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「パディントン」”Paddington”(2014)

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映画レビュー
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「パディントン」(2014)

  • 監督:ポール・キング
  • 脚本:ポール・キング
  • 原案:ポール・キング、ヘイミッシュ・マッコール
  • 原作:マイケル・ボンド 「くまのパディントン」
  • 製作:デヴィッド・ハイマン
  • 製作総指揮:ロージー・アリソン、ジェフリー・クリフォード、オリヴィエ・クルソン、ロン・ハルパーン、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
  • 音楽:ニック・ウラタ
  • 撮影:エリック・ウィルソン
  • 編集:マーク・エヴァソン
  • 出演:ベン・ウィショー、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ニコール・キッドマン 他

原作はイギリスでは誰しもが子供のころに読み聞かされた、愛すべき児童文学の「くまのパディントン」。

かわいらしいくまのデザインとして、各所でもイメージキャラになっていたりする、赤い帽子に青いダッフルコートのくまです。私は原作を読んだことはなく、あくまで映画で初めて出会う感じですが。

BAFTAの方にノミネートしていたようで、イギリスでの興業も良く、また各批評家筋からの評価が高め。

映画館にはそこそこの人が入っていて、家族からカップルからいろいろ。そして一番よかったのは、各所で観客から笑いが起きたことですね。映画館でみんなで感情共有ってやはり良いものです。

イギリスの探検家は”暗黒の地ペルー”を訪れ、不思議なクマに出会う。彼らは非常に文明化され、知能の高い種族であったのだ。

探検家は様々な英国の技術を紹介し、「イギリスに来たときは暖かく迎えよう。」と言って去って行った。

時は流れて、クマたちは相変わらず幸せに暮らしていた。しかし大地震が森を襲い、家を失った子グマはかつての探検家の言葉を胸に、イギリスはロンドンへと新たな家を求めて旅立つ。

そして現代イギリスのパディントン駅で、ブラウン一家に出会うのだった。

CGとアニマトロニクスを組み合わせたパディントンは素晴らしく、ここは現代だからこその表現。表情豊かに動くパディントンのかわいさは必見です。ドライヤーモフモフ、改札に挟まる、おかしくてかわいくて。

また、声を務めるベン・ウィショーのあの中性的な感じが、あまり性を感じさせずキャラクターとして伝わってくる良さを出していると思えました。

映像面では、私個人の意見ですが、映画的な感動が詰まっているかと。

空想とかを実際に映像化して人物と共有するわけです。お家の階段の背景の木。実際に風景が変わりはしないですが、心の反映として風が吹いたり枯れたり花が咲いたり。

また、パディントンが故郷を思い出して画面を通り抜け森の中を感じるシーンなど。空間や時間を瞬時に超えてそれを視覚に流し込んでくるのは、とても映画らしいと思えて大好きです。

もちろんコメディとして、ファミリー映画として申し分ないと思います。

しっかり笑えて、映画を通してニコニコ。ブラックでシニカルなジョークも多く、好きなタイプでした。バカ騒ぎでなく品があるというか。

ブラウン一家含め、登場人物の笑いも楽しめました。それぞれ個性的でかつメタ的な描かれ方があり、リスク管理のヘンリーはパディントンとのミッションシーン含めて愛すべき親父w

何かと”embarrassing”というお姉ちゃんは思春期を異常にわかりやすくしたようなキャラで良いですね。隣人のカリー、ピーター・カパルディという方が演じていますが、結構お気に入りのキャラでした。なんというか子供w 偏屈ではありますが、かわいげがあるんです。

そういった特徴をそれぞれ持っている人物、それらを最後まで展開に組み込むうまさは、「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」(2015)でも感じたような、驚きと納得でした。ギャグってだけじゃなく、実は運びのカギとなっている。うん、感心です。

そういった愛すべきキャラの中で、今回の敵役をニコール・キッドマンが演じています。美しい。

彼女の剥製コレクションで頭部の反対側にお尻があって並んでいたのは個人的にツボ。剥製ってそうじゃないだろw 壁一面にいろいろな動物のおけつw

着ているものなどに動物の皮や柄があって、さながらクルエラでしたが、ちょっと難点が。

とにかくすべてのキャラにかわいげがあり、それはこのミリセントも同じ。それゆえにあまり本質的な怖さとか嫌悪感はないんです。

間違ってはいますが、極悪ではないというか。最後に「ざまぁ」と言えるタイプではないですね。なんなら美しいニコールに追いかけられたいw

その他で言えば、スローモーションの使用はちょっと余計だった気もします。別段効果的とも思えなかったですね。

さて、とにかくみんなで楽しめる作品。かわいいクマが観れる映画。

しかしそれ以上にもっと大事なことを含んでいました。

パディントンが過去のイギリス精神を学んでそのまま時が止まっている、だからこそまるでカルチャーギャップのように笑えます。しかしそれこそが「クマから何を学ぶのか」だったわけです。

外の世界からやってきたもの、違う種族のもの。その者たちへ疑いと嫌悪でなく、優しさをもって暖かく迎えること。昔はそう謳ってその精神を忘れずにいようとしたはずです。

しかし今はすっかり忘れ、嫌疑と恐怖に憑りつかれている。

クマを通して見せてくれたのは、現代における国家や市民、私たちの持つべき精神なのでしょう。

何しろ今は欧州で移民問題があります。家を求めて流れ着く異なる人々。彼らをトラブルの原因と決め追い出そうとするか、暖かく迎えるか。

パディントンがブラウン一家に家をもらい、そしてブラウン一家もまた大事な精神と、より良い家をもらいました。おすすめの一本。

そんなところでおしまいです。それではまた~

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