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「シンドバッド黄金の航海」”The Golden Voyage of SINBAD”(1973)

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映画レビュー
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「シンドバッド黄金の航海」(1973)

  • 監督:ゴードン・ハッセル
  • 脚本:ブライアン・クレメンス
  • 製作:チャールズ・H・シュニア
  • 音楽:ミクロス・ローザ
  • 撮影:テッド・ムーア
  • 視覚効果:レイ・ハリーハウゼン
  • 装置:ジョン・ストール
  • 出演:ジョン・フィリップ・ロー、キャロライン・マンロー、トム・ベイカー 他

「7回目の航海」(1958)からかなり空けての続編です。

とはいっても、シンドバッド船長が冒険し、様々な苦難やモンスターを乗り越えるというところのみ継承で、役者もちがいますけど。シリーズと言いますが、話が続いているわけではないです。

今作もハリーハウゼンがモンスターのダイナメーションを手掛け、なかでも女神カーリー像は彼の作品中トップクラスに人気がありますね。

海を渡るシンドバッドたちの船に奇妙な鳥が近づく。矢を放つと黄金の刻盤を落としていった。

マラビア国へと着くシンドバッドだが、先ほどの刻盤の持ち主だという魔導師クーラの襲撃を受ける。難を逃れたシンドバッドは、国王亡きあとを任されたビジエルに出会い、彼もまた黄金の刻盤を持っていることを知る。

ビジエルはクーラにより酷い火傷を負わされており、クーラは全部で3つある黒板全てを集め王国をわがものにしようとしているのだ。

かくして、黄金の刻盤をすべて揃え、クーラの野望を阻止するための新たな公開が始まる。

シンドバッド演じるジョン・フィリップ・ローのハマりっぷりと良い男感も素晴らしいですし、悪の魔導師のトム・ベイカーも鋭い鼻と邪悪さを出せる目が良いです。接写に十分対応。

とりわけ光るのはヒロインポジションのキャロライン・マンロー。

色気がすさまじい・・・胸を大胆にはだけるセクシーな衣装も多く、紅一点役に余りある印象を残します。分かりやすく言えばエロいのです笑

ハウゼンの特撮ダイナメーションはここでもいかんなく発揮されています。

最初からでずっぱりのホムンクルス(蝙蝠みたいな)は巨大生物を実現する特撮でなく、小型のものとして画面で活躍し、クーラの手に乗ったり、ちょこまかと動き回ったり。

そして船の像が動き出す特撮は、あの無表情さと動くたびに鳴る木がきしむ音が不気味です。生物でなく、何かが憑りついて動き出す恐ろしさは、やはりCGより特撮の方が良いですね。

無機なものが有機的に動こうとするわけですから。

そしてなんといっても目玉のカーリー像。インドの神様でしたっけ?

6本の腕を動かすダンスに、シンドバッドたちとの剣劇はお見事です。滑らかでリアル、傑作と呼ぶにふさわしい出来ですね。

モンスター同士のバトルもまた見られます。ケンタウロスとサイクロップスが混ざったようなのと、グリフォン?みたいなやつの戦い。

これ自体はおもしろいんですが、この2体に関しては説明不足ですね。前者は生贄を食らうモンスターでしょうか?グリフォンの方は突然出てくるのでよくわかりません。

バトルのために入れたからか、ロジックが混乱しています。

最後はクーラとの戦いなんですが、透明人間との戦いです。剣が消えないのはさすがにわけわからなくなるからでしょうか?

冒険劇としては勧善懲悪で裏切りとかひねりはないですね。

国を得る力をシンドバッドはビジエルに与え、自身は航海の人生を選んで去っていきます。彼にとっては一点にとどまるような宝物はいらないんでしょう。

それよりもどこまでも共に行ける、愛するマルギアナこそ彼の得た宝物。

すっきり観終わる良い尺の冒険もの。船首の像、カーリー像は必見の特撮だと思いますので、興味があれば是非。子供たちには一度通ってほしい映画でした。

それではこのへんで。また。

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