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「ドラゴンボール超 ブロリー」”DRAGONBALL Super Broly”(2018)

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dragon ball super broly film 映画レビュー
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「ドラゴンボール超 ブロリー」(2018)

dragon ball super broly film

作品解説

  • 監督:長峯達也
  • 脚本:鳥山明
  • 原作:鳥山明
  • 音楽:住友紀人
  • 主題歌:三浦大知「Blizzard」
  • 撮影:元木洋介
  • 編集:後藤正浩
  • 出演:野沢雅子、堀川りょう、島田敏、古川登志夫、中尾降聖、水樹奈々、杉田智和、久川綾、山寺宏一、宝亀克寿 他

大人気漫画「ドラゴンボール」シリーズの劇場第20作品目となる作品であり、新たにスタートしていたTVアニメシリーズ「ドラゴンボール超」タイトルとしては初めての劇場版作品。

監督は「ハートキャッチプリキュア!」などの長峯達也。長峯監督は主に短編作品が得意なようですね。なお今作は日本アカデミー賞にて最優秀アニメーション賞にノミネートしています。

声の出演はおなじみの孫悟空を野沢雅子、ベジータを堀川りょう、そしてタイトルにもあるブロリーを、「ドラゴンボールZ」の劇場版にても同名キャラを演じていた島田敏が再び務めます。

島田敏さんと言うと、私は「スター・ウォーズ」シリーズのルーク・スカイウォーカーの吹き替えで、子供のころから好きなんです。

レビューは遅くなりましたが、劇場公開時にすぐ観に行き、年明け1発目も観てきたくらい気に入っている作品です。

~あらすじ~

dragon ball super broly film

その昔、戦闘民族サイヤ人はフリーザ軍の配下として宇宙の星々を侵略していた。

その中に、とてつもない戦闘力数を持った赤ん坊ブロリーがいたが、強大すぎる力に恐れをなしたベジータ王によって辺境の惑星へと飛ばされてしまう。

後を追ったのは、ブロリーの父パラガス。彼はブロリーとその辺境の星から抜け出せなくなったが、ベジータ王への復讐心だけを胸に生き延びた。

そして時は流れ、サイヤ人の生き残りである孫悟空/カカロットとベジータ王の息子ベジータ王子の前に、ブロリーとパラガスを連れたフリーザが現れた。

パラガスの復讐心をよそに、カカロット、ベジータそしてブロリーの中で、戦闘民族の血が騒ぎだす。

感想レビュー/考察

dragon ball super broly film

まず観終わって、純粋に楽しかったなあと思います。突き抜けた作りで考えることも少なくとことんライドしていくような作品です。

構成自体も非常にシンプルで、前半半分を使って、サイヤ人とフリーザ、そして悟空、ベジータ、ブロリーの3人の運命を描き、そこから再開と戦闘開始までドラマ部分の組み立てをすべて終えてしまいます。

観終わるとめちゃくちゃ戦っていた気もするのですが、実質上映時間の半分ほどはドラマ。

ただ、戦闘が始まればそこには新しいドラマ展開を用意していないので、ただ没入すればいいだけになっているのは、巧い作りと思います。

ドラマに関しても悟空とベジータはリアクションに徹し、彼らの新たな局面はありません。

とことんブロリーを囲むお話になります。その時誰に注目すればいいのかはっきりしていますね。

dragon ball super broly film

そして後半に入れば、なるほどドラゴンボールと言えばこうだろうという怒涛のアクション格闘が続きます。

しかし、ここでただ殴り合っているのではなく、適度な緩急と徐々に重ねる構成があり、乱雑でうるさいだけの戦いにはなっていませんでした。

ひとつは作画にあるのですが、映画内でトーンの切り替わりがあります。つまり絵柄が若干変わるのです。

同じ戦闘と言っても、ベジータVSブロリーと悟空VSブロリーではトーンが異なり、また同じく悟空とブロリーが戦っていてもその状況で作画に変化が起きています。

影が濃く、コントラスト強めでシリアスなトーンでベジータとブロリーが戦い、クールさだけではなくブロリーという驚異的な存在を示す最初のバトル。

ベジータがブロリーの力を試しながらも、最終的には超サイヤ人ゴッドになり戦いに見切りをつけるので、全体にキレの強い作画です。

これは後のゴッド悟空とブロリーの戦闘でも同じで、その場合には暴走するブロリーに対する若干の恐怖にもつながります。

dragon ball super broly film

しかし初めの悟空VSブロリーでは少し線が柔らかいものになり、ゆがみも普通にそのまま描写された形でバトルが展開。

ここでは高揚感や楽しさが押し出され、二人がどんどんとヒートアップするところに注力させます。

最終決戦におけるゴジータとブロリーでは、筆画のような筆圧と伸び、力強さが加わり、ブルーゴジータの神を凌駕する力がタッチに現れていました。

それに戦闘描写自体もしっかりと組み立てを見せるところ、スピード重視と使い分けられていました。

CGを織り交ぜることでできるワンカットのような、長い一連のコンボを見せるシーンもあり、POVでの戦闘描写などフレッシュな場面も。

ステージチェンジもありますし、変化がある戦闘なので戦ってばっかという事実に対して本当にバリエーションが豊かです。

しかも、後半戦には途中フュージョンシーンがあり、超化したブロリーの暴走っぷりで深刻になりそうなところに上手くコメディを挟んでいるというのも観やすくていい。

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そんな見事な構成やアニメーションとしての素晴らしさに魂をくれているのが、悟空、ベジータ、ブロリーを演じる声優陣。

製作時点で悟空を演じる野沢さんは80代、堀川さんも島田さんも60代です。こんな激しいシニアバトルがあるかというものです。

劇場での島田さんブロリーの雄たけびは、本当に体が震えますし、ブルーに変身する際の悟空とかやはりカッコいいんですよ。

うるさいと言われればそうかもしれないですが、雄たけびと打撃音、エネルギー派の効果音はドラゴンボールのシンボルみたいなものです。

call-me-kakarot

3人のサイヤ人はそれぞれの運命を超えました。従属する民族の王、下級戦士、そして処刑される者。

全てを超えるのはただ、目の前の相手より強くなるという意志。それだけです。

でもそれが戦闘民族サイヤ人。サイヤ人は可能性そのものであると考えれば、運命も宇宙の意思も何も関係なく、純粋に高みを目指す姿は清々しいもの。

カカロット、ベジータ、ブロリー。それぞれがまだまだ先を目指す限り、ドラゴンボールというアニメにも限界はないのかもしれません。

濃厚なドラマはないですが、肉弾格闘描写や加速していくバトルを見せつけ、”らしさ”を示す目的のはっきりした作品です。

そういう意味では非常に職人的な作品ではないかと思います。

感想はこのくらいです。2Dアニメってあまり観なくてなかなかどう観ればいいか分からないですが、今作は気に入っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた次の記事で。

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