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「レディ・プレイヤー1」”Ready Player One”(2018)

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映画レビュー
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「レディ・プレイヤー1」(2018)

作品解説

  • 監督:スティーブン・スピルバーグ
  • 脚本:アーネスト・クライン、ザック・ペン
  • 原作:アーネスト・クライン 「ゲームウォーズ」
  • 製作:スティーブン・スピルバーグ、ドナルド・デ・ライン、ダン・ファラー、クリスティ・マコスコ。クリーガー
  • 製作総指揮:アダム・ソムナー、ダニエル・ルピ、クリス・デファリア、ブルース・バーマン
  • 音楽:アラン・シルヴェストリ
  • 撮影:ヤヌス・カミンスキー
  • 編集:マイケル・カーン、セーラ・ブロシャー
  • 出演:タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、T・J・ミラー、ベン・メンデルソン、マーク・ライランス、サイモン・ペグ 他

「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)「ペンタゴン・ペーパー 最高機密文書」(2017)など近年は社会派で硬派な作品が増えていたスティーブン・スピルバーグ監督が、原点に返るようなSFファンタジーを撮りました。

原作はアーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」で、様々なポップカルチャーが入り乱れたお祭り映画のような作品。

主演は「MUD-マッド-」(2012)「X-MEN:アポカリプス」(2016)のタイ・シェリダン。ヒロインに「ぼくとアールと彼女のさよなら」(2015)のオリヴィア・クック。

また「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(2016)のベンメンデルソン、「ブリッジ・オブ・スパイ」や「ダンケルク」(2017)のマークライランスも出演。

予告の時点で、あのキャラこのキャラ、いろいろと騒がれていた本作。私もあのアイアン・ジャイアントが出てくるという事ですごく楽しみでした。

公開週の土曜日に観たのですが、別にサービスデーでもないのに、かなり劇場が混んでいまして、若い人が多く来ていましたね。

~あらすじ~

2045年、人類は多くの問題を抱え過ぎて、それを解決することをあきらめ、世界はスラムと化していた。

そこに暮らす人間たちは、まさにゴミのような現実から離れて、オアシスと呼ばれるバーチャル世界に入り浸っていた。

そんな世界で暮らす青年ウェイドもまた、オアシスに入ってはそこで知り合った友人といろいろな遊びをしている。中でも一番の注目は、あるチャレンジだった。

それは、このオアシスの創設者ジェームズ・ハリデーが残したメッセージに関わっていた。

彼は生前に記録したビデオの中で、このオアシスに秘密のカギを3つ隠し、見事見つけ出したものには巨万の富とオアシスの統治権を与えると言うのでった。

世界中のプレイヤーそして大手のテクノロジー企業までも、鍵を求めて日々オアシスを駆け回っていく。

感想レビュー/考察

大変ワクワクしたという事は大きな印象としてまず挙げられました。

序盤からのオアシスへの放り込み具合がすごく良かったと思います。まあ対比的に、もうみたくないと思わせてくる現実世界のゴミ溜めっぷりがあることも良いことだと思いますけど。

始まって割とすぐにオアシスの世界をみせ、目まぐるしい数のオマージュや版権もの、ポップカルチャーの引用があり、正直画面を一時停止しながらでないと、何がどこに出てきていて何をしているかが把握できないでしょう。

私としても、映画ネタは分かるものの、ゲームや音楽、その他のポップカルチャーの部分では気付きもしていないので、3割くらいわかったような感じかと思います。

とにかくそうしたネタがメインである作品で、そこに関しては愛情がすごく感じられたと思います。

レースゲームといったら逆走とか、自分もやったなぁと思いました。あちこちのキャラやその動き等を観て、楽しむ感覚は素晴らしかった。

しかし同時に、そこに響くものがなければ、かなり定番のお話でもあります。

特に後半へいけば行くほど、序盤に引っ掛かっていた展開が気になり始め、プロットは既成の枠に落ち着き始めていき、なによりオアシスも現実世界も、非常に小規模に感じられました。

スピルバーグがやってきたことをまたやっているという意味では、さすがに手慣れていておもしろいのですが、逆にいつも通りという印象も持ってしまうところ。

分かりやすいレジスタンス話に、陰謀の大企業。

あと、せっかくすべての人が混ざることが出来る世界において、最終的に近い年齢層の集団になってしまったこともちょっと残念。若者だけのものじゃないはずですからね、こういったサブカルって。

脚本上に緩い部分とか穴が多いのはまあしょうがないとは思います。

はっきり言えば、過去のポップカルチャー、アイコン、なにか愛情を注いだものへのノスタルジーに包まれた作品で、それを楽しめばいいくらいの印象です。

最終的に行き着くところとしての、ちょっと唐突にも思える”現実みろ”メッセージもそんなに成功しているとは思えませんし。ヒロインのオリヴィア・クックが普通にかわいいヒロインな時点でね。

キャスティング的にも分かりやすいと言えばそうですから。

まあ私の大好きなベン・メンデルソンがいつもどおりの小悪党、腑抜け悪役を演じていて嬉しい限りですよw いまどき部下にぶん殴られるボスっていますか?最高!

全ては現実逃避に思えたものでも、結局はそこが現実になれば同じこと。

そしてその現実逃避というのは、おそらく現実に向き合うための力をくれたはずです。誰しも何かに夢中になっては、そのために頑張ったりしたはず。

ゲーム、コミック、映画や小説、何かの競技や習い事。なんでもいい。

自分を育てて、励まして癒してくれた何か大切な存在に再び会えるような映画体験。

脚本が弱くても、気になる点があっても、嫌いにはなれませんでした。

スピルバーグなので、安定したクオリティがあります。特に序盤は次から次へと目の前に広げられるキャラやマシンなど、そしてアクションに胸踊ります。

だんだんお決まりになってはしまうのですが、最後の台詞が好きです。

制作者としての目線、ファンに伝えたかったこと。

これまで多くの、私たちを夢中にさせてくれたものを生み出してきたスピルバーグ、もはやリアルハリデーのような人が、「この作品を観てくれてありがとう」というような。

作りてとしての彼からの、ファンとしてもっとも聞けて嬉しい言葉をもらったような気がしました。

なんていうか、一方通行だと思ってた愛情が、実はこっちにも気持ちが向いていたような。

普通に観てもおもしろいと思いますけど、特殊な作品でもあると思いますね。

VFX体験としても、大きなスクリーンで観てほしい1本でした。

感想としてはこんな感じで終わりです。それでは、また。

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