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「三人の狙撃者」”Suddenly”(1954)

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映画レビュー
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「三人の狙撃者」(1954)

  • 監督:ルイス・アレン
  • 脚本:リチャード・セイル
  • 製作:ロバート・バスラー
  • 音楽:デイヴィッド・ラクシン
  • 撮影:チャールズ・G・クラーク
  • 編集:ジョン・F・シュライヤー
  • 出演:フランク・シナトラ、スターリング・ヘイドン、ナンシー・ゲイツ 他

この作品は鬼気迫る暗殺ものでありながら、私にとっては狂った人間の殺しの欲求にもみえるものです。

見たのは結構前ですから細かな内容はちょっとぼやけていますが、シナトラの邪悪な笑顔や恐ろしい目は今でも印象に残っています。

この作品の影響から、あの有名な「影なき狙撃者」が発表、同じくシナトラ出演で映画化もありました。このころの映画としては、しかもギャングものでなく、ここまで非倫理的なものは衝撃的じゃないでしょうか?

50年代のアメリカ。田舎町のサドンリーを大統領が訪れることになった。

平和な田舎町と言えど、警備は厳戒を極める。地元警察にシークレットサービスまで動き、サドンリーは騒がしかった。

ここに住む元シークレットサービスのポップ、義理の娘エレンと孫にあたるピッジの家に、三人の男がやってきた。彼らはFBIで、大統領訪問の警備に際し、ポップの家を調査するというのだ。

しかし、この三人は何か不穏な空気である・・・

人質事件、暗殺計画もの、そして密室劇とも取れる今作。

のっけから一人撃ち殺すその唐突さはまさにSuddenly(突然)でしょう。喉かな空気に入るこの悪玉たち。緊張感が良いですね。

この町での出来事、そしてメインはやはりポップの家なのです。ほとんど密室の中で、親子が暗殺者たちと渡り合う。英雄になるか悪に屈するか、出し抜きと監視がぶつかり合う面白さです。

私はやはり、どんな作品であれ子供が銃を持つというのに底知れぬ不安と緊張感を持つので、孫のピッジが繰り出すおもちゃと実物のシーンはヒヤヒヤしました。

この映画。一般家庭に押し入る犯罪者、子供と銃などかなりギリギリな描写が多いですが、やはり一番はこの暗殺者の一人、シナトラ演じるジョン・バロンに魅力があります。

白黒ですがね、あの青く綺麗な目のシナトラですよ。

彼は陽気で気さくな人物が良く似合うのですが、この映画ではとにかく怖いです。いわば精神異常犯罪者というか、この件に対して使命感と快楽性を見ているのです。

ですから他の2人を押さえつける威圧感や、邪悪な笑みを浮かべながら卑劣なことをする姿が抜きんでています。

「色々殺したことはあるが、大統領は初めてだ。」

契約という動機を良いことに、狩りのようにこの殺しを楽しむ発言が恐ろしくステキです。

話を長引かせにくいためか、70分程の尺です。リアルタイムではないですけど、緩まない緊張はお見事です。

爽やかで素敵な男シナトラが見せる、狂気の笑みと残忍な目。彼の確かな演技をぜひ見てほしいものです。

そんなところでおしまい。それではまた。

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