「ドント・ブリーズ2」”Don’t Breathe 2″(2021)

「ドント・ブリーズ2」(2021)

  • 監督:ロド・サヤゲス
  • 脚本:フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
  • 製作:フェデ・アルバレス、サム・ライミ、ロバート・タパート、ロド・サヤゲス
  • 音楽:ロケ・バニョス
  • 撮影:ペドロ・ルーク
  • 編集:ジャン・コヴァック
  • 出演:スティーヴン・ラング、マデリン・グレイス、ブレンダン・セクストン3世、ステファニー・アルシラ 他

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フェデ・アルバレス監督が生み出したサイレントホラー「ドント・ブリーズ」の大成功を受け製作されたその続編。

前作のヴィランであった盲目の老人が今度は主人公になり、さらわれた少女を取り戻すために犯罪者集団と戦うアクションスリラーになっています。

主演は前作でも強烈な印象を残した、「アバター」などのスティーヴン・ラング。また老人に育てられている少女をマデリン・グレイスが演じています。

今回は老人主軸ということで前作主人公を演じたジェーン・レヴィは出ていません。

監督は「死霊のはらわた」や「ドント・ブリーズ」の脚本や製作をしてきたロド・サヤゲスが努め、今作が彼の監督デビューになります。

前作2016年から5年が経過していますが、前作時点で続編の構想があることはフェデ・アルバレス監督自身が明かしていました。

ただ実際に製作に進行するまでには時間がかかったようですね。

前作はそのアイディアとそこからくるすさまじい映画体験が大好きで、非常に楽しんだ作品です。今回続編が公開されると予告が出てから結構楽しみにしていました。

公開週末に早速行ってきましたが、緊急事態宣言も出ていたりするからかそこまで混んではいませんでした。

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盲目の老人の家に少年少女が侵入した事件から8年。

老人はある少女フェニックスを引き取り自分の娘として育てていた。彼女はサバイバルの術を老人から教え込まれ、訓練に励んでいる。

時々フェニックスは老人から許可されて街へと出かけるのだが、そこでは楽しそうに遊んでいる施設の子どもたちを見てうらやましく、そしていつか外の世界で自分も遊びたいと願い始めていた。

ある日、元軍人で構成された犯罪者集団が老人の家に侵入してきた。必死に抵抗を試みるも、フェニックスは一味にとらえられ誘拐されてしまう。

家を焼かれてしまった老人は、残されたわずかな武器を手にし、フェニックスを取り戻すために犯罪者集団を追い始める。

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前作はアイディア勝ちというか、素晴らしい発想をもって創意工夫をすることでユニークな体験を生み出すことが証明された作品でした。

で、個人的にはそこには続編の余地はなかったように思いました。

一度のアイディアに対して、そのテーマ性に基づいた続編を展開できるかは大切だと思いますが、今作は正直なところキャラクターを狩りながらも別物へと変容した作品だといわざるを得ません。

前作は音をたてることで敵に気づかれてしまうこと闇という要素をシンプルに活かしながら、実際にはあの家を舞台に若者が外へ脱出することを根底に置いていたと思います。

荒廃したデトロイトの中で、出口を探した少女の話としても観れましたから。

ただ今作はテーマの拡張や継承はありませんでした。アクションとバイオレンスを増幅させた別のジャンルになっている。

そのスリラーやスプラッタは良いにしても、何にしても「ドント・ブリーズ」の続編であることに意味が感じられなかったのが残念です。

引き継いだのは老人。まあ彼自身のキャラが強い点もありますし、根幹の要素ではあります。しかしその目が見えないという要素がそこまでいかされない。

というか目が見えないという割には普通に動けてしまっていたり、主人公になっているために観客が息を殺すような緊張感もないんです。

むしろ老人視点でスリラー展開を行うなら、もっと何も見えない中で狩りの対象になる怖さを出したりすべきです。

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ただ思い切って盲目の殺人マシンというキャラクターを押し出したおかげで、バイオレンスは大幅に強化されていますね。

アイディアに関しても豊富でした。「ドント・ブリーズ(息をするな)」の文字通りの接着剤の使い方とか、庭仕事とか。予告でもありましたが水に伝わる波紋からの銃撃もクールな演出です。

また第一幕である老人の家におけるフェニックスの逃走劇などはワンカット風に見せていく長回しによる緊迫感を出していたりと技術的な面での挑戦も見えます。

同じことの繰り返しなどで起きてしまうような冗長さは回避できていると思いますが、しかし盲目であることを活かしてというのは2幕目で少し出るのみ。

もっともっと音を使ってのバイオレンス展開を見せてもいいかもしれません。

建物の内部構造とかも今作ではあまり意味を持たなくなってきたこともあり、規模とか派手さが上がった分、どこか肝を外してしまったというか、ドント・ブリーズの続編なのか微妙な印象。

最終的には家族という要素をもってドラマを展開していくことになる作品。血のつながりのある家族と自分を守ろうとする血のつながらない存在。

というと「GOTG vol.2」とかも思い起こしますけれど・・・

総じて売り出せるキャラになった盲目老人を使って作ったバイオレンス映画という位置づけで、スティーヴン・ラングの存在感や好演をもってしてもなんともあいまいかつ荒唐無稽になりすぎた作品でした。

前作がすごく好きであったので観ましたが、人によっては前作が好きだからこそ名前だけ借りた別物すぎて許せないという可能性もある作品なのでご注意を。

今回はあっさりとした感想です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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