「プレデター:ザ・プレイ」”Prey”(2022)

「プレデター:ザ・プレイ」(2022)

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作品概要

  • 監督:ダン・トラクテンバーグ
  • 脚本:パトリック・アイソン
  • 原作:ジム・トーマス、ジョン・トーマス
  • 製作:ジョン・デイヴィス、マーティ・P・ユーイング、ジョン・フォックス、ジェーン・メイヤーズ
  • 音楽:サラ・シャッハナー
  • 撮影:ジェフ・カッター
  • 編集:クラウディア・カステロ
  • 出演:アンバー・ミッドサンダー、デイン・ディリエグロ、ダコタ・ビーバース 他

1987年、ジョン・マクティアナン監督によって生み出されたモンスター映画「プレデター」。

続編の他に宇宙最強生物の代表格エイリアンとの死闘を描く作品、その後も根強い人気から2010年、2018年と作品が作られ続ける人気シリーズですが、今作にて人類との初めての遭遇と戦闘が描かれることに。

舞台は1700年代のアメリカ大陸となり、コマンチ族の少女が主人公となります。

演じるのはTVシリーズ「レギオン」などのアンバー・ミッドサンダー。

そして監督を務めるのは「10クローバーフィールド・レーン」に続いてこれが長編映画2作目となるダン・トラクテンバーグ。

しかしトラクテンバーグ監督って6年も何も取ってなかったんですね。プロジェクト選びは慎重派なのかな。

子どもの頃にプレデターを観てからそのカッコよさに惚れて、いままでのシリーズは一応は全部見てきました。

今回は予告時点で一風変わった感じになっていたり、時代設定もあってさらに興味があったのですが、製作公開はディズニー傘下のFOXになっています。

ということでせっかくのプレデター新作ですが劇場公開ではなく配信での公開ということになりました。

早速ディズニー+で鑑賞。

「プレデター:ザ・プレイ」ディズニー+での配信ページはこちら

〜あらすじ〜

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1700年代の初頭。アメリカ大陸には他部族を抑え興隆するコマンチ族がいた。

狩猟民族である彼らの中で、女性でありながら戦士として腕を磨くナル。

立派な戦士である兄にいつか認められ、戦士の儀式で獲物を仕留めることがナルの目標だ。

兄たちの狩りに同行し、ライオンの痕跡を見つけるナルだったが、気がかりなことがある。

それはライオンが仕留めた獲物を食べるのをやめて立ち去っていること。そして近辺で見つかった熊にしては大きすぎる足跡。

ナルたちは森の中でこれまでに遭遇したことのない狩人と出会うことになる。

感想/レビュー

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これまでの「プレデター」シリーズと異なり、(原題では)タイトルにプレデターが使用されない形となった本作。

異色の設定であることだけでなく、そのスタイルというか風格も異なったテイストになっています。

それが映画として良いかは一旦置いておくとして、このスタイルをファンが楽しむことができるかが重要ですね。

優等生になったプレデター映画

プレデターというフランチャイズに何を求めているのか。

これまでと大きく異なるゆえに、実はファンよりも新規で初めて見るという人のほうが素直に楽しめるのではないかと思うのです。

「プレデター」といえば映画という世界において無敵のシンボルのようなアーノルド・シュワルツェネッガーが肉弾戦でコテンパンにされるという衝撃を持った作品。

過剰に対して過剰なパワーをぶつけた狂気。祭りのような感覚を持っていると思います。

続編はその点で言えば主人公よりもギャング団がイカれていたり。エイリアンVSはそのままエキシビションマッチなので祭り。

その後の作品もどこかおかしなキャラクターがいたり少しふざけた印象です。

そこで今作はどっちかといえば真面目なのです。

だからこそプレデターシリーズの狂気を楽しみたい方にはちょっと優等生すぎるというか、ウェルメイドに振ったテイストが受け入れられるかが評判の分かれ目だと思います。

弱肉強食の世界

さて映画としての話をすれば、その優等生っぷりが発揮されていて素直によくできていると言えます。

舞台設定を実際に狩猟ベースの時代にしたことで必然的に食物連鎖の世界とプレデターをうまくなじませています。

ただ、実際にはコマンチ族という他種族をも従えた強力な民族だけではなく、交流しつつも侵略者であったスペイン人が出てきていますから、ここでもまた人間世界での覇権争いが見えます。

何かが何かによって食われ、それもまた何かによって食われていく。

この力こそ正義な弱肉強食の世界に、技術的にも身体的にも圧倒的なプレデターが現れるのです。

ライオンは怯え、そして熊とはタイマン張ってボコボコ。あの重量を持ち上げるパワー。

やたらと力が誇示されていく演出は、女性でまだ少女のナルを叩きのめしていきます。

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知恵と技を武器として

男たちに狩り場から邪魔者扱いされるシーンも含めて、孤独なナルですが、彼女はサバイバーです。

武器は筋肉や身体の大きさではない。

その知性と修練された動き、冷静さ。

抜群の身体性をみせるアンバー・ミッドサンダーがカッコいいですね。

セリフこそ設定上多くないのですが、瞳に力強さを感じる俳優です。

ナルにとってなぜこのプレデターとの戦いが重要なのか、そこのドラマを十分に引き付けていたのはミッドサンダーの力です。

これはもちろん遊びではないですし、競技でもない。しかしただのサバイバルでもないのです。

彼女にとってこの宿敵を倒すことは、部族の中での居場所の確立に他なりません。

自身のスキルを持ってプレデターを打ち倒すことは、生命としての生き残りだけでなく部族社会の中での生き残りも意味する。

そこで今作は原点回帰したように、知性と技によってナルの活躍と戦いを見せていきます。

肉弾押しではなくて、それまでの遭遇と戦闘からヒントを得て、兄の敵討ち踏まえでのラストバトルは熱いものがありました。

そして、持つべきはやはり犬です。

過酷な外部環境において前に突き進む強い女性

今作でおそらくあまり満足できない点があるとすれば、それはこれがプレデター映画であること、その必要性がそこまで強くないということでしょうか。

あくまでプレデターというのはアイコンです。圧倒的な強者という象徴。

私が強く感じたのは、監督の前作「10クローバーフィールド・レーン」との共通点。それはフェミニズムともいえる、行動を起こすことを決めて戦う女性の姿です。

思えば前作もシリーズものでエイリアンもの。でも実際のところエイリアンはほぼ出ないし主軸ではなかった。

むしろ極限環境下で逃げずに戦うその強さを描いていました。

今作もそこに行きつくのかと。すべてが逆境である時代と環境において、最大の敵に遭遇しようとも、ナルは自分自身の証明に邁進する。

ひとつ、少女が大人になり居場所を手にいれる成長物語としても美しいものでした。

まあそんな奥ゆかしさというか楽しさがあるぶん、クレイジーゴアバイオレンス映画として期待すると拍子抜けしてしまうのも事実。

もっとバカらしくていいよというプレデター映画ファンにはそれが受け入れられるか次第説いたところでしょう。

アンバー・ミッドサンダーの好演に支えられた、原点回帰のプレデター。美しい風景なども含めてぜひ劇場で観たかったですね。

NETFLIXは一部劇場での公開もしてくれますが、ディズニー+はもう最近はやらないですね。

と最後の方は公開方法の愚痴になりましたが、感想は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ではまた。

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