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「クレイヴン・ザ・ハンター」”Kraven The Hunter”(2024)

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「クレイヴン・ザ・ハンター」(2024)

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作品解説

  • 監督:J・C・チャンダー
  • 製作:アビ・アラド、マット・トルマック、デビッド・ハウスホルター
  • 製作総指揮:アート・マーカム、マット・ホロウェイ
  • 原案:リチャード・ウェンク
  • 脚本:リチャード・ウェンク、アート・マーカム、マット・ホロウェイ
  • 撮影:ベン・デイビス
  • 美術:イブ・スチュワート
  • 衣装:サミー・ディファー
  • 編集:クレイグ・ウッド
  • 音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
  • 出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、ラッセル・クロウ、アリアナ・デボーズ、アレッサンドロ・ニヴォラ、フレッド・ヘッキンジャー、クリストファー・アボット 他

マーベルコミックの人気キャラクターであり、スパイダーマンの宿敵としても知られるアンチヒーロー、クレイヴン・ザ・ハンターを主人公に描いたアクション映画。

主演は「キック・アス」や「TENET テネット」で知られるアーロン・テイラー=ジョンソン。クレイヴンの父親役をラッセル・クロウが、ヒロインのカリプソ役を「ウィッシュ」のアリアナ・デボーズが演じます。

監督は「トリプル・フロンティア」「アメリカン・ドリーマー 成功の代償」のJ・C・チャンダー。

今作は素手で猛獣を倒す驚異的な身体能力と鋭敏な五感を駆使するクレイヴンが、その力を手に入れ最強のハンターとして悪名を轟かせるまでのオリジンとなっています。

コミック原作のクレイヴンについては全然知らないのですが、単純に監督が好きだし、主演のアーロン・テイラー=ジョンソンも良い俳優なんで、その点だけで興味を持っていました。

スパイダーマンのヴィランって本当にかずが多いのですね。ある意味でソニーのおかげで彼らが実写映画の場を得る機会になっているのでしょう。

公開初週の土曜日にすぐ観に行ってきました。IMAXで観たのですが、休みの日にしてはあまりにも人がいなさ過ぎてちょっと心配になる回でした。

「クレイヴン・ザ・ハンター」の公式サイトはこちら

〜あらすじ〜

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幼い頃、裏社会の支配者である父とともに狩猟に出かけた際、巨大なライオンに襲われたクレイヴン。この出来事を機に彼は「百獣の王」の力を手に入れる。

父親が世界にもたらした悪を清算することを心に誓ったクレイヴンは、金儲けのために無意味に動物を殺す人間たちを次々と狩り始める。

一度狙った獲物は執念深く追い続け、必ず自らの手で仕留める彼だったが、”ハンター”としておそれられる彼の存在は、確実に敵を増やしていった。

そして父のもとに残してきた、クレイヴンにとって唯一大切な弟にまで、悪の手が伸びてしまう。

感想レビュー/考察

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始まりと共に終わりかも・・・

ソニーが展開している、いうなればソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)。

スパイダーマンを中心にあれこれやりながら、肝心のスパイダーマンは全くでてこないし絡むことができない。

いったい何を拡張しているのかよく分からない作品群ですが、「ヴェノム」は独自に高評価を得てシリーズとなりました。

このクレイブンというキャラクターもヴェノムなどのように、スパイダーマンの敵(ヴィラン)の一人だそうです。つまりこの作品はこのヴィランの実写映画化としての初お披露目。オリジンとなっていく作品です。

結論からすると、海外批評面での低評価もまあうなずける作品の出来です。ほんのり期待していた私からすれば、拍子抜けだったところが多くあります。

低評価っぷりが今後のSSUにも影を落とし、せっかくの登場ながらこの先のユニバース展開自体が終わってしまうかもしれないとの噂も。

一般観客層からの指示は一定ある

Forbesが報じているRottemTomatoでのソニー映画のまとめですが以下のようになっています。

あくまで批評家からの評価という意味でのscoreですが、かなりボロボロ。一般観客の方では70%くらいはあるので、割れているって感じでしょうか。

確かに序盤にロシアの刑務所に潜入し、狩りを遂行するシーンなんかは、久しぶりに超人パワーとリアルさの融合具合が効いていて好きでした。

クレイヴンの獣のような動きなどは独特でスタイルとしても見ごたえがありましたし、アーロンの肉体美を余すところなく披露しているなど、つかみはよく感じました。

全体には、「ヴェノム」が逃げずにやるべきだったゴア表現と血の描写もある程度踏み込んでいるので、その辺だけでも差別化にはなっていると思います。

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オリジンとしての肝心な、”なぜクレイヴンになったのか”がまるっと欠けている

ただ、問題はオリジンとしての能力覚醒、そこから実際にクレイヴン・ザ・ハンターとしての役割を果たすまでが完全に欠落していることにあります。

まず序盤、密漁者たちによって仲間を殺され、怒りに燃え殺戮者となったライオンとの出会いがありました。

あそこでなぜあのライン”ザー”がセルゲイ(クレイヴン)を殺さずに運んだのかも謎なのですが、サファリに来ていた少女がおばあちゃんからもらったなぞの薬を飲み、さらにザーの血が混じって超人に覚醒するというのは、あまりに微妙な気がします。

自然の何か神秘的な力だと言えば、ブラックパンサーとかのやり方で納得できますし、超人血清的なものなのであれば、それはキャップやスパイダーマンと同じで科学として受け入れられます。

でも混ぜてしまっている。しかも科学側である薬が、たまたま旅行に来ていた少女が持っているというのはあまりに都合が良すぎると思います。

それで力を得て、青年のセルゲイは初めて人を殺す。

密漁者への容赦なき制裁が一応は彼の憂いヴンとしての在り方なんでしょうけれど、そこから現代までがジャンプカットで、具体的にハンターとして名を馳せるまでの経緯が不明すぎるのです。

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登場キャラとサブラインが多すぎる

でも別に、その点が不明でも、最初のきっかけとその後の、今作でのストーリーのキック以降がストレートなら問題はなかったと思います。

でも、変に周辺情報みたいなものが多いです。表に出ているキャラクター数についてもオリジンとしては複雑に多いです。

ラッセル・クロウ演じる父はセルゲイにとっての呪いとして存在わけで、一方でセルゲイにとって大事な存在としての弟もいる。家族間で決着をつけなくてはいけない問題で、それがそもそもストレートな構成ではない。

さらに昔自分を救った少女が大人になっていて弁護士やってて、父のビジネスの敵でライノ、またライノが協力することになる暗殺者まで登場する。

ジャグリングできないなら絞るべきですし、そもそも今作でクレイヴンは初めましてなのだから、こんなにサブライン作ってもしょうがないんじゃないでしょうかね。

おかげで父はしばらく出てこなくなったり、クリストファー・アボット演じる暗殺者の幻惑の能力の説明がほぼなくて意味不明だったり、退場の仕方もあっけなくなる。全員が薄味にしかならないんです。

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弱肉強食の世界で、自分の掟を貫く

全体の話に一貫性を持たせるなら、弱肉強食の世界でどうやって自分の掟を貫いて勝つのかでしょう。

生易しい世界ではない、強者しか生き残れない中で、自分であろうとしつつサバイバルをしていくのは、J・C・チャンダー監督の「アメリカン・ドリーマー 成功の代償」「トリプル・フロンティア」でも描かれていました。

だから作家性というか、作品の芯と監督はあっているんだと思います。

セルゲイは強大な父、捕食者としての宿命を背負いながらも、悪のみを食い殺すハンターとして歩もうともがき続ける。他のキャラクターも、この過酷な世界で勝ち、生き残ることを考えています。

だからこそ、オリジンになる作品なので、セルゲイがはっきりと掟を作り、そしてセルゲイではなくクレイヴンとなる瞬間を描きこむべきです。

監督としては本当に好きですし。

主演のアーロンもコミットした肉体やワイルドさと同時にいいお兄ちゃん感を出せる、優しい顔のできる俳優です。フレッド・ヘッキンジャーも間違った環境に生まれてしまった弟を好演しています。

すごく要素は良かったのですが、とにかく絞り込んでちゃんと描きこむことが足りなかった作品だという印象です。

まずはここをスタートに、再チャレンジした作品も観たいのですが、SSUの命運やいかに。

今回の感想はここまで。ではまた。

コメント

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