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「Fair Play/フェアプレー」”Fair Paly”(2023)

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fair-paly-movie-netflix-2023 映画レビュー
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「Fair Play/フェアプレー」(2023)

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作品概要

  • 監督:クロエ・ドモント
  • 製作:レオポルド・ヒューズ、ベン・ルクレア、ティム・ホワイト、トレバー・ホワイト、アラン・マンデルバウム
  • 製作総指揮:ライアン・ジョンソン、ラム・バーグマン、クロエ・ドモント
  • 脚本:クロエ・ドモント
  • 撮影:メノ・マンズ
  • 美術:スティーブ・サマースギル
  • 衣装:ケイト・フォーブス
  • 編集:フランクリン・ピーターソン
  • 音楽:ブライアン・マコンバー
  • 出演:フィービー・ディネバー、オールデン・エアエンライク、エディ・マーサン、リッチ・ソマー、セバスチャン・デ・ソウザ、パトリック・フィッシュラー 他

ヘッジファンドで社内恋愛し、婚約もした男女が、片方の昇進により関係性を崩壊させていくスリラー。

「ブリジャートン家」のフィービー・ディネバーと「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」のオールデン・エアエンライクが共演。

監督はテレビシリーズ「クラリス」「ビリオンズ」などのクロエ・ドモント。

作品はサンダンス映画祭で注目を浴びました。

2023年10月6日からNetflixで配信されていて、私も配信で鑑賞。感想を残すのが少し遅くなりました。

~あらすじ~

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エミリーとルークは、ヘッジファンド会社で恋人同士として働き、婚約もしていた。

エミリーは優秀なアナリストで、環境を努力ではねのけてきた。そしてそのことを尊重してくれるルークを大切に思っている。

しかしエミリーが昇進のチャンスを得たことで、2人の関係は不穏な影に覆われる。

出世したエミリーとのパワーバランスの崩壊が、彼らの仕事と愛情に暗雲をもたらしていく。

感想/レビュー

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非常に楽しめました。

クロエ・・ドモント監督はジェンダーに関する議論を、激しくスリリングに展開しています。

着火点は、エミリーの昇進。しかしこれは女性の昇進つまり、”男性の上に立つ女性”という論点に集約されています。

この人間のエゴと下品さと金と権力の濃縮された舞台のようなヘッジファンド。

金を稼ぐことが正義であり手段はいとわず稼げないなら犬のような扱いを受けて虫けらのように踏みつぶされる。

この設定がキレキレに効いていて、スリリングさに拍車をかけています。

厳しい環境で一切の情けがない。だからこそ実力がモノを言い、エミリーは輝く。

しかし男性が主軸であるというしがらみ、潜在意識と女性蔑視が全てを崩壊させていきます。

同僚たちはエミリーの昇進に対し、「女の命令を聞くのは嫌だ」「女を使って昇進した」などと陰口を言いますね。

みんなが、彼女の実力を認めていない。ただ単純に女性が自分よりも偉くなることに嫌悪感を抱いている。

それだけであればまだしも、今作はルークを”理解あるように見える男性”としておきつつも、潜在意識の露呈をさせてさらに女性蔑視の根深さを掘っていきます。

彼はエミリーを好きで、婚約もした。

しかし実際にエミリーが自分よりも上に立った時から、不満を抱え始める。

努力でここまで来たことは認めているくせに、抜かれると怒り出す。結局コネで就職してきた実力不足のルークは、心の奥底でエミリーを下にみていたわけです。

自分より下の人間だと思っていたからこそ、哀れみのように彼女を認め尊重し愛していた。

本当に喜び応援すべきところで、この男はクソみたいなプライドとその無能さを露呈し邪魔までしているわけですからね。

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露骨な性描写や発言がかなり多い作品ですが、セックスの描写についても女性と男性の上下関係を見て取りました。

映画だったりでも結構ありがちなんですが、(特に女性映画では)男性がある意味で無理やりにセックスを強行することがあります。夫が妻にしつこく迫り、仕方なく・・・

その逆が今回起きます。

酔ってさらに最近のセックスレスで欲求不満のエミリーがルークに抱くように迫る。

ただルークは乗り気ではありません。そこで突き放す。

決定的とは思いませんが、多くの作品から見ると、女性が断れないのに断られるという逆転がみえたのはおもしろいところでした。

男どもは「これってセクハラ?」とか言って平気で下ネタを話し、許されているのに、エミリーが少し下ネタに乗ったりすれば淫売呼ばわりですし。

セックス周りとか下ネタに関し、「女は言うべきではない。」なんてのもまた偏見であり押しつけなんですよ。

たかが知れていた男たちの中で、良くも悪くも実力を認めていたのがエディ・マーサン演じる上司だけってのも皮肉なものです。

終幕に向けては、いい意味で揺れ動き予測できない展開が良かったです。

決して血みどろのサイコスリラーまで行き過ぎることもなく、現実の延長の中でエミリーによる支配が敷かれた瞬間。

ふとした瞬間でのキレの良い終わり方は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などに通じる物があり好物でした。

ジェンダーに関しての明言されにくい点を恐ろしらずで突っ込みまくる作品で、クロエ・ドモント監督の大胆さがすごく楽しめた作品でした。

興味ある方は配信ですがどうぞ。

今回はここまで。ではまた。

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