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「デューン 砂の惑星 PART2」”Dune: Rart Two”(2024)

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「デューン 砂の惑星 PART2」(2024)

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作品概要

  • 監督:ドゥニ・ビルヌーブ
  • 製作:メアリー・ペアレント、ケイル・ボイター、パトリック・マコーミック、タニヤ・ラポワンテ、ドゥニ・ビルヌーブ
  • 製作総指揮:ジョシュア・グローデ、ジョン・スパイツ、トーマス・タル、ハーバート・W・ゲインズ、ブライアン・ハーバート、バイロン・メリット、キム・ハーバート、リチャード・P・ルビンスタイン、ジョン・ハリソン
  • 原作:フランク・ハーバート
  • 脚本:ドゥニ・ビルヌーブ ジョン・スパイツ
  • 撮影:グレイグ・フレイザー
  • 美術:パトリス・バーメット
  • 衣装:ジャクリーン・ウェスト
  • 編集:ジョー・ウォーカー
  • 音楽:ハンス・ジマー
  • 出演:ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、レア・セドゥ 他

「ブレードランナー2049」やなどのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、フランク・ハーバートのSF小説を映画化した大作「DUNE デューン 砂の惑星」の続編。

主要キャストは前作から続いてティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリングなど豪華な面々。

「エルヴィス」のオースティン・バトラー、「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥが新たに参加。

とにかく何もかもが豪華すぎる作品。前作からさらにスケールや俳優陣も増やして壮大になっている作品です。プレミアやら海外での公開ではすごく高い評価を得ていて、日本でも先行上映が本公開の週末より1週前に行われていましたが、その時点で好評が聞こえてきていました。

今回は初週末に観に行くことができず、週中の祝日に都内の日比谷で鑑賞。大スクリーンで堪能してきました。

「デューン 砂の惑星 PART2」公式サイトはこちら

~あらすじ~

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香料を制するものが星を制する。

砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦いにより一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の機会を得ることになる。

砂漠の民フレメンの一員として戦闘の訓練を経て、彼は大きく成長し砂漠を理解していく。そしてチャニと心を通わせながら、救世主として民を導くポールだが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として立ちはだかることに。

ポールは予言の通りの救世主なのか、自身の未来を見通す力とそこに示される悪夢に迷いながら、ポールは大決戦へと歩を進めていく。

感想レビュー/考察

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前作は個人的にはまらなかった作品です。ビジュアルも世界の設定やつくり込みも、静かな中でドラマを主とした撮り方も理解しましたが乗り切れない。不完全すぎる作品だったと思います。

その点で今回は分かりやすく楽しめるようになったと思いました。

馴染のある話で入りやすい、分かりやすく楽しい

単純に王道な話だからです。入りやすいし馴染んでいる。

今作は「マトリックス」のような救世主誕生の物語ですし、主人公が修行して成長して覚醒する、復讐の旅であったりと少年漫画のテンプレのようなパート。

そしてそこかしこに宗教的な素地が見えてきたり、シェイクスピアのような話でもあり。とにかく全人類が何度も通ってきたような話なので、すっと理解していき楽しみやすいのです。

もちろん前作に続いて、(食事とか含めての生命感がないのは相変わらず気になりますが)完成度の非常に高い世界が作りこまれています。いろいろな用語こそ出てはきますが、置いていかれることもなく観ながら観客が考えて理解する余地の残し方も巧い。

重力を感じる映像表現

圧巻の映像表現も素晴らしいものがあります。

個人的にはサンドワームという想像上の生物の存在感、実在感の部分と、今回はそれに乗るシーンがありましてそれがお気に入り。

ポールの覚醒への道と救世主としての発露みたいなシーンなのです。高揚感もあるのですが、実際にサンドワームに乗っていくシークエンスも、特にPOVみたいなカメラの部分など、重力を感じたのがすごかった。

音とか映像からいろいろなものを感じることはあります。暑さや寒さ、においなど。でも今回は重力を体に受けた気がします。

サンドワームが大きな砂山を突破していくときに、ジェットコースターでぐっと下がるときに受ける内臓が浮き上がるような感覚がありました。

ビジュアルについては今回から登場しているハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサ。オースティン・バトラーの圧巻の存在感もありますが、ハルコンネン側の領域?のモノクロの世界のビジュアルとかすごく好きでした。

結局は似たような景色ばかりになりがちなこの作品の中で、結構土地についてはロケも撮影も色彩も工夫されているように感じます。

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やることと人は多すぎる

入りやすいストーリーとビジュアルの力はありますが、良くも悪くもやることが多すぎるのは否めません。むしろここまで多いのになんとかまとめ上げてしまうヴィルヌーヴ監督の力がすごいことは証明されていますが。

これはメタ的なものですが、俳優が誰もかれも豪華すぎて気になります。everyone is someoneなのですよ。ちょっとしたところで出てくる人も主演級の俳優。

もちろん、今作では導入でアリ次回作から活躍するキャラだから仕方ないとかあるのでしょうけれど、あちこちにここまで有名俳優が出てくるとカメオとかではないですし、疲れました。

ポールは彼自身の出自を知っていきながら、つまり過去の旅をしながらも、同時に目の前の闘いに身を投じ、そして未来を見ている。そこに母の思惑があったり、妹の存在もあったり。チャニの想いに皇帝と娘。

上映時間も延び延びにはなりましたが、機能していないとは言い切れません。

大義のために個人を失う男

ポールと母は狂気に身を包んでいく。私にはだんだんと、この二人は象徴になっていって個人としての存在を失ってきているように感じました。それは人それぞれだとは思いますが、ポールを英雄と観て寄り添えるのかはチャニと同じ視点を持っているかに寄るのかなと。

まだまだ一人の青年であった前作に比べると、ポールは自身に背負わされている役目と大義のために、様々なアイデンティティを持っていくことになります。

その上塗り、重ねは徐々にポールという存在を奥底に隠してしまっているようで、そこにチャニがたびたび光を差し込んでいますが、運命には逆らえません。

ライジングな話で厚い展開も多いのですが、根幹としては実はダークで、ダウンフォールに近しい印象。「帝国の逆襲」とか「シスの復讐」みたいなテイストかも。

ポールは個人として大事なものをどんどんと捨てて行って、周囲が求める存在になっていく。英雄、マチズモ、血塗られた決闘。

女性たちの活躍

ここで女性たちが裏ですべてを画策していて、男性がまるでコマのように見えてくるところとか、そうした諍いに対してチャニがどんどんと嫌悪感をあらわにして言っていくところとか、女性映画的な見方もあるかもしれませんね。

原作よりも自主的な行動が目立つ女性キャラが多く、またチャニのポールとの状態を受け入れずに去っていくという点も改変されていますから、意図的にこうした女性キャラクターの描かれ方の変化が盛り込まれていると感じます。

アニャ・テイラー・ジョイが未来予知の中で出てきていたり、今回登場して今後期待されているフローレンス・ピューの皇帝の娘、また今回フェイド=ラウサの子どもを身ごもりハルコンネンの遺伝子を回収しているレア・セドゥ演じるキャラ。

もう1作品続編があるとされていて、物語としてもさらに盛り上がっていくと思われるシリーズ。私としては今作は普通に楽しめる作品で、大画面での鑑賞がおすすめのもの。世界観に飲まれるためにも劇場鑑賞必須と思いますね。

さらに女性陣が活躍していくと思われる次回作も楽しみに待っています。

今回の感想はここまで。ではまた。

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