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「セキュリティ・チェック」”Carry-On”(2024)

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「セキュリティ・チェック」(2024)

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作品解説

  • 監督:ジャウム・コレット=セラ
  • 製作:ディラン・クラーク
  • 製作総指揮:ブライアン・ウィリアムズ、ホリー・バリオ、ジャウム・コレット=セラ、セス・ウィリアム・マイヤー、スコット・グリーンバーグ
  • 脚本:T・J・フィックスマン
  • 撮影:ライル・ビンセント
  • 美術:ダイアン・リーダーマン
  • 衣装:シェイ・カンリフ
  • 編集:フレッド・ラスキン、エリオット・グリーンバーグ
  • 音楽:ローン・バルフェ
  • 出演:タロン・エドガートン、ジェイソン・ベイトマン、ソフィア・カーソン、ダニエル・デッドワイラー、テオ・ロッシ 他

「フライト・ゲーム」や「トレイン・ミッション」などのサスペンスを展開し、「ブラックアダム」でスーパーヒーロー映画を撮ったジャウム・コレット=セラ監督が、テロリストに協力させられる窮地に陥った空港の保安検査員を描くサスペンスアクション。

主演は「ロケットマン」などのタロン・エドガートン。また「ティル」のダニエル・デッドワイラーが捜査官役で出演。テロリストの役には「AIR/エア」などのジェイソン・ベイトマン。

今作はネットフリックス配信となる作品で、日本では12/13から配信公開されています。新着リストに上がっていたので早速鑑賞して観ました。

~あらすじ~

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クリスマスの空港。一年で最も多くの人々が空港に押し掛ける、非常に忙しく気の抜けない日。

警察官志望で運連をしていたものの、不合格となり今は空港の警備員をしているイーサン。妊娠中の彼女のため、産まれてくる子どものためにイーサンは昇進しようと必死になっている。

これまでまじめに働いてこなかった彼であったが、熱意を受けてボスは1日だけ荷物検査場への配属を許す。

しかし、検査場で彼は紛失物と思われるイヤホンを渡されるが、そこから聞こえてきたのは彼を監視し脅迫する謎の人物の声だった。

その人物は彼に、ある手荷物をどんな脅威が検知されても見逃すように命令する。さもなければ、イーサンの彼女や友人たちの命はないと。

感想レビュー/考察

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往年のホリデー映画を彷彿とさせる懐かしさ

クリスマスに空港で。テロリストを相手に、味方がいない中で一人奔走する。なんとも聞いたことのある雰囲気です。

「ダイ・ハード2」を現代に蘇らせ、さらに通信を受けながらの行動は「スピード」や「フォン・ブース」も感じられます。今はもうハリウッドが作らなくなってしまった、家族や友人たちと囲んでゆっくり見ていけるシンプルなエンタメ。

そんなどこかノスタルジックな、一昔前のサスペンスアクションを感じられるのが、今作の魅力でしょう。

取り扱うのはバイオ兵器であったり、犯人の狙いはロシアの神経ガスをあえて使うことでロシアへの敵意を醸成し、アメリカ国内の法制度の変革をうまく進めようとすることであるなど、脚本にツイストは効いていますが、今作においては別に犯人の動機や狙いがフォーカスではありません。

主人公のイーサンが、いかに、どうしようもない男だった地点から、孤軍奮闘して彼女に認められる男になるかが大事なのです。

やるときはやる男を演じたタロン・エドガートン

主人公のイーサンはマクレーン刑事とは性格は異なりますが、その鋭さはさすが警察官であったという点で保管されています。

イヤホンから漏れ出てくる犯人側の背景で鳴る音にしっかりと反応し、指示を聞きながらも反抗して相手側を突き止めて絞り込んでいく。

主人公が一方的にやられていくのではなくて、自分なりの創意工夫で、リスクを抱えながらも反撃しているからこそ見ごたえがあります。

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序盤はタロンも苦労していそうですね。ほとんどのシーンにおいて彼はイヤホン越しにジェイソン・ベイトマンの声を聴いているだけです。

どうやら実際に数日間はジェイソンが現場にいて、タロンと一緒に話しながら演技をし、録音していたそうです。

それでも相対しているわけではなく、声だけでのなかで、しかも荷物検査レーンという限られた空間でのやり取りでサスペンスを展開するのは、演技も演出もしっかりとしていないと機能しなかったでしょう。

舞台も展開も大きく変えて、飽きさせない

序盤の通話劇が長引かないうちに、外部のロス市警の刑事の物語も動き始めています。イーサンが犯人の男を特定して動き出せば、刑事側も犯人グループの目的解明に向けて走る。

2ラインが生まれながらも、完全に別のことをせずに統合させているので見やすいです。

途中の車内格闘+大事故シークエンスはワンカット風に作りこまれていて、激しい動きのなかった本作の中盤の盛り上がりとして貢献します。

終幕で犯人を追い込んだかと思えば、また一転して飛行機内での最終決戦。

事情を知らない周囲の人たちに誤解されながら、孤独に戦う男。外に別の捜査官。終わったと思ったらまた1展開残されている。こういうオーソドックスな構成で、緊張感を保って楽しませてくれるエンタメこそ、この年末にふさわしい。

最後には警官隊が到着。赤と青のパトランプが照り付ける中で、主人公とヒロインが毛布を掛けられ救急車のバックで座り込む。なんかノスタルジーを感じる終わり方でした。

最近見なくなってしまったサスペンスアクションで、このホリデーシーズンにゆったりと家で楽しむにはとてもいい作品でした。

今回の感想はここまで。ではまた。

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