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「バットマン オリジナル 劇場版」”Batman The Movie”(1966)

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batman the movie 1966 映画レビュー
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「バットマン オリジナル劇場版」(1966)

  • 監督:レスリー・H・マーティンソン
  • 原案:ボブ・ケーン
  • 脚色:ロレンゾ・センプル・ジュニア
  • 製作:ウィリアム・ドジア
  • 音楽:ネルソン・リドル
  • 撮影:ハワード・シュルツ
  • 出演:アダム・ウェスト、バート・ワード、リー・メリウェザー、セザール・ロメロ、フランク・ゴーシン、バージェス・メレディス 他

batman the movie 1966

DCコミックのヒーローバットマンのテレビシリーズが劇場版となった作品。

その後劇場版として色々なバージョンが生まれますが、こちらはどれと比べても、コミック寄りで明るくカラフル。

主役のバットマンはTVシリーズからそのままアダム・ウェストが務め、ロビンのバート・ワードも同じく。

また監督もTVシリーズを手掛けたレスリー・H・マーティンソンです。

アダム・ウェストはファンの間では最高のバットマンとも呼ばれ親しまれました。彼が亡くなったのは本当に悲しかったですね。

実はTVシリーズは断片的に観たような記憶が薄っすらあるくらい。

こちらの劇場版は親の勧めで観てみました。

batman the movie 1966

ゴッサムを守るヒーロー、バットマンは、相棒のロビンと共に救難信号を受けて海上救助に向かう。

しかし、彼らの目の前で船は忽然と消え、バットマンは待ち構えていたサメに襲われてしまうのだった。

ゴードン警視らと今回の件について話すなかで、バットマンはスーパーヴィランであるジョーカー、ペンギン、リドラー、キャットウーマンの4人が結託していると推理。

彼らは船長をさらった上、積み荷であった液体と気体を自在に入れ換えるマシンを奪ったのだ。

恐ろしい機械で世界を狙う悪人たちに、バットマンとロビンが立ち向かう。

batman the movie 1966

ティム・バートンがゴシックを入れ、クリストファー・ノーランがダークテイストを盛り込み、DCEUにてはクロスオーバーを果たすバットマン。

この作品はそれらの源流にあり、実写映像としてのバットマンの元祖となります。

「レゴ・バットマン・ムービー」でも多くのリスペクトが捧げられた本作ですが、おそらく後発バットマンから振り返って観てみると、いろいろな楽しさもあるでしょう。

正直言って、時代や技術のせいもあるでしょうが、おかしな作品です。

突っ込みどころは満載の描写に脚本。ネタになっていくのも分かります。

バットマン印のサメよけスプレーってなんだよと。

そもそもルックだけで言えばダサいと思うこともあるでしょう。

盛大なコスプレ大会に思えます。

batman the movie 1966

ただ私は今作のもつカラフルさや賑やかさ、どこまでも続くアドベンチャーのワクワクが好きです。

次々に出てくるマシン、その移動や謎解きにアクション。

派手なCGもアクションもないですが、バットマンのメカがこれでもかと出てきてくれますし、それぞれのデザインもコミック的かつカッコいい。

バットモービルとか、バートン版くらい好きなデザインです。

それに、バットボートの出動シーンとか、ワンカットで乗り込んでから水上をぶっ飛ばしていくところまで長回しで見せてくれ、ダイナミックさがあり頑張っています。

実際今作にでてくるマシンはどれも本物、実際に走り飛び水上を滑る。

これでもかとヴィランシーンはカメラが斜めだったり、飽きさせないような努力が感じられ、もろわかりな壁を登るシーンでの映像トリックも、それは映像を愛する心が感じられて愛らしい。

これは何かメッセージを伝えることではなくて、人を楽しませる、創造を見せたい作品なんだと、伝わってきます。

batman the movie 1966

ヴィランはみんな騒がしく、それはバットマンとロビンのクールさを引き立てます。

それに、ロビンのちょっとのろけてるバットマンへのリアクションがおもしろかったり、キャラの距離感とかはとてもいいですね。

何よりも、最初は観てて恥ずかしくすらある恰好のこのバットマンが、最後にはカッコよく、そして愛しくなりました。

爆弾サメを気の毒に思い、助けてくれたイルカに感謝する。

カモが泳いでいるからと爆弾を捨てられないバットマン。

「どんな命も犠牲にできない。」

「酔いどれでも人間だ。彼らこそ救われるべきなんだ。」

アダム・ウェストのバットマンは真っ直ぐな正義の人です。彼には恥ずかしさなんてない。

ヒーローらしいことを素直に言えるヒーロー。最近は少なくなってきていると思います。

batman the movie 1966

言語もごちゃ混ぜになるラストですが、これってまさにモノづくり、世界作り。

出身国、文化、言語、いろんな背景を持ったいろんな人が、カラフルでユニークなキャラクターをたくさん生み出し、そこに色々なメカやアイテムを盛り込んで映画を作っていく。

そうして出来上がったこのバットマンのなんと楽しいことでしょう。

バートン版、ノーラン版、そしてDCEU。

今見ればこのバットマンは滑稽かもしれません。

それでも私としては一番大事なものを持っているバットマンで、アダム・ウェストは本当にカッコいいと思っています。

いまだ根強く愛されるのもわかる魅力。

どんな時代になっても輝けるのは、優しさと正しさ。

バットマンが好きな方は一度でいいから見てほしい作品です。

感想はこのくらいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次の記事にて。

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