「アワ・レディーズ」”Our Ladies”(2019)

「アワ・レディーズ」(2019)

Our-Ladies-scottish-movie-2019

作品概要

  • 監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
  • 脚本:マイケル・ケイトン=ジョーンズ、アラン・シャープ
  • 原作:アラン・ワーナー
  • 製作:マイケル・ケイトン=ジョーンズ、ブライアン・コフィー
  • 音楽:ロディ・ハート、トミー・ライリー
  • 撮影:デニス・クロッサン
  • 編集:イシュトヴァーン・クラリー、トミー・サボー
  • 出演:タッラー・グリーヴ、マーリ・シウ、アビゲイル・ローリー、ローナ・モリソン、サリー・メッシャム、イブ・オースティン、ケイト・ディッキー 他

「ジャッカル」などのマイケル・ケイトン=ジョーンズ監督が贈る青春ガールズムービー。

スコットランドのカトリック高校で聖歌隊をしている女子グループが、発表会のために訪れるエディンバラでハジケようとするその一日を描きます。

出演するのはタッラー・グリーヴ、マーリ・シウ、アビゲイル・ローリー、ローナ・モリソン、サリー・メッシャムなど。ローナ・モリソンはどこかで観たことあるなと思ったら、スピルバーグの「レディ・プレイヤー1」でオタク女子やってた人でした。

この映画はアラン・ワーナーによる1998年の小説を原作としています。

もともと2019年にはイギリスのBFI映画祭でプレミアされていたのですが、一般公開は2020年になっており、新型コロナウイルス拡大によって何度も延期した結果、最後は2021年の夏に公開されるとかなり待つことになった作品。

日本では一般公開はなくて配信のみでの公開になったようです。

今回はNETFLIXで配信されていたのでそちらで鑑賞しました。

「アワ・レディーズ」のNTFLIX配信ページはこちら

~あらすじ~

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スコットランドの田舎町。そこにあるカトリックの高校通っているオーラたち。

彼女たちは高校の聖歌隊に入っており、エディンバラでの発表会のために練習をしてきた。いざエディンバラに遠征に行く日になったが、彼女たちの目的は発表会での成功ではなかった。

なかなか田舎町から出ることのできない彼女たちにとって、これは最高のチャンス。

好き好きのファッションで、ショッピングから酒を楽しみまくり、街のいい男たちをゲットすることこそ、彼女たちの目的。

いざエディンバラに到着すると、それぞれのやりたいことをしていく。

男を追いかけバーにいく、買い物をする、そしてまた別の行きたい場所がある少女も。

感想/レビュー

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なりふり構わない大胆ガールズムービー

スコティッシュの女の子たちグループを主軸としたガールズムービーであり、青春のいっときの輝きと、大切な友人たちを覚えておくための記録。

かなり奔放で発情した「スタンド・バイ・ミー」と言いましょうか。言葉遣いから実際に彼女たちの目指すところ。これらがかなりマセていてきつめになっています。

もちろん下品ではあるんですが、俳優陣の魅力やアンサンブル、その中で見せられていく各々のドラマにはとてもグッとくるものがありました。

見終わる頃にはまだ続いていてほしいと思い、終われば彼女たちの最後の瞬間に同行できて良かったなと感じます。

思えばこうしたちょっと下品な、ある種自由な題材の青春映画は、あまり女性主軸ではなかったかもしれません。

それがティーンとして突き詰めている設定もまた、映画史としての更新にあたるのかもしれません。

女子高生たちが清く正しい必要なんてないのですから。

少しおかしくて、でも普遍的な青春

パワフルでエネルギッシュ、キャラクターそれぞれの交差する関係性をうまくジャグリングしていきながら、ユーモアにあふれた最終日を過ごしていく。

1つの女子グループでありつつも、学校の優等生との絶妙な距離感といざこざまであったり、仲良しメンバーの動きに嫉妬したり。

みんなで制服を着替えてそれぞれの自分らしいファッションで街に繰り出していく高揚感とか、良いですね。

オーラの話は正直安直に最初は思ったのですが、彼女の願望のぶっ飛び方が面白くて最高でした。

彼女たちの誰かだけを主軸にせずにそれぞれの抱える葛藤が描かれていて、多くのかけらの中にきっと自分が見えるのではないでしょうか。

ぜったいにここから抜け出して、今の自分ではない誰かになりたい。自分のセクシュアリティの解放。親友との関係。

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大きなドラマを抱えていて、優等生のケイと親密になっていくフィヌーラは特に印象的です。

不安もありながらやっと自分を出せる相手がいたこと、二人っきりの夜のドキドキまで、演じたアビゲイル・ローリーが素晴らしかったです。

ごまかすぎこちなさの可愛さに、めちゃ感づいてて意地悪するケイ役のイヴ・オースティン。二人のクラブでのダンスのロマンチックさも素敵です。家で楽器引く下りは焦らしがすごいです。

決してユーモアを忘れないけれど、進むほどにバカ騒ぎする根底にある悩みや不安が見えてきて。本当に最後はみんなが好きになります。

この想い出を心に

映画は回想的構造をもってこの最後の日を振り返るような形。

そんな構造だからどことなく現在進行形というよりも、過去の想い出補正での輝きのようなものがあるのかな。

迎えていく結末に対してもそうなのですが、結構いくつかのルートに分かれて行動する。それはまるで、いつまでも一緒にいられないことの暗示な気もして。

みんなそれぞれの人生を歩みますが、示されるそれらがすごく等身大なところもリアルです。その多様な人生、そこだけ見ればあまりつながりのないようなこの少女たち。

でもやっぱり、あの日、あの夜、あの青春を一緒に過ごした。これがその証明です。

あの花火の演出とか、やっぱり離れることになってもみんな同じものを見ている、つながっているように感じます。

スコティッシュ訛りのパワフルさで引っ張るガールズ青春ムービーとして、大好きになれる映画でした。

上手く言語化できないくらい自然なレベルで、確かな手触りのある大事な記憶。

ネットフリックス配信で観れますので興味ある方は是非。

今回は短い感想ですがこのくらいになります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ではまた。

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