「マンディ 地獄のロード・ウォーリアー」(2018)
- 監督:パノス・コスマトス
- 脚本:パノス・コスマトス、アーロン・スチュワート=アン
- 原案:パノス・コスマトス
- 製作:エイドリアン・ポリトウスキー、マルタン・メッツ、ネイト・ボロティン、ダニエル・ノア、ジョシュ・C・ウォーラー、イライジャ・ウッド
- 製作総指揮:ニック・スパイサー、マキシム・コットレ、トッド・ブラウン、クリストファー・フィッグ、ロバート・ホワイトハウス、ナディア・カムリッチ、リサ・ホウェイレン
- 音楽:ヨハン・ヨハンソン
- 撮影:ベンジャミン・ローブ
- 編集:ブレット・W・バックマン
- 出演:ニコラス・ケイジ、アンドレア・ライズボロー、ライナス・ローチ、ネッド・デネヒー、ビル・デューク 他
カナダのパノス・コスマトス監督が主演にニコラス・ケイジを迎えて送る、バイオレンスリベンジ映画。
強烈なビジュアルや色彩、その独特の世界観がジャンル映画として高く評価されている作品です。
ニコラス・ケイジのほか、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」のアンドレア・ライズボローが彼の妻でありタイトルのマンディ役で出演しています。
日本でも同年公開されていましたが、映画館には観に行けず。結構たってからですが、海外版ブルーレイで鑑賞しました。9ドルくらいで安かったので。
1983年のシャドウマウンテン郊外。
複雑な過去を抱える男レッドは、愛する妻マンディと人里離れた山小屋で静かに、幸せに暮らしていた。
しかしある日、謎のバイク集団と彼らを雇ったカルト団体に二人は襲われ、レッドの目の前でマンディは惨殺されてしまう。
生き残ったレッドは正気を失ったように怒り狂い、自ら武器を作り上げて復讐に出るのだった。
プロットはまさにその手の復讐バイオレンス映画のそれです。どこまでもそれです。話というか、映画としてはまさにB級であり、変なメッセージ性も何もありません。
しかし、これは異常ですね。
監督パノス・コスマトスはいったい何を考えているのか。一応舞台設定は場所も時代もしっかりあるのに、もはや異界です。
とにもかくにも真っ赤なライティング、魔界が人の世を飲んだかのような強烈な画面。かなりスローでありトリッピングなトーンもあり、これは人を選ぶタイプの作品ですね。
どこか神話的で、どこかアポカリプス映画のようで。
コカイン漬けの異常者集団であるバイク野郎とか、ゾンビみたいに刺されたりしても血を流しながら襲ってくるし、チェーンソー同士のバトルとか世紀末感満載です。
赤の強い中に濃い闇や霧を入れ込み、どこか美しいと感じさせるベンジャミン・ローブの撮影、そして今作が遺作になってしまったヨハン・ヨハンソンの音楽。
この異界を作り上げるのに欠かせない要素です。
主演のニコラス・ケイジ。彼がすごく楽しそうで何よりですね。
あと、ジャンル映画かつ男の復讐ものも似合うんですが、パンイチで酒飲みまくる姿とか、妙な武器振り回す姿とか似合ってしまうのがすごいです。
なんていうか笑ってしまう部分もあり、しかしカッコいい感じもあり、彼がドンピシャでハマっている役なんですよね。
「お気に入りのシャツ破きやがって!」とバイク野郎をぶっ殺すさまは凄惨なバイオレンスですがコメディにすら思えます。
個人的にはなんだかよくわからないけど妖気を漂わせているアンドレア・ライズボローも印象的です。ナニのお粗末さを痛快に笑い飛ばしたり、いろいろスゴイ。
映画としては完全なるB級で、本当に人を選びます。ただ刺さるなら奥深くに刺さりますね。世界の完成度がすさまじいから。
序盤の緩いペースに耐えられて、狂ったバイオレンスジャンルが好きなら楽しいでしょう。
感想は短いですがこのくらいです。自分としては完成度には感心ですがそこまで好きなタイプの作品ではなかった印象。
劇薬なので試す価値はあると思いますが。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた次の記事で。
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