャラの偏屈で面倒なキャラクターが予告でも押し出されていたのを覚えています。
劇場鑑賞はしませんでしたが、今回Amazonプライムビデオにて配信を鑑賞しました。
原題となる”Destination Wedding”は結婚式を遠いリゾート地にて行うもので、いわゆるリゾート婚ですね。
空港で小型機の出発を待っている二人の男女。
男が気さくに話しかけるも、ちょっと隙をついて列に横入り。女はそれを厳しく非難し、男も負けじと嫌味で返す。
このフランクと、リンジー。出会いも最悪だが、なんと飛行機でも隣同士、さらに話を聞くと、お互いに同じ結婚式の招待者だったのだ。
リンジーは新郎の元カノで婚約までもしていたが捨てられ、フランクは母や義理の父、そして公然と義理の父が連れる愛人など家族関係につかれていた。
二人は悪態をつきながら周囲の人間の不幸を願い、運命の人などという幻想に唾を吐くのだが、互いに相手にだげ自分の傷を見せていく。
プロットに関しては王道なロマコメというか、最悪な形で出会い、いがみあう男女がなんだかんだで結ばれていくというもの。
完全に予想通りの、もはや見飽きたタイプの作品になります。
さてそうもなるとすればそのメインを務めるキャストと演出に関してがコアになってくると思うのですが、個人的には主演に関してはある程度好きですが、演出や脚本に関してはあまり好みではないです。
キアヌ・リーブスとウィノナ・ライダーの二人はそれぞれに頑張っていると感じます。
悪態のつき方からリンジーの不安定さとかクソがつくほど面倒なフランクなど、掛け合いはかなり長めなワンカットが多く、二人はそこでのケミストリーを見せています。
しかしお互いにかなり静かな感じでもあり、抑揚がないために長いカットが逆に退屈にも感じました。
そもそもの問題は脚本というかセリフの部分かもしれないです。
偏屈さにおいて性格を出すため、コメディにもなるのですが、ところどころにはクスッと笑える部分はあるものの、ひっきりなしなために飽きます。
また字面上はおもしろくとも、実際に会話として展開された時のリズムなどでちょっとつまらなく感じました。
そうなるとこの会話劇においては二人はミスキャストなのかもしれません。
主軸になるのは現代における人間との距離の曖昧さとか、引いているクールな立ち位置とナルシシズム、それに対比される愛や事故承認の欲求です。
これを掘り下げるにしても割と最後まで茶化していますし、であれば偏屈なままに一歩踏み出すことを容認するのかと思うと、そう描かれているとも思えませんでした。
主軸となる二人は傷つきたくなくてどちらも新しいことに進めなかったわけですが、この相手なら傷ついても良いと思ったきっかけも見えませんでした。
ほぼ二人だけ、会話だけで進む中であるとすれば会話がそこまでおもしろくなく、そして映像としての語りに関しても物足りない。
なんだかうまくかみ合っていない作品でした。
感想は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた。
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