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「SAND LAND サンドランド」”Sand Land”(2023)

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「SAND LAND サンドランド」(2023)

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作品概要

  • 監督:横嶋俊久
  • 原作:鳥山明
  • 脚本:森ハヤシ
  • 制作 サンライズ、神風動画、ANIMA
  • キャラクターデザイン:菅野利之
  • メカニックデザイン:山根公利、帆足タケヒコ
  • 音楽:菅野祐悟
  • 出演:田村 睦心、山路 和弘、チョー、飛田展男、鶴岡聡、杉田智和 他

「ドラゴンボール」や「Dr. スランプ」などの名作漫画を送り出してきた鳥山明が、短期集中連載で作り上げた漫画を長編アニメ映画とした作品。

監督は中編の「COCOLORS」によりファンタジア国際映画祭にて最優秀賞獲得、今作が初めての長編アニメ監督となる横嶋俊久。

声の出演は悪魔の王子ベルゼブブを「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」エルメェ役などの田村 睦心、保安官ラオは洋画界隈ではステイサム兄貴の声でお馴染みの山路和弘。

原作の漫画は2000年に連載されていたもので、存在は知っていましたが読んだことはありませんでした。

正直23年も経ってから映画化するという発表には驚きましたが、劇場での予告などを観ていて、もともと鳥山明先生の絵柄が好きなので興味がわきました。

ちょうどサービスデイで安く鑑賞できる機会があったため観てきました。

夏休みではあれど平日とあってそこまで劇場は混んでいませんでした。

「SAND LAND サンドランド」公式サイトはこちら

~あらすじ~

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水不足にあえぐ世界”サンドランド”。

人間も魔物も枯渇してしまった水を得るために苦労しているが、その一方で国王は水を高値で取引し莫大な利益を上げていた。

村々の水不足解消を任された保安官のラオは、国王軍の補給部隊を襲い奪った水を人間に分けてくれた魔物のことを聞く。

ラオは広大な砂漠のどこかに、”幻の泉”があると信じ、その捜索の旅に魔物の協力を求めた。

旅にはどこか幼稚な悪魔の王子ベルゼブブ、老人のシーフが同行することに。

人間と魔物の間の溝を感じつつ、ラオは国王軍との接触から自身の過去と向き合っていく。

感想/レビュー

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原作は未読、鳥山明先生の画とか世界観が好きだという理由で鑑賞した身ですが、想像以上に面白く素晴らしい作品でした。

この漫画は2000年に出されていたということで、それを23年もたってから映画に落とし込んだという点には、はじめ疑問もありました。

しかし、なるほどまさに今の我々に必要な物語なのかと思います。

このディストピア的な世界を舞台にした広大な鳥山ワールドには、純粋な善き魂への呼びかけが込められているのです。

全開鳥山ワールド

メカに魔物(モンスター)に特徴的な人間のキャラクター、そして広がる砂漠や岩場。

もともと鳥山先生の画自体は好きなので、ビジュアルとしてはあのデフォルメと描きこみが良いバランスで両立した楽しさ宿る世界が見れて幸せです。

さらにそれが立体的なアニメーションをもって動いているということで、まさに躍動して生きている世界として最高でした。

今回ラオたちが乗り回し、もう一人の主人公といってもいい戦車。

丸いフォルムという現実の戦車とは違うデフォルメを施されながらも、そのメカニカルさや内装の細やかさはマニアである鳥山先生らしい。

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キャラクターたちが細やかに各部を操作するアクションの小気味良さ。

隠しスイッチとかある手順を踏まないとエンジンがかからない仕様の戦車。

そのアクションのスムーズさからラオの切れ者感や軍歴を示唆してしまうのも語りとして巧いです。

ゲジ竜からの逃走劇ではアドベンチャー冒険、ベルゼブブと虫人間たちのアクションにはドラゴンボール的な激しさを見せています。

全体に広がる鳥山ワールドが隅々まで堪能できるアニメーションです。

子どもじみた純粋さ溢れるギャグ

また今作はコメディとして、ギャグ要素も多く展開します。

ストーリー上結構重苦しいことや憤りを覚える不正義も繰り出されるのですが、ベルゼブブとシーフの幼稚な小競り合いや彼らとラオのギャップでたびたび笑わせてくれるため軽快です。

こういう点はすごく敷居が低めになってくれます。

ブラックジョークや下ネタ、サタイア的なところでのシニシズムにも傾倒せず。

変に大人びてなくて、すごく見やすいと思いました。

純粋さゆえの幼稚さっていうところに、今作の肝になる清らかさも込められていると思いますし。

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重要なのはベルゼブブのような純粋さです。

シンプルといっていい思考により、決めつけて行動はしないけれど、とっても悪いやつがいればぶっ飛ばすことはいとわない。

それでも殺しはしない。

真実の見にくい世界で、対話をする

サンドランドには差別と偏見が横行しています。

魔物だからという差異を利用して、悪事、悪いことを彼らのせいにしている。

その思考はばらまかれた偏向思想であり利用されている。

偏向は権力により報道の形で生み出されています。

ラオたちを囲いこむための嘘の情報、フェイクニュースでした。

権力により情報が操作され、大罪を背負わされたラオはさらに搾取されていく。

分断を煽り資源を奪い合い・・・

利益のため大きな壁を作ってさらに報道すらも操作する。

決してファンタジックな世界だけの物語には思えません。

このアクセスの良さと楽しさのなかで、今いる自分たちの世界にもう一度問いかけを促しています。

ラオとベルゼブブのように、対話をしなくては。

そしてそれは表面上だけではいけません。単なる外交的な会話じゃダメです。

劇中ではテレパシーが出てきます。

互いに信じ合うことでベルゼブブとラオはその能力を得る。まさにこれが大切。

彼らのように心でつながる必要があるのです。

楽しいアニメ、完成された世界観の中で、これこそ今必要なことが詰まった作品でした。

多くの子どもたちに観てほしいですし、大人もここから改めて純粋な魂を取り戻さなくてはいけません。

今回の感想はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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